- 作者: 泉正人
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/03/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本田直之さんが活動されているJBN(在留邦人ビジネスネットワーク)のメンバーである泉正人さんの本。
泉さんは複数の会社を経営し、JBNの活動もされているのに仕事は早朝2時間やるだけ。毎月のように海外に出かけても、会社の仕事はスムーズに回るのだそうだ。なぜか?それは仕事のすべてを仕組み化しているから。
以前は朝6時から夜12時まで働いても仕事が終わらなかったのが、仕組み化することで2時間にまで減らせた、そのノウハウを紹介した本だ。
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書いてあることはごく簡単なことで、おそらく効率化について書かれた本でもう読んだよ、ということばかりだと思う。しかし、やはりそれをきちんと使いこなして結果を出している人のことばはとても説得力がある。
この本のメインはチェックリスト作りとToDo管理なのだが、どちらも非常に具体的でわかりやすい。ToDoは紙かパソコンか、優先順位をつけるかジャンル分けするか、など好みが分かれるが、チェックリストは誰でもそのまま使えるノウハウだと思う。
例として経営しているスクールの体験入学説明会を行うためのチェックリストが紹介されているが、実に細かい指示が書いてあり、これならアルバイトでも同じクウォリティの仕事ができると感じた。考えなくてもすむところまでリストをしっかり作り込むことが、1時間2時間かかっていた仕事を5分で終わらせるコツだという。
他にもヒントになることがたくさん書いてある。さらっと読めるので今の自分がどの程度できているか、どこを変えればもっと楽になるのか確認するためにも読むといい本だと思う。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
単純作業やルーチンワークなど頭を使わないですむ仕事には
「仕組み」を徹底して作ることで、効率化させたり、人にまかせたりします。
そして、そうやって捻出した時間と労力を、ひたすら「頭で考える」ことに振り向けるのです。
失敗を「仕組み化する」
- ミスやトラブルが生じる可能性をできるだけ少なくする「仕組み」
- ミスやトラブルを早期に発見する「仕組み」
- ミスやトラブルに素早く対応する「仕組み」
仕事を「仕組み化」する3つのポイント
- 才能に頼らない
- 意志の力に頼らない
- 記憶力に頼らない
ポイントは、そこに気分や「意志の力」を介在させないこと
ルーティンワーク化するということは、無意識化するということ。無意識の記憶を司る線条体が関与していると考えられます。くり返すことで体が覚える。無意識だから苦にならない。そういう状態を一般的には、「集中している」と呼んでいるのです。
東京大学大学院講師・池谷裕二さんのインタビュー
『プレジデント』2007年4月16日号より
使えるチェックシートを作る4つのコツ
- 「TO DO」と「詳細」に分ける
- できるだけこまかい手順に落とし込む
- 判断を入れない
- 2度目からはアルバイトもできるように
メンテナンスは、つくるのと同じくらい重要
チェックシートはPCで作成して、作業のときにプリントアウトして使うことをお勧めします。
PCで作成することのメリットは、必要に応じて簡単に更新できることです。メンテナンスが簡単にできることは、「仕組み」を仕事に定着させるのに必要な条件です。
TO DOリストのコツ
- 毎日、毎月行うこと
- 長期的な予定 「歯医者に行く」「定期検診」「年賀状の準備」など
- 会社経営に関する数字
- 具体的な実行する時期が決まっていないもの(急ぎではないが継続的に気にとめておくようなことも入れる) 例)「弁護士を探す」など
- 目標や元気の出るフレーズ 定期的に目にするようにしておけばモチベーションの維持も「仕組み化」できる
- 定期的なTO DOは頭に曜日を入れる 例)仕事(月木)、趣味(水)、確認(日)
- 定期的にやるものは【】を使ってひと目でわかるようにする 例)【25】(毎月25日)【月】(月曜日)
優先順位をつけずに、楽なタスクから一気に片づける
TO DOリストは、仕事を効率的に進めるための「仕組み」ですから、そこに「面倒くさい」「やりたくない」といった感情や「意志の力」を介在させないようにします。使用や判断の予知をさしはさまずに処理していくことがポイントです。
習慣づけるために
こうやって、たとえば朝の1時間の間に30個のTO DOを片づけられたりすると、仕事をするのが楽しくなってきます。このように仕事をきっちり完了させていく気持ちよさを毎朝味わうことを習慣づけることも、ひとつの「仕組み化」といえます。
「考える系」は定期的にリマインドして、潜在脳に植えつける
「考える系」タスクの難しいところは、時間を費やしたからといって、そこで必ずよいアイディアが生まれ、クリエイティブに案件が解決するとは限らないことです。
私は、そのよいアイディアが出る瞬間をつねに待っています。しかし、そのことが頭にない状態では、出てくるアイディアも出てきません。
そこで、そのことについて忘れないために、私は「考える系」タスクをTO DOリストに入れて、毎週月曜日、毎日○日というような周期で、定期的に認識するようにしています。そうすることで、自分にリマインドするわけです。
片づかないタスクとは
- タスクが抽象的あるいは複雑であるため、手がつかない、途中で止まってしまう
- あなたにそのタスクをやる気がない
2の場合は、今はそのタスクをやる時期ではなかったということです。あきらめてスパッと消してしまいましょう。消すか否かで悩んだり、消すことに罪悪感を持つ必要はありません。やっぱり必要になったら、そこでもう一度リストに入れ直せばいいのです。
「感情を入れない」。それが効率的に仕事を片づける最大のポイントです。
メールのルール
- その場で返信する
- 5秒以上、判断に時間をかけない
- 文章は20行以内にまとめる
- 選択肢を2つ以上用意し、一度の回答ですむようなメールの書き方をする(5は省略)
自分を「型」にはめる
世の中は、自分がつくった「仕組み」で動くか、他人がつくった「仕組み」で動くか、そのどちらかです。自分で作らなければ、一生、他人がつくった「仕組み」にコントロールされて生きることになります。自分を動かすルールは、自分で作るのです。
自分のお金も「仕組み化」しよう
お金に関して効果的なのは、ルーチン化していくことです。たとえば月末に給料が入ったら、そのうちの2割は○○銀行に貯金して、1割は必ず本を買う。そういった「仕組み化」を行い、それを半年、1年などと期間を決めて、ひたすら続けます。指呼に気分や感情を差し挟まないのがコツです。そうすれば、どんな人でも、嫌でも結果が出ます。
当たり前のことを当たり前に継続するだけで、誰でも結果を出すことができます。