毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

成功者は自分の見せ方を知っている☆☆☆

自己プロデュース力
齋藤 孝
大和書房(2003/07/12)
¥1,365
『天才の読み方』の続編。この本では「自己プロデュース力」に絞って、モハメド・アリ美輪明宏ガンジーチャップリンという4人の偉人の生き方が取り上げられている。

『天才の読み方』に比べて文章が硬く、読みづらい気がしたのは、「自己プロデュース」というテーマがしっかりあって、いわゆる“遊び”のようなものがないせいだろうか。もしかしたら、4人に対する私の興味が前著ほどないからかもしれない。


この中で読みたかったのは何と言っても美輪明宏さんだ。今でこそ美輪さんのような男性はたくさんいるし、テレビに出たりいろんなことが自由にできる。だが、美輪さんの前にそんな人はおらず、美輪さんが戦い続けて勝ち取ってきたものなのだ。
美輪さんのすごさはその「ポジション」を自分で作り上げたこと、と齋藤先生は書かれているが、その意味がよくわかった。
「前例がない」「誰もやったことがない」という理由で反対されたり、苦労している人は、美輪さんの生き方にヒントがありそうだ*1


他ではガンジーが面白かった。ガンジーといえば質素なインド綿の服を身にまとった、静かな聖人のイメージがあるが、実はこれはすべて戦略だったのだという。戦略というと聞こえが悪いかもしれないが、インドのために最善の方法を考えて、あの姿は作られたのだそうだ。


確かに、この4人はいずれも自分をどう見せるかをよく考え、それが成功した人だ。計算ずくでやっていなかったとしても、やはり「自己プロデュース」=「自分をどう見せるか」は大事な戦略のひとつだと言える。

そのままそっくり真似するのはむずかしそうだが、「自己プロデュース」の意識を持つだけでも違いはあると思う。
ピンと来た人は読んでみてください。
私のアクション:自分独自のポジションを考えてみる
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

自分の独りよがりに陥らない(P7)

独りよがりなものを提示しても、世の中は受け入れてくれない。そこで、自分と社会とをいかに上手くすり合わせるかがポイントになる。時代や周りの人間のニーズを肌で感じ取って、そこに自分を投じていく。

あるポジションを確立すること自体が自己プロデュース(P73)

それを確立してしまえば、何を言っても、何をしても、存在自体がある角度を持った独特なものとなる。

美輪明宏は「美」をひとつの重要な価値としている(P84)

しかし、それは自らにおいては、容色の衰えとの終わりのない戦いを意味しているのだ。生まれつき綺麗だからというだけではなく、その美しさを人々に見せ続けるにはそれをどう維持するか、あるいは衰えた時に、自分をどうサバイバルするかを、つねに考え続けてきた。

決断する時には「腹で考えろ」(P114)

「頭が胸で考え思ったことをひとまとめすると、今度は、一度どっしりと腹におさめて、腹で考え直すことです。そうして出た結論は、けっして死ぬ間際にあって後悔するようなことにはなりません。腹をくくるとはこのことです」(『人生ノート』からの引用)

美輪明宏に学ぶ自己プロデュース力の伸ばし方(P117)

1.人の真似できないポジションに立つ
2.マイナス体験を心に深く刻みつけてエネルギー源にする
3.人にエネルギーを分け与えることで、自分を元気にする

うまく話せないことが武器になった:ガンジー(P130)

「演説する時のためらいは、困ったとかつては思ったが…その最大の恩恵は、そのおかげで、考えを抑制する習慣ができてしまったことだった。
…真実を誇張したり、押えつけたり、あるいは修飾したりしたい癖は、人間の生まれつきの弱点をなすものである。そしてこれを克服するのに必要なのが、すなわち沈黙である。」(『ガンジー自伝 *2からの引用)

*1:こんなに壮絶なやり方ができる人は少ないでしょうけど

*2:複数出ていますが、手に入りやすいと思われるものをリンクしています→中公文庫BIBLIO20世紀