- 作者: 舛田光洋
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2006/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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三日坊主の人も、3日間全力でやることを目標にしてとにかくやり遂げる。休み休みでもいいので、くり返していけばそれはもう三日坊主ではないのだ。やろうと思ったのにできなかった罪の意識や劣等感が問題なので、そういうものを持たないようにすることで自分に対するマイナスの感情も少しずつ改善するのだ。またやってみよう、という気になった。
この本も役に立つことが満載だが、中でも本棚に関する記述は衝撃的だった。舛田さん曰く「本棚は自分の頭と同じ、蔵書が何年も入れ替わっていないということは頭の中も更新されていないということ」*1だそうです。本棚を見ればその人の成長がわかるらしい。成長すれば自然と昔読んだ本はもう必要なくなるはずなので、何年も同じ本が並んでいる本棚の持ち主は成長していないことになる…。
ぐうの音も出ない、とはこのことであります。本はなかなか捨てられず増える一方になるので、最近はあまり買わないようにしている。その結果本棚の構成は何年も変わっていない。このあと書くこととも共通してくるが、常に自分の持ちものを自分に同期させておく、最新の状態にしておくことが大切なのだ。
一番収穫だったのはそうじ力は「最高の自分になる」方法だとわかったこと。すっかり忘れていたが、以前の私は「自分をいかにして100%発揮するか、最善の自分を出していくか」を模索していた。無いものねだりではなく、自分にあるものを全部出したいと思っていたのだが、それをこの本が思い出させてくれた。自分の周りから無駄なものを捨て、きれいに磨き込むことで自分がわかってくるのだそうだ。それが強みになり、最高の自分が発揮できるようになるという。著者自身の経験談も書いてありとても説得力があった。
自分を知るには、自分の持ちものをきちんと把握して明確にすることが大切なのだという。たとえば
「あなたはブラウス(またはシャツ)を何枚持っていますか?それはなぜですか?」
という問いにきっちり答えられる人はどれだけいるだろうか。でも、自分を知る人は
「10枚持っています。1週間洗濯できなくてもいいように7枚。さらに新品が1枚、残りの2枚はおしゃれ用です。」
ときちんと答えられるのだそうだ。私?もちろん把握できていません。
さらに、洋服だけでなくカバンの中身編というのもあり、著者のカバンに何が入っているか書いてあるのを読んでびっくり。ペンの種類や細さ、選んだカバンまですべてに理由があり、それをスラスラと答えているのは衝撃的だった。きちんと把握できているとこんな風に答えられるんだ、と思った。書いてあるんだからいくらでも時間をかけられるかもしれないが、おそらく舛田さんは口頭でもスラスラ説明されると思う。
私はといえば自分のカバンに何が入っているか覚えていないようなものもいろいろ…。ここが違いなのか!と感動すら覚えた。ものすごく簡単なことなのに、こんなに大きな違いが出るんだったらやるしかないでしょう。
毎度おなじみではあるが、やはり基本は捨てることから。すべてのものを把握できてきちんと説明できるようになったら人生変わるだろうなあ。
著者はリサイクルなどを考え出すと結局捨てられないので、思い切って捨てることを勧めている。よーし、東京に行くまでにいっぱい捨てるぞー。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
成果が出せない仕事を捨てる
(著者が新幹線の中で知り合った、大手企業の韓国支社・支社長の話)
彼が質の高い仕事をするために気をつけていることは、とりあえずの仕事、成果が出せなくなってきている仕事を洗い出して「捨てている」というのです。
そのために重要なのは、やはり優先順位と劣後順位の決定が大切といいます。
たとえば、上司や先輩などから流れてくる仕事を優先順位にしてはいけない、と彼はいいます。あくまでも、成果に直接つながるものを優先することが大切であるといいます。
彼も、上から流れてくる仕事を第一優先にしていた頃は、ただ忙しく、成果もあがらず、いつも疲れ果てていたそうです。
上司などに、とりあえずやっておいてと頼まれる仕事は、後々成果に結びつくことが100%ないことに彼は気づきました。
そこで、彼は、ある時期から、とりあえずの仕事はしないと自分で決めたそうです。それが会社のためにも自分のためにもなると確信したからでした。
初めはまわりから反発もあったそうですが、その分、空いた時間を会社にとって今後重要となる仕事に集中して取り組みました。少しずつ成果が出て、周囲にも評価され、最年少で支社長に抜擢されたといいます。
支社長になってからは、部下にもこのやり方を教え、成果を上げながら自分の自由になる時間も増やし続けているそうです。
彼は外部からの圧力から優先順位を決めていたときには、仕事に追われ、さほど成果もあげていませんでした。しかし、自ら意志決定をして成果に直接結びつかない、外部からの仕事を断り始めたところから実績をあげ、支社長にまで昇進し、現在のように観光を楽しむ時間まで生み出せるようになったのです。
成功を捨てる
九州は大分・中津の藩士であった福沢諭吉は、大阪に出て蘭学を学んでいました。当時は蘭学といえば最新の学問でした。
蘭学を身につけた諭吉は、江戸に出て幕府の仕事を手伝うようになったのですが、あるとき、横浜に出向いて大変なショックを受けます。
それは青春の全エネルギーをかけて勉強してきたオランダ語が、まったく通用しない現実でした。もはや、時代は英語になっていたのです。英語ができなければ多くのことが学べない時代に入っていたのです。
諭吉は大変ショックを受けたようですが、蘭学を捨てて、そこから英語の勉強に切りかえます。いざ、勉強してみると英語の文法はオランダ語の文法によく似ていて、意外と簡単にマスターできたそうですが、今まで積み上げてきた蘭学を捨てた福沢諭吉の勇気と決断は、日本に大きな影響を与えたのです。
このように、自分が努力をして積み上げてきた成功を捨てるには覚悟が必要ですが、さらに自らを成長させ、次の成功を目指すのであれば今の成功を捨てるという勇気を持ってください。
仕事の成果を上げる「磨き込み」
自分のデスクを磨き込んで、さらに仕事のイメージを描くということです。毎朝、仕事開始前に実践するのが原則です。メモ用紙と筆記用具も用意してください。これがポイントになります。
まず、机を磨いて心を静めていきます。
次に、机にすわり、メモ用紙とペンを取り出し、今日1日、自分はどんな仕事をするのかをリストアップしていきます。そして、イメージの中でリストアップした仕事をすべて終わらせてしまうのです。
ここで大切なのは、最初に、終わった場面をイメージすることです。そのあとでどのように達成するかを決めていきます。
私の場合、「今日は本の執筆を午前中にしよう、1章を完成させよう」と思ったのであれば、11時半ごろに完成した原稿を読み返している場面をイメージします。そのためには、プロットを細かく打ち出している場面、各ブロックを埋めている場面を想像していきます。
午後から人と打合せをするのであれば、その結果の場面をイメージします。その日会う人に、イメージの中で今日はよろしく頼むね、とお願いもしておきます。
このことを実践していくと、心にゆとりが生まれます。仕事の結論が明確になっているからです。日常で出会うさまざまな予期せぬ出来事に対しても、うまく切り返しができるようになってくるのです。
*1:ここだけ図書館に返してから追記しているので記憶を頼りに書いています。表現が違っていると思います