齋藤孝先生の『読み上手 書き上手』で紹介されていた本。学生時代に評論文は苦手だったので、興味がわいて読んでみた。
著者は哲学者で翻訳家。
評論文キーワードの本をなぜ哲学者が?と疑問に思ったが、読んでいくうちにわかった。実は、評論文に頻出する難解な語句のほとんどは、西洋の思想が背景にあるものが多く、哲学的な知識が必要なのだそうだ。
見開き2ページでひとつの語句について解説されている。それが50音順に100個。さらに、巻末にはプラトンからニーチェまで、文中に登場する主な哲学者8人の解説もついている。
とても読みごたえのある本だ。
100のキーワードのうち、しっかり理解できていたものはわずか数個。中には初めて見るようなものもあったが、ほとんどが「知っているつもりだったけど、よくわかっていなかった」ものだ。
表題の通り高校生に向けて書かれているので、表現がやさしく、たとえも身近なものが多い。しかし、その内容は大人が読んでも充分役に立つと思う。
本来は手元に置いておき、疑問に思ったらそのつど開いて読むのがふさわしい本だ。
知的レベルが一段階深まりそうな本。
ネットで意味を調べただけでは物足りない人や、この際きちんと知っておきたいという人には特にお勧めです。
関連記事
読書日記:『読み上手 書き上手』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。