最近よくお名前を目にする小宮一慶さんの本。本も多数出されているそうだが、初めて読んだ。
言いたいことがすんなり伝わらないことは多い。特に、クライアントさんに伝える場合、事務的な話ではないのできちんと受け取ってもらうのに表現を変えたり、たとえ話をしたり、手を変え品を変えかなりエネルギーを使っている。この本は「超具体化」というタイトルに惹かれ、もっとシンプルにストレートに伝わる方法があればと思って読んでみた。
この本の評価は人によって分かれると思う。この本ではテクニックではなく、もっと本質的なところを扱っている、と書かれていたのでそういうところを知りたい人にはいい本なのだろう。「超具体化」なら、もっと斬新な方法でもあるのかな、と期待しすぎたのかもしれないが、ごくごくオーソドックスな方法だった。また、講演活動もされている著者の経験から得られたヒントを知ることもできる。
著者が勧める方法は、まず自分がありありとイメージをする。その後、そのイメージが損なわれないように相手に伝える。その部分の技術を繰り返し磨くとよい。あとは練習。
他は、コミュニケーション力を磨きたい人は、みんなそのくらいやってると思うけどなあ、という話が多かった。相手に親しみを持ってもらえるような努力をするとか、メールより電話にしろとか、そうできない人とのコミュニケーションに悩んでいる人にはうーん、という部分も。
あまりいいことが書けなくてすみません。この本を読んで「だいたいできてるな」と思えたら、コミュニケーションレベルは中級以上、とういことなのかも。
ただ、“自分の話しているところを録音し、文章に書き起こして確認する”という作業は初めて聞いたので、これは試してみるとよさそう。著者は自分の講演の講演録(内容を文章にしたもの)をもらうことがあり、今も内容を確認して改良しているそうだ。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
コミュニケーションのコツ
まず「意識」を共有し、相手の心理バリアを下げること。そして、目的を達成するための「次の一歩」を明確に示すこと。
「具体化して話す」ための7つのポイント
- 「本当?」「なぜ?」「それから?」「どのくらい?」を常に問うクセをつける
- 漠然とした話で納得しない
- 必ず例え話をする
- 自分がイメージしていることを再現しながら話す
- 話したことを文章にして書いてみる
- 自分の言ったことを相手に繰り返してもらう
- 数字を選んで使ってみる
自分で理解しておく
むずかしいことを話す時は、言うまでもなく、自分が話す内容をしっかり理解してなくてはならない。生半可な知識で話すと、すぐに見抜かれてしまう。
自分で理解するということは、「何も見ずに言える」ということだ。「人の受け売りだ」と思われたら、相手の心にも響かない。実際は受け売りでもかまわないが、それを自分の言葉にして言う、何も見ずに言えるくらい自分のものにしているということが大切。