現役力(PHP新書) 工藤 公康 PHP研究所 2009-03-14 価格 ¥ 714 by G-Tools |
読んであれあれ、と思った。西武ライオンズにいた若い頃のイメージしかなかったからか、こんなに厳しい人とは思わなかった。これだけ厳しくないと結果を出し続けることはできないんだ、という当たり前のことだが。
もちろん自分にも厳しいが、若手にもものすごく厳しい。まるで谷底に突き落として、それでもはい上がってきた仔だけを育てるライオンのようだ。巨人の山口投手は育成選手として入団した時から工藤さんと一緒にアリゾナで自主トレをしていたそうだが、工藤さんが太鼓判を押しただけあって去年は新人王、今年はオールスターにも選ばれるまでの選手に成長した。
そのためには自分をよく知ること、自分で疑問を持ち、それを解決するためにあれこれやってみること。やはり考えなければ一流にはなれない。その危機感が、若手に対する厳しさになっているのだろう。
西武・渡辺監督の叱らず、のびのびと野球をさせるポリシーとはかなりスタンスが違うように思うが、もし工藤さんがピッチングコーチや監督になっても、もしかしたらすごいチームができるかもしれない、と期待が持てる。
もちろん野球だけでなく、どうやって仕事に真剣に取り組むか、その姿勢を学ぶのにいい本だと思う。ただし、ガツンと言われたい人向きです。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
もっていい自尊心、もってはいけないプライド
プロとして、もっていなければいけない自尊心は、もちろんあります。一方で、プロとして邪魔なプライドがある。
もっていなければいけない自尊心は決して表に出さず、自分の心の中にそっと隠しておけばいい。まわりから丸見えのプライドが、いちばん問題なんです。なぜならそれは、深く根を張っていない、なんの根拠もないものだからです。
新しいものに挑戦するには、
そうすることによって自分がいかによくなれるかを、どれだけ強くイメージできるかがカギを握っています。新しい試みを続けることで、最初の段階でこれくらい、次の段階ではこれくらいのことができるようになり、最終的には「理想の自分」に近づいている…。
ある程度、先がイメージできれば、チャレンジを継続するモチベーションが保てます。
自分の引き出しを多くする
一流の人間と二流の人間の違い、それは引き出しの数と使い方だとぼくは思っています。引き出しが3つも4つもある人と、ひとつしかない人。3つあるのだけれど、ひとつひとつバラバラにしか取り出せない人。一度に4つ引き出せても、優先順位がわからずにうまく使えない人。
引き出しの数はいくらでも増やせますし、その組み合わせは無限大にあるわけです。そのことを、ぼくは後輩たちに気づかせてあげたい。人に増やしてもらうのではなく、自分で引き出しを増やし、それらを縦横無尽に積み上げていく術を身につけてほしい。