お客をつかむウェブ心理学 (DO BOOKS) 川島 康平 同文館出版 2008-07-17 価格 ¥ 1,575 by G-Tools |
著者・川島康平さんは、このブログでも何度か紹介している松尾昭仁さんの会社ネクストサービスでITソリューション事業部統括部長をされている。
この本ではタイトルの通り、心理学の法則50をウェブ制作とマーケティングに活用することで「人間心理に効果的に訴える心理戦略」を教えてくれる。50の法則は、名前はちんぷんかんぷんでもその効果については何となく知っている、というものから「吊り橋理論」などの超メジャーなものまでさまざまだ。そのひとつひとつに、具体的なウェブ上の戦略が紹介されていて、簡単にできて効果が期待できるものがとても多い。実は私も仕事用のブログを作るにあたり、いくつか取り入れさせていただいた。
たとえば、38の「アフォーダンス理論」。ネット上の主な検索サイトでは、リンクされている文字はすべて青色。これを自分のサイトでも取り入れることで、ネット初心者でも迷わずそこをクリックできる。自分のスキルを標準として考えるのは危険であり、一番利用者の多いホームページの見えないルールを取り入れることが大切なのだそうだ。
このように、心理学用語の説明の後に、これをウェブに応用するとどうなるか、ということが簡潔に説明されているのでとてもわかりやすく、実際に取り入れやすくなっている。このため、一度読んで終わりではなく、手元に置いて、改善が必要な時に読み返す本だと思う
ただ、惜しいのは項目がすべて「心理学用語」になっており、自分のほしい情報がどこに書いてあったかが探しにくい。これは自分で付せんを貼ったりまとめを作ったりして自衛する必要がありそうだ。
著者はあとがきで「10年後も売れる(通用する)ウェブの本にします!」と出版会議で宣言したエピソードを紹介しているが、その通りに変化の激しいインターネットの世界でも、スタンダードとして使える方法が載っていると思う。迷ったら基本に戻る、そんな時に役に立つ1冊。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
クーリッジ効果=定期的な更新
ホームページというメディアを端的に表現すると「情報発信ツール」。情報とは、
- 質
- 量
- 鮮度
- 信頼性
- 認知度
の5つの要素によって価値が生じる。
もっとも価値ある情報とは、信頼のおける情報源から発信された、質、量ともに充分な、ほとんど知られていない最新情報ということになる。そういった意味では、いかにすぐれた情報であっても、いったんマスメディアやインターネット上に流れた情報は、誰でも手に入れることができる、価値の低い情報といえる。
そして、ホームページが世界中の誰でも見ることができる情報発信ツールである以上、あなたの発信する情報は認知度以外の4つの要素で勝負する必要がある。
クーリッジ効果を考えた場合、頻繁な更新という基本的なことが、いかに重要なのかご理解いただけると思う。
まずは更新頻度。ホームページの情報を追加、修正する頻度だ。可能であれば毎日更新。むずかしければ、週に1回の更新を心がける。そして、できることなら定期的な更新をホームページ上で謳う。
定期的な更新がむずかしいなら、それを可能にするコンテンツを作ること。