毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

この人は本物だ☆☆☆

たぶん、日本の知事で一番有名な東国原宮崎県知事の本*1。元芸人さんなのでチャラチャラしたようなイメージがあったが、この本を読んで一変した。ものすごく真面目な人で、思いつきで政治家になったわけではないということがよくわかる。


著者が芸人時代にある事件から謹慎することになり“干された”時、考えたのはちゃんと勉強してみたい、ということだったそうだ。中学・高校の復習から始め、猛勉強して現役の時行けなかった早稲田大学(第2部)へ入学。その後、10代の時から夢だった政治家への一歩を踏み出す。
困難に直面した時、ここまで真剣に自分と向き合える人は少ないと思う。そして、その後目標に向かって努力を続けられる人はほんの一握りだろう。学生をしていた頃のタイムテーブルが紹介されているが、この生活を何年も続けられる人はほとんどいないのではないだろうか。著者がいかに真剣だったかがよくわかる。


現在知事として多忙な日々を送る著者の仕事に欠かせない、新しいことを覚えるためのA6ノート。そして、高校時代から工夫し、2度目の大学生時代に活躍した東国原式ノート。ちょっとしたことだが、さすが実践して磨かれた方法で、どちらもすぐに取り入れられそうだ。

また、著者はマラソンが趣味ということも有名だが、走ることにも少し触れていて、その意味でも面白かった。「小さなことからコツコツと」の力を改めて感じた。

著者でなければ書けないことのひとつに、「気持ちの切りかえ方」がある。知事としての公務の間にテレビの収録があったりして、切りかえがむずかしいことがあるそうだ。そのコツにはうなってしまった(下のメモをご覧ください)。


「愚直」という言葉が似合うかもしれない本だが、この人は本物だ、と感じた。サラッと読める本なので、モチベーションが上がらない人にもお勧めです。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

情報はA6ノートにすべてまとめる(P44)

気になった言葉は必ずA6サイズの小さなノートにメモするようにしていま。そしてその意味、問題点、背景などを調べます。また、そのメモをいつも持ち歩き、それを記憶し頭の中に入れるようにしています。
(中略)
私のメモの取り方は、まず見出しのようにキーワードを書いてそれを四角で囲みます。そして、その意味、問題点、背景などをまとめているだけです。
たとえば入札のことが話に出て、入札のことが気になったとします。その時には「入札」といった漠然とした単語を書くのではなく、「入札制度改革」というキーワードを書くのです。
(中略)
「入札制度改革」を行う上でのポイントは何なのか。「入札制度改革」に至る経緯、制度の違い、メリットとデメリット、趣旨をチャート式にして書いておくわけです。
このメモを見るだけで、「入札制度改革」のポイントが一目でわかるようにしておくのです。

1ヶ月に1冊のペースでメモを取る(P50)

このノートを最後まで書き終えたら、新しいノートに移ります。その時、最初の2〜3ページぐらいに古いノートのまとめを書いておきます。
自分がまだ、しっかりと覚え切れていないこと。また、現在、進行中の出来事。そして、自分が今、気になっているキーワードを書いておきます。
また、このA6ノートはだいだい1ヶ月に1冊終わるぐらいのペースで書いています。
(中略)
逆に言えば、1ヶ月に1冊でまとめるようにしなければいけないということです。ノートに情報がたくさん書かれていても活用できません。
(中略)
そして、このノートを3ヶ月持ち歩きます。それで時間が少しでもあったら何度も何度も見返して反復する。その繰り返しをだいたい3ヶ月ぐらいすると、メモしたことが頭の中に入ってくるのです。

人から教えてもらったことは、記憶に残ります(P78)

だから私は、わからないことがあったら、それが誰であろうと質問します。それが年下であろうと、初対面の人であろうとかまいません。

記憶は武器になる(P81)

暗記すれば、その後が楽になる。何度も反復練習をして覚えてしまえば、これほど頼りになるものはありません。

東国原式ノート術/右ページ(P88)

ノートを右ページと左ページに分けて書くようにしていました。
まず、右ページには教授が黒板やホワイトボードに書いたことを、1文字たりとも漏らさず書き写します。また、黒板にはポイントだけが書かれるので、そのポイントの意味がわかるように教授の説明も書き入れていくのです。

東国原式ノート術/左ページ(P90)

そして、左ページには、自分が気になったキーワードを書いていきます。
…講義を聞いていて自分が考えたこと。疑問に思ったこと。講義を聞いていて気になった単語やフレーズ。印象に残った雑談。参考にあげられた本の名前などです。
この左ページに書かれたことは、あとで教授に聞いてみたり、自分で調べるためです。ここをうまく活用することで、その時に感じたことをその場で書いておく。そうすることで、自分の考え方のデータペースができるのです。
※解説(P105)
東国原式ノート術は、左ページに余白がたくさんあって、一見、ページの無駄遣いをしているように見えるかもしれないが、右ページと左ページの役割がきちんと分担されていることによって、ノートを見返した時にそこに何が書いてあるかひと目でわかり、実は効果的なノート術なのだ。

東国原式ノート術/空きスペース(P94)

上の余白には、レポートの提出期限や試験の日時など、事務的な連絡事項をメモすることにしていました。
下の余白には、教授が口にしていた英単語などを書き込みました。
(中略)
以前私は『ビートたけし殺人事件』という小説を書いたことがあります…この時の小説の書き方も基本はこのノート術と同じでした。
右ページには小説のストーリーを書いていきます。左ページにはどのようにして事件が起きたか、誰が死んだのか、証拠はどうしたか、という自分なりのプロットを書いておいたのです。

東国原式ノート術/ビジネスマン応用編(P88)

右ページには、今話している内容を詳しく書き込みます。会議中にホワイトボードに書かれたことはすべて。また、その書かれたことのポイントがどこか、どういう意味なのかという説明も書き入れます。とにかく、その会議や打ち合わせで話された内容をすべて書き込むのです。
そして左ページには、自分がその時に気になった単語やフレーズ、印象に残ったことなどをメモ代わりに書きます。参考にあげられた本の名前や資料、疑問に思ったことを書いておきます。問題がどこにあるかを書いておく。そして、あとで疑問点や気になったことを調べておくのです。

人から情報を得る時のポイント(P119)

人から何か情報を聞こうとする時は、その人がどれだけ正確な知識や情報を持っているかを判断する場合があります。
(中略)
私は10の質問をします。そして、ます最初の3つは自分が知っている情報をあえて聞いてみるのです。そして、その3つの情報が正確で正しかったら、その人の持っている情報は正しい可能性が高いと判断し、本当に知りたいあと7つのことを質問するのです。

山本五十六のことば(P123)

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」

頭の切り替え、気持ちの切り替えをどうするか(P135)

その場のことに全力で集中するということが重要です。とにかく、すべての意識をその場のことに対応するべく集中する。そうすれば、相手が今の自分に何を求めているのかがわかります。自分は今、何をすればいいかがわかります。
頭を無理矢理切り替えようとするのではなく、その場のことに集中する。そうすれば、おのずと頭や気持ちが切り替わっていくのです。

疑問点は残しておかない(P135)

時間を効果的に使う上で大切なことのひとつが、疑問点はすぐに解決する、ということです。疑問点は絶対に翌日に回さないで、その時にすぐ調べる。
(中略)
その時に調べるのは面倒だったりすることもありますが、タイミングを逃すと、結果としてはよけいに時間を使ってしまうことになりますし、宿題がどんどんたまっていって、結局、調べられず、わからないままになってしまうからです。

壁を超えるには(P145)

でも、その10キロを毎日続けていくことで、10キロが苦痛にならなくなる。当たり前になってくるんです。すると10キロ走るのに余裕が出てくる。
10キロに余裕が出れば、次に15キロの練習にスッといける。そして15キロが苦しくなくなれば、次は20キロとなる。
やっぱり最初は苦しいんです。最初の10キロの壁を超えるのは、すごく大変かもしれません。でも一度壁を超えたら、逆にやらないと気がすまないようになってきます。これは、勉強も同じです。
最初の壁をどう乗り越えられるか。そこは、自分の夢とか目標とかビジョンを持って、忍耐で乗り越えるしかないんです。

*1:もちろんこの読書メモもポメラで入力したんですが、固有名詞は弱いはずなのになぜか“東国原英夫”は一発変換できました…