
- 作者: 鍵山秀三郎
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- 作者: 寺田一清
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- 作者: 鍵山秀三郎
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著者・鍵山秀三郎さんはカー用品販売店「イエローハット」の創業者。自転車1台から始め、大きなチェーンに育て上げた人だ(詳しいプロフィールはこちら:NPO法人ザ・シチズンズ・カレッジ 講師プロフィールより)。幼少の頃から苦労されてきたそうだが、貧しくても掃除を怠らず、明るくてきぱきと働くご両親を見て育ったことがのちの理念に繋がったそうだ。
書かれていることはごく当たり前なのだが、私をはじめできている人は少ないよなあと思うことばかりだ。中でも「掃除を徹底してやる」ことに心血を注がれている。「そうじ力」のルーツはこんなところにあったのね、と思った。
個人的には下のメモにもあるが、「自分の枠を使い尽くさない」というのが心に残った。また、お金を頂いているからとお客様に対して卑屈にならない、逆にお金を払っているからとメーカーに対して偉そうにしない、というのもなかなかできないことだなあと思った。ついつい「お金を払っている=偉い」という尺度で考えてしまいがちなので。
掃除の仕方もとにかくすごい。会社だけでなく周りもきれいにする。営業車を洗う時も人が乗る車からまず洗う。雨の日でも洗ってから乗る。そうすると事故が起きにくいのだそうだ。これが凡事徹底ということなのだなあと感じた。
※掃除についてはこちらのブログに詳しく書かれています。
イエローハットのお掃除に学ぶ経営、生き方「やさしい世の中にするために」
「簡単なこと、単純なことを極めていく」という方法の奥深さを知ることができる本だと思う。ちょっと襟を正して毎日を見直したくなります。あとは実践あるのみ。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
※鍵山秀三郎語録 (活学叢書)より
「凡事徹底」とは
- すべてに行き届いていること。
- その人の言っていることと行動が一致していること。
- すべてを活かしつくすこと。
ということで、容易ならぬことです。
氣づく人になる2つの条件
- 微差、僅差をいつも追及し続けるということ。
- たえず「人を喜ばす」こと。
こうした氣持ちでものごとに取り込み毎日を重ねると、1年も経てば人が変わるほど氣づく人になります。
森信三講述『修身教授録』より
そもそも人生の意義いかんということについては、いろいろの考え方がありましょうが、われわれ日本人としては、自分が天よりうけた力を、この肉体的生命の許される限り、充分に実現して人々のためにつくし、さらにこの肉体の朽ち果てた後にも、尚その精神がこの国土に残って、後に来る人々の心に、同様な自覚の火を点ずることにあるかと思うのです。
継続
最初から大々的にやろうとか、大きくやろうというように考えると、失敗してしまいます。失敗するとあとがなかなか立ち直りにくいのです。
小さく始めた仕事は失敗することがまずないのです。また失敗をしても立ち直りやすいということです。
人生も事業もなんでも「小さく始めて大きく育てる」という考え方を持つ方がいいと思います。
思いやり・1
大人か子供かの違いは、単に年齢だけの差ではないようです。「大人」か「子供」かの違いはどこで見分けるかというと、自分のことしか考えられない人は子供です。人のことも考えられるようになり、社会のことも考えられるようになったときは、たとえ10歳でも大人です。
思いやり・2
同じホテルに2泊3泊するときに、私はちゃんと部屋に書いておくのです。
「私は今日も泊まりますから、このシーツも寝間着も、枕カバーも何も洗濯しなくてけっこうです。このままでいいです」と。
そうすると無駄に洗濯をしないで済みますね。
譲歩・1
- できるだけ譲る。
- 掃除を徹底する。
- 人を喜ばす。
- 自我を張らない。
- 与えられた枠を使い尽くさない。
- 骨惜しみをしない。
この6つを小さく積み上げてきているうちに、ある日、氣がついてみたら、とてつもなく大きな力を授けられたような氣がします。
譲歩・2
「与えられたものをすべて使い尽くさない」というのが私の基本姿勢です。人間にはどんな場合でも「枠」が自らそれぞれ与えられています。私は「与えられた枠」をいっぱい使い尽くさないで、必ず内輪に留めておくのです。そうすると「あなたはこのくらいいいですよ」と先方からかえって枠を広げてくださるのです。
人に喜んで頂く悦び
GLAの高橋佳子先生に「3つの幸せ」について教わりました。
その一つは「もらう幸せ」。たとえばお風呂に入れてもらえる。だっこしてもらえる。そういうようにもらう幸せ。
二つ目は「できる幸せ」。たとえば自転車に乗れるようになったとか、今までできなかった鉄棒の逆上がりができるようになったとか、そういう「できる幸せ」。
三つ目は「あげる幸せ」。人にものを差し上げる。なにかをしてあげる。それによって相手が喜ぶ。その相手の喜びが自分の幸せになるという幸せこそ、本当の幸せです、と教えられました。
条件
自分だけ有利な特別の条件を求めている間は、絶対に自分の仕事も人生もよくなりません。
誰にでも平等に与えられた条件の中から、自分の努力と才覚を持って、その条件を生かしていったとき、初めていい結果が得られ、自分自身の向上もあり得るのです。
森信三先生の『一日一語』に
「自己に与えられた条件をギリギリまで生かす」ということが、人生の生き方の最大最深の秘訣」とあります。
私は特別な才能など与えられていなかったけれど、丈夫な体と忍耐力を与えてもらいました。この与えられた条件を生かし、他の人が8時間働くならば自分は12時間働きました。人が12時間働くなら、寝ないで徹夜してがんばりました。
そうして与えられた条件をギリギリに生かしてきたつもりです。
無駄・1
やったことで無駄なことは何一つありません。
ただ、無駄にしている人がいるだけのことです。
無駄の中でも、心の無駄遣いが一番いけません。
無駄・2
無駄のない人とは、ものごとの価値を知っている人です。特にものごとの価値を知っているばかりか、価値を見出すことができる人です。
それに反し、価値を見出し得ず、それを無視するから、何ごとも無駄になってしまうのです。
生き方
小さな実践を続けると、実践は必ず自信につながっていきます。どんなことでも実践すれば今までやったことがなかったことでも、必ず自信につながります。そして必ず人から信用され頼りにされます。人間にとって人から頼りにされることほど幸せなことはありません。
感謝
お客様の立場でものを買って、お金を払ったとき、それを本当にありがたく受け取って、心から感謝されたら、その支払った金額のことは忘れて、氣持ちのよい買い物をしたという印象だけが残るものです。売上高を心配する前に、お客様に喜んでいただける、商品やサービスができたかどうかを心配する方が、先ではないでしょうか。
掃除
掃除をしている人には「絶対安心」「絶対肯定」「絶対感謝」という世界が広がってきます。従ってそういう人は疲れません。ストレスが溜まりません。それはすでに相対の世界を越えているからです。