毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ユニクロの経営理念から学ぶ生き方☆☆

一勝九敗
一勝九敗
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柳井 正
新潮社(2003/11/15)
¥1,029

※現在は文庫版(460円)も出ています
2003年に柳井さん自身が書かれた本。ユニクロは全戦全勝のイメージがあるが、実は10戦して1勝くらいしかしていない、という。
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この本では、柳井さんが父親の経営する紳士服店で働き始めたところから、フリースの爆発的ヒットで全国的に認知され、さらにロンドン進出とその縮小まで、どう考え、なぜそうしたのかを包み隠さず書いてある。この本が出た頃は、柳井さんが一時会長に退いていた時期なので、今とは状況がかなり違っている。野菜を売る事業をやり始めたばかりだったり、下着や靴にもいずれ進出を、と書いてあったりするので、柳井さんがこの時考えていたことがどれだけ実際にできたのか検証することも可能だろう。私は少し前にNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で経営コンサルタント・大久保さんのユニクロ改革の話を見ていたので、大企業病の話やそこからどう脱却したのか、というくだりを興味深く読んだ。
また、巻末に載せてある経営理念23条に込められた強い思いも伝わってくる。これは周りから何度ももっと少なくした方がいいのではないか、と進言されたそうだが、ここだけは譲らなかったそうだ。理念のないところに成功はない、と柳井さんが考えているからだ。
この他にも、随所に柳井さんが考えていること、決定の基盤としていることがあり、勉強になった。

これから自分でビジネスをやろうと思っている人、特にゆくゆくは上場企業にしたい人には最高に役に立つし、それ以外の人にとっても仕事の取り組み方や生き方について学べる本。文字がぎっしり詰まっている本なので少々読みづらいかもしれないが、興味のあるところだけ読んでも価値があると思う。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

失敗からの立ち直り

失敗は誰にとっても嫌なものだ。目の前に突きつけられる結果から目を逸らし、あるいは蓋をして葬り去りたい気持ちにもなるだろう。しかし、蓋をしたら最後、必ず同じ種類の失敗を繰り返すことになる。失敗は単なる傷ではい。失敗は次につながる成功の芽が潜んでいるものだ。したがって、実行しながら考えて、修正していけばよい。効きにつながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているよりよほどよい。失敗の経験は身につく学習効果として財産になる。

問題は、失敗し判断した時に「すぐに撤退」できるかどうかだ。儲からないと判断したら、その事業を継続すべきではないのは誰にでも理解できるはず。撤退もスピードが大事である。短期間のうちに撤退後の方針を決め、人員の再配置を決める。だらだらしていたらその分、損が膨らんでいくばかりだ。失敗に学ぶことと、リカバリーのスピード。これが何より大切である。

社会に貢献するとは

自分でよいアイデアを持っていて、それを実行する。商品を買ってもらって、それで世の中が動く。その結果として、社会に貢献できる。事業とは、こういうものだと思う。自分ひとりの力ではむずかしくとも、同じ志の人たちと一緒に仕事をしながら社会を変え、社会に貢献しようとするのは会社という組織を使えば可能だ。人と同じことや、社会にあまり影響力のないことをやっていてもしょうがない。本当によい企業というのは、ある意味では社会運動に近いものではないかと思う。行き過ぎはよくないが、常に積極的に、外向きで顧客の要望に応えるという原点を忘れなければ、必然的に社会に対する企業としての使命感が醸成されてくると思う。

正しいこと、小さいこと、基本

成功する会社に共通しているのは、「正しいこと、小さいこと、基本」を徹底的にやり切るということだ。一見するとできているように見えるのだが、ほとんどの会社はできていない。やる以上は徹底して、100%正しいこと、小さいこと、基本をやり続ける。そういう一歩一歩がとても大事なのだ。0.001メートルつまり1ミリの差が、先に行けば行くほど、非常に大きくなる。毎日基本をやっていれば、ことは解決する。それをやらないと次のステージには行けない。「毎日毎日、飽きるほどやること」が成功する秘訣である。

明確な目標、目的、コンセプトを持つ

明確な目標、目的、コンセプトを持っているかいないかで、「10年たったら100倍」の違いが出る。人生も会社も、あらゆるものは有限。寿命がある。終わりがあるとすれば、最終的にどういったことをするのか、明確な目標(=こういう風になりたい)とか目的(=こういうことのためにこうしたい)とかコンセプト(=ひとことで言うと「全体」という概念)を持たなくてはいけない。

部分的に即断し、やみくもに偏った反省をすべきではない。

しっかりした分析基づかないで反省し行動しても、ますます傷口を広げることになる。

起業家十戒

  1. ハードワーク、1日24時間仕事に集中する。
  2. 唯一絶対の評価者は、市場と顧客である。
  3. 長期ビジョン、計画、夢、理想を失わない。
  4. 現実を知る。その上で理想と目標を失わない。
  5. 自分の未来は、自分で切り開く。他人ではなく、自分で自分の運命をコントロールする。
  6. 時代や社会の変化に積極的に対応する。
  7. 日常業務を最重視する。
  8. 自分の商売に、誰よりも高い目標と基準を持つ。
  9. 社員とのパートナーシップとチームワーク精神を持つ。
  10. つぶれない会社にする。1勝9敗でよいが、再起不能の失敗をしない。キャッシュが尽きればすべてが終わり。