先日は、作家の伊集院静さんがゲストだった。
お名前などからイメージしていた姿とは違い、こんなにホネのある人だとは。驚いた。
“新幹線の中で子供が走り回っていたらつかまえて叱る、親が出てきてもちゃんと話をつける”というエピソードに感心し、最近のベストセラーだというこの本を借りて読んでみた。
そういえば、きちんと作品を読んだことがないな、と気がついたので。
これまたタイトルから来るイメージとは違っていた。雑誌「週刊現代」のコラムをまとめたものなのだ。巻末に、妻だった夏目雅子さんとのことが書かれている。
週刊誌の記事だからニュースの内容に触れることも多く、当時わかっていることはいちいち書いていないのであれ何だったっけ、と時々苦労しながら読んだ。
でも、季節の移り変わりの中に、ちらほらと“大人”の言葉がある。
私は、人が社会を知る、学ぶ上でのいくつかの条件のひとつは、
“理不尽がまかりとおるのが世の中だ”
ということを早いうちに身体に叩き込むことだと思っている(P8)。
という一節を読んだだけで凄みを感じる。
ほかにも、歯に衣着せぬ言葉で世の中を斬る合間に、墓参りの作法や“男のみだしなみ”(決してお洒落ではない)についてさらりと書いてある。
歯の治療を受け、「今日はお酒は控えてください」と言われた日に深酒して翌日ひどい目にあったり、ギャンブルで借金した話*1が出てきたり、普通の人ならだらしなくなりそうなものなのに、不思議にそれがない。
「女は不良の男が好きなんだよ」という題もあるが、まさしく地で行く方なんでしょう。
気軽に読めて、いろんなことが心に残る本。男性には、ちょっとカッコよくなれる本かもしれません。
私のアクション:“無所属の時間”を大切にする
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※この本のメモはありません