毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

コトラー版「もしドラ」☆☆☆

家族が借りてきた本。「コトラーの理論をストーリー仕立てでわかりやすく理解する」のを目的とした本だ。
とっつきやすくて、よくできたストーリーだった。


◆目次◆
第1章 ビジョンとミッション
第2章 現状分析
第3章 ターゲットオーディエンス
第4章 ポジショニング
第5章 4つのPとマーケティングミックス
第6章 実施計画とマネジメント
第7章 実行と評価

西内啓さんと福吉潤さんの共著。おふたりの経歴がこの本とは直接結びつかなくて、不思議な印象を持った。
西内さんは東大医学部卒の元医師。現在はソーシャルマーケティングの専門家として活躍中の人だ。
※ソーシャルマーケティングの定義はこちら
ソーシャル・マーケティング - 経営用語の基礎知識
福吉さんは株式会社キャンサースキャンの代表取締役。キャンサースキャン?と思ったら、意味はそのまま「がん検診」。
「ガン検診受診率50%を達成するために、科学的かつ系統的に事業を組み立て提案し、組織的に実行するということで結果につなげるお手伝いをするシンクタンクです。」というのがこの会社の理念のようだ*1。その手法として使われているのがソーシャルマーケティング

簡単に言えば、マーケティングを使って社会をよくしよう、というのが「ソーシャルマーケティング」で、それを最初に提唱したのがフィリップ・コトラーなのだ。
だから、ふたりがこの本を書いたというわけ。なるほど、納得できた。

 

ストーリーは、大学入学後にバンドをやりたいと張り切っていた志村絢が、自分の考えではライブに人を集められない、と落ち込んだところから始まる。授業でマーケティングを担当している講師・碇八千代先生の個人レッスンを受けることになり、マーケティングの手法で自分の夢を叶えていく、というものだ。

実例があるとわかりやすい。それも、身近に感じられる例なので、SWOT分析やセグメンテーションなどの専門用語も分厚い専門書を読むだけよりも身につきそうだ。
話がうまく行きすぎ、展開が早すぎ、という印象はあるが、わかりやすくするためのストーリーなのでまあしょうがないだろう。
絢の思い描く未来の先、このストーリーの最後にある到達点は、さすがこのふたりならでは、という展開で面白かった。

教科書で読んでもちっとも頭に入らない、という学生さんや仕事で必要に迫られているが、マーケティングをどう勉強したらいいかわからないという人に最適の入門書だと思う。
これからは個人もマーケティングの知識が必要だと思うので、「自分ブランド」に興味のある人もぜひどうぞ。ヒントがたくさんあります。
この本には続編『コトラーが教えてくれたこと<2>』があるそうなので*2、読んでみたい。
私のアクション:自分のSWOTと競合を考える
※この本のメモはありません

*1:会社サイトには出ていないようですが、検索したページに表示されることばです

*2:著者は西内啓さん