毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

感情の動きは体の生理的反応?☆☆

野口整体」の創始者野口晴哉さんの本。『叱り方褒め方』で出てきた“体癖”というものに興味が湧いたので読んでみた。


“体癖”は野口さんが編み出したもので12種類に分類される。体重のかけ方や体の使い方などから測定でき、その方法も書いてあるが、専用の機械なども必要で一般の人にはむずかしい。
だが、正確には性格や反応の傾向なども見なければ判断できないそうで、この測定以外の部分もくわしく書かれている。このため自分がどれに当てはまるのかおおよその見当はつく。ひとつのタイプだけに当てはまることは少なそうだが、大まかにわかるだけでも面白い。

というのは、タイプによって気前がよかったり、いざという時に自分を守ることを優先したり、エネルギーを持て余して暴れたり、ということが「生理的に起きる」と書いてあるからだ。つまり、“あの人はなぜあんなことをするのだろう”という言わば「反応」が、かなりの割合で体から来ているという。著者によれば、非行に走る少年はほぼこのタイプ、と言えるくらい顕著なのだそうだ。これがわかれば自分の反応も、周囲の人の反応も、“しょうがないなあ”とあきらめがつくかもしれない。
それ以上に大切なのは、タイプによってなりやすい病気がわかったり、対処法が違うことだ。


もちろんきちんと知るには、野口整体を実践しているところに行くしかないが、ある程度体のことがわかっている人が読めば面白いと思う。

他にも“人には高潮期と低調期があり、そのリズムは人によって違う”ことや、人によって*1対応をわざと変えて回復に導くなど健康に関する奥深い話がいろいろあり、興味深かった。
野口整体をよく知っている人向けに書かれている(と思われる)ので、誰でも楽しく読めるとは言えないが、代替療法に興味のある人にはいろんな面で勉強になると思う。

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ(古い本なので、漢字の使い方などをかなり変えています)。

楽しく快く生きることこそ健康への道(P24)

環境改善も天敵一掃も体の実質を丈夫にするための方法ではなかった。かえってその目的達成は自壊現象の誘導に通じる。我々はいかにしたら体を丈夫にしうるか慎重に考えざるを得ない。
体が丈夫ならば、食べて旨く、働いて快く、眠って楽しい。空の蒼く晴れていることも美しいし、太陽の輝くことも心を明るくする。花咲き、鳥歌うもよろこびである。作られた楽しさを追い求め、汲々として苦しんでいるごときは、生くることそのものがよろこびであることを体で感じられないからである。苦しんで鍛えて丈夫になれるつもりの人もいるが、それは違う。何もしなくても健康であり丈夫であるように人間はできている。楽しく快く生きることこそ人間の丈夫になる自然の道である。

健康に至るにはどうしたらよいか(P25)

簡単である。全力を出し切って行動し、ぐっすり眠ることである。自発的に動かねば全力は出し切れない。
(中略)
力一杯全身で行動すると快いのに、中途半端な動きで力を余すと、その力が後悔とか不満とか不安に化ける。体を丈夫にするために食物を言い住居を言い衣服を言う人もあるが、何よりまず動くことである。自分で動くことである。

病気の時、痛い時は他に意識を向ける(P287)

…病気になって床に臥して心をわずらい、気をわずらっているというのはバカだなあと思う。そういう痛いところや、苦しいところがあったらそのまま面白い漫画でも見ていたら、見ているうちに治ってしまう。歯が痛いと言って一生懸命そこを押さえている人があるが、注意が集まるほど感覚は敏感になるのだから、それはつまらない。

変化しない体は弱い(P299)

しかし周囲の条件で変化しがたい鋼鉄のような体になれば、もう体は弱ってしまうばかりである。弱い生き物の体が何千年も保たれているのは、いつも周囲の変化に応じて絶えず変化しているからであって、変化しなくなったら、もう体は弱ったといってよい。鋼鉄のように変化しない体になったら、ある程度以上の変化にあうとボソッと倒れてしまう。だから小さな変化に応じて動けない体は、倒れる前だとも言えます。

*1:ここで体癖が生きてくるわけです