サブタイトルの“そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 ”に惹かれて借りてみた。すると、内容のほとんどが週刊文春の連載「私の読書日記」をまとめたものだった*2。
ただ、「序」の部分にきちんと速読の方法が書いてあった。
立花さんの方法は、仕事の性質上、必要に迫られて身についたものだそうで、特に訓練などを必要としない。だが、音楽を聞くように前から順番に読むのではなく、絵画を見るように読むというのは、私が学んだ速読術と考え方がほぼ同じで驚いた。
ハウツー的な書き方はしていないが、読めば方法はわかるし、日ごろたくさん本を読む人なら習得できると思う。
速読が必要な人は、「序」の部分だけでも読めば役に立ちそうだ。
ポイントは次の箇所に要約されていると思う。
本を沢山読むために何より大切なのは、読む必要がない本の見きわめをなるべく早くつけて、読まないとなったら、その本はダンコとして読まないことである(P27)。
要するに、私が言いたいことは、本は必ずしも、はじめから終わりまで全部読む必要はないということである。
(中略)
結局、本を読んでいく上で何より大切なのは、その本がいまの自分にとってどういう読みを要求しているかを素早く見きわめ、それにふさわしい読みを選択することである。そして、逐語的、逐文章的に全文通読すべき本は意外に少ないのだということを知り、「味わい楽しみながらゆっくりと読む」「論理をきちんと追いながら精読する」「必要なところ、気にかかるところだけ拾い読みする」「パラパラめくって、目についたところだけ読む」「キーワード中心で、情報だけを読み取る」など、自分の読みのバリエーションを幾つか作っておいて、それに合わせて読むということである(P36)。
「私の読書日記」は、その当時店頭に並んでいたものから選んでいたそうなので、時事問題に関する本などは今読んでもなぁ、というものもある。ただ、自分なら絶対に選ばないジャンル・価格の本も紹介されているし、興味をかき立てられる本も多かった。
自分の教養の幅を広げるには図書館や書店の棚を歩け、と立花さんは書かれていたが、これを読むだけでもその簡易版になりそうだ。
一番印象に残ったのは次のことばだった。
本に書いてあるからといって、何でもすぐに信用するな。自分で手にとって、自分で確かめるまで、人のいうことは信じるな。この本も含めて(P76)。
何でもすぐ信じてしまう*3私には、いい戒めの言葉だと思う。
本好きな方は読んでみてください。
私のアクション:自分で確かめるまで、人のいうことは信じるな
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※この本のメモはありません
*1:現在はこちらになっているようです『新装・増補版 「捨てる!」技術 (宝島社新書)』
*2:5人の担当者が順番に書いているので、立花さんの記事が載るのはほぼ月に1回
*3:活字になっていると正しい気がしませんか?