毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

非・話し上手の作戦☆

表紙が島耕作シリーズの漫画家・弘兼憲史さんの自画像つきコメントなので書店でもとても目を引く。「とにかく一度読んでほしい!あなたの人生が変わる一冊!」とまで書かれていると手に取らずにはいられないと思う。私は書店で見かけて図書館で借りたが、率直な感想は「『人生が変わる』は大げさ過ぎない?」だった。


著者は家を売る営業マンをしていたが、なかなか成績が上がらず、常にクビになるのではとビクビクしていたそうだ。それが、あるきっかけで話し方を変えたことにより人生が激変。今ではセールスマンや経営者向けのコンサルティング業をされている。
私は、そういう著者自身の人生が書いてあるのかと思ったが、そうではなくて話し方のテクニックをまとめたものだった。著者は何をきっかけに、どうやって人生が大きく変わったのか、それがわかるともっとテクニックをリアルに感じられたのに、と思ったが、本当に藁をもつかみたいくらい、話し方で悩んでいる人にはテクニックだけをまとめた本書のようなスタイル方がいいのかもしれない。

書いてあることはごくごくまともだ。ルールは全部で66紹介されているが、目からウロコというくらい新鮮に感じたのは私は2〜3個。まあ、私はセールスの仕事ではないし、会って話を聞くのが仕事なのである程度できているからかもしれないが、もしこの本を買っていたらだまされた感があったと思う。

話し下手に悩んでいる方、せっぱ詰まっている方は、外見的から気の持ちようまで基礎から全体を網羅する内容なので、とにかく何か1冊、という時にいいかもしれない。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

愚痴は目的を持って言う

どうしても我慢ができなくなって愚痴を言いたくなった場合は、明確な目的を持った上で言うようにしてください。
《不安を吐き出すため》、《ストレスを発散するため》、《モヤモヤを吹き飛ばすため》
など。愚痴を言う前にハッキリと目的を決めてから言うのです。
そして、もうそれ以上は言いません。
目的を達成したらサクッと次に進みましょう。

アイスブレイク*1

アイスブレイクとは、言葉通り氷が溶けるということで、初対面の参加者同士の抵抗感をなくすために行うコミュニケーションのひとつです。
人前で何か話をする時はもちろんのこと、初対面の方とお話しする時もお互いに緊張しているものです。そんな時にいきなり本題から始めても内容の半分も伝わりません。
やはり軽い話題で緊張をほぐすことが必要になります。
話のうまい方は話す内容が面白い場合もあります。しかしそれ以上に出会ってすぐのアイスブレイクがうまいのです。

相手の年代に合わせた話題を提供する

  • 20代 仕事の悩み/どこへ遊びに行くか
  • 30代 子育ての話/休みの日の過ごし方
  • 40代・50代 健康の話

印象に残る言葉

パーティで非常に印象に残った方がいました。
その方とは長話をしたわけではありません。また特に変わった話や深い話をしたわけでもないのです。その方は、別れ際に私にこう言ってくれただけです。
『今日は菊原さんにお会いできてよかったです。それだけでも来たかいがありました』

それだけではありません。その2日後にその方からハガキが届いたのです。
『お会いできたことに感謝いたします』
短い言葉でしたが、非常に印象に残りました。

何度も聞く/何度も話す理由

2度質問するということは、お客様が一番不安でなおかつ重要だと思っている内容なのです。また数回繰り返す話というのは、その人が大好きな内容なのです。
まずは人が何度もする話はきちんと聞く。そして喜んでもらえるひと言を添える。
それが上司、仲間、お客様ともうまくいく方法なのです。

接客の際、目の前にないものの話をする

あなたが何かを購入する時のことを想像してください。いきなり目の前の商品に関してガッツリと売り込みされたらどうでしょうか?欲しいものならまだしも、少し見に来た程度でしたらまずいい印象は受けないでしょう。
では店員さんがこのような言い方をしてきたらどうでしょう?
『まだ表には出していないのですが、すごくいい商品がありましてね』
このように言われると急に話を聞いてみたくなるのではないでしょうか?
人は、目の前にない商品の説明は、安心して聞いてしまうものなのです。

お客様は目の前のものを説明されると警戒してしまうのです。逆に、目の前にないものはすんなりと聞いていただくことができます。
目の前のものの話をすれば売り込みになり、目の前にないものの話をすれば情報になるのです。これは『聞き手に心の準備をしてもらう』の応用です。

*1:人は他者との会話において、ある程度の緊張を起こします。この人は自分にとって安全か?問題はないか?などの防衛意識を持つためです。
アイスブレイクは、対話初期する簡単な質問で、場をなごやかにし、打ち解けさせ、相手の防御の姿勢を解く効果が期待できます。
対話初期に、答えやすく、気持ちをほぐす効果のある簡単な質問があることは、対話の進行においてユーザの精神的な距離を縮める上でとても重要です。
相手との共通の話題がある場合は、とても効果的ですが、時候の挨拶や、体調に関する質問、時事ニュースなどでもいいでしょう。株式会社ユザック コーチング用語集「アイスブレイク」よりお借りしました