- 作者: 田中宥久子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/01/08
- メディア: 単行本
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実は、この本を借りてきたのは私ではなく家人だった。びっくりしたが、実は土井英司さんがメルマガ「ビジネスブックマラソン」で紹介されていたのだそうだ。こんな本を男性が読むとは田中さんも出版社も予想していなかったと思うが、生き方として学ぶことが多いのは男女どちらも同じなのかもしれない。
田中さんは美しくなるには「美しくなる!」という決意と日々の積み重ねだ、ということを自著をはじめあちこちで言われている。もちろんこの本でもそれが繰り返し語られている。これもまた「達人の生き方」そのものだと思うが、中でもとても印象的な言葉があった。
いくつになっても女性はきれいになれます。うつくしくなりたい、自分を変えたいなら、まずは気づく。次に、その決心を継続させるために、自分ができることは何か、を考えることが大切です。決めたことを「ねばならない」にせず、まるで歯磨きのように続けるだけ。
――婦人公論2007年2月7日号
なるほど、「歯磨き」にしてしまえばいいのだ。
歯磨きは究極の習慣だと思う。食べるとか寝るとか排泄というのは本能から来るものなので放っておいても必ずする。しかし、歯磨きはしなくても生きていける。ただ、歯磨きをしなければ虫歯になるし、口の中も気持ち悪い。だから人は当たり前のように歯磨きをする。面倒だからやめようとか、やらなくなるということはまずないし、そこに迷いもためらいも何もない。考えなくても1日に数回、自動的に歯を磨いている。習慣とはそういうものだ。
きれいになるためにやろうと決めたことを、歯磨きのように淡々と続ける。習慣化する。それが美しくなる最大の秘訣。やるかやらないか、ただそれだけ。その結果が還暦過ぎても本当に美しい田中さんの笑顔だ。美しい本だが、こんなに決心を突きつけられる本もないだろうと思う。カツを入れられた気分で思わずコットンパック+お風呂で泥パックまでしてしまった。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
- 40代からは、年をとってなんぼです。そう思ってもっと自信をもっていろんなことに本気でトライすればすごくおもしろくなる。しょせん肩書きも財力も名誉も頑張ったことのおつり。
- 老けるということは現状に甘え、だらしなくなる自分を放置しておくこと。“面倒くさい”のその一言が、自分で老化を呼び込んでいるのです。
- 結論として、年を重ねれば重ねるほど、身だしなみがものを言うようになってくるということです。身ぎれいにするのは生きる上でのマナー。
- 何よりも「言った以上はやる」ことが大切。(中略)「言った以上のことをやれば、みんなが理解する」との祖母の言葉があったから。
- 今を幸せに思えなかったら、どんな生活や人生を送っても「自分は幸せ」と思うことはできません。今に満足ができないから、違う何かを求めるというのは、ないものねだりなのです。ないものねだりばかりになっていくと、自分が苦しくなります。
- 自分は100やったと思っても、周りが50と決めたら50、だから私が私が、って言ってもしょうがない。結果を出すしかないから。
- 当たり前のことが一番むずかしいことですが、当たり前を積み重ねると、それが特別になっていくのです。
- 女が現役を降りるのはあごのラインがもたついたとき。女優もあごでギャラが決まる
- 細かいことは、もう気にしない。何か感じても「気のせい」ですませる、心の平安を得るためにね。実際、それですむことの、なんと多いことか。