“ゆるく生きる”のは理想だが、ただの“のんびりゆったり”ではない深さがあった。
◆目次◆
カリカリライフをやめたいあなたへ
PART1 思考編(習慣01〜22)
PART2 環境編(習慣23〜38)
PART3 行動編(習慣39〜60)
本田直之さんといえば、ハワイと東京でほぼ半分ずつ過ごす「デュアルライフ」で有名な人だ。
この「ゆるい生き方」の発想の元は、実はハワイでの生活から生まれたそうだ。
たとえば歩道を歩いているとき、周りの人がみんな早足で歩いていたら、何となく自分も早足になるものです。
(中略)
あるいは、満員電車の中で隣の人に押されたら、思わず押し返してしまうという人も多いでしょう。普段は真面目で温厚な人なのに、ついカッとなって押し返す。そんなイライラが伝染していくことで、車内に嫌な空気が充満していくわけです。
一方、こんな話はハワイではまず考えられません。
(中略)
…ハワイで得られる心地よさの理由が、ハワイアンたちの「ゆるい習慣」にあるのだとしたら、当然これは日本においても実践できるはずです(P5)。
…人の感情は伝染します。まずは周囲の感情に流されないよう…小さな習慣で自分のリズムを作りましょう。そして、あなたが「ゆるく」変われば周囲の人たちも変わり、その流れは少しずつ大きな流れとなってあなたを取り囲む環境をも変えていくのです(P11)。
というわけで、東京にいながらにしてハワイの過ごし方を目指すのがこの本。
ただ、そうするには実はかなりの覚悟がいるのだ。何かを得れば、何かを捨てなければならない。
何が捨てられるかリストアップすることを本田さんは勧めている。そして、もし何も捨てられないと思ったなら、ゆるい生き方はできない、とまで書かれていた。
たとえば、本田さんは年中Tシャツにビーチサンダル、という格好で通しているそうだ。それは自分にとっては譲れないポイントなので、「そんな格好をしている人とビジネスはできません」という考え方の人と仕事をすることは捨てているという。冠婚葬祭も原則として欠席*1。ゆるい生き方をするには、自分が捨ててもいいことと、捨てられないものをまず分けるところからスタートするのだ。
私が深く納得したのはビジネスとプライベートでは考え方を変える、という点。ビジネスの効率化をプライベートに持ち込んだらしんどい、とあったが、私がいろんな面で追い詰められていたのは効率や合理的ということばかり追求していたからだ、と気がついた。
本田さんは「ワークライフバランスという考え方は単に時間をビジネスとプライベートに分けるだけで意味がない」と書かれていた。まずは考え方を切り替えることから。
60の習慣のうち、特に心に響いたものは実は『トリガー・フレーズ』に載っていたものが多かった。厳選されているな、と感心した。
自分がゆるく生きていけるようになれば、周りにもそれはいい影響になり、広がっていく。
ピリピリ、カリカリの毎日がイヤになったら、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:エスカレーターで歩かない
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読書日記:『トリガー・フレーズ』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください
「60点主義」で考える(P33)
※満点ではなく、“合格点”を狙う
ストイックな完璧主義は疲れる。そしてあなたが自分を追い込んでストイックに生きていると、そのピリピリとした緊張感は周囲の人にも伝染する。
(中略)
自分が60点主義で生きていると、他者に対しても60点主義で接することができるようになる。
「○○しなきゃ」を禁句にする(P38)
…本来、プライベートに「義務」はない。ランチを食べるのも、映画を観るのも、自分がそうしたいと思うからやることであって、別に誰かから押しつけられたものではない。
ところが「○○しなきゃ」という言葉を使ったとたん、それは自分を縛りつける義務になってしまう。
(中略)
どんな行動にせよ、それは自分が自発的に選んでいるんだという意識をしっかりと持って、「○○しなきゃ」などと口にすることがないよう心がけよう。…たとえ小さなひとり言であっても、その言葉はあなたを縛り、ストレスを与えている可能性が高い。
カーテンを開けたまま眠る(P110)
私は毎朝日の出と共に起きるようにしている。夜にカーテンを開けたまま眠り、朝陽が差し込んできたらそのまま目覚めるのだ。この習慣を続けていると脳の体内時計が自動的に調整されるため、海外に行っても時差ボケにならない。
自律神経を整えるには「ゆっくり歯磨き」(P112)
自律神経のバランスを整えるには、朝の歯磨きをゆっくり行う。
ただそれだけで副交感神経が活性化して、その日1日のパフォーマンスが変わってくる。
買い物をする時は「それが置かれた部屋」をイメージしてみる(P125)
もしそこで違和感を感じるようなら、その商品は自分にとって「余計なもの」。
自己紹介ではハードルを下げる(P142)
自己紹介をする時、相手によい印象を持ってもらおうと、実績を誇張気味にアピールしたり、不自然なくらい明るく元気に振る舞う人が多い。
高めに設定された「期待値」をキープするため、いつもがんばりすぎてヘトヘトになってしまう。
その人の人間性や能力などは、つき合っていけばおのずとわかってくるもの。
プライベートの自己紹介は、背伸びせず低いところから始めよう。**ゆっくり話す(P147)
なぜ早口になる興奮やストレスを感じてしまうのか。
それは、早口ではうまく呼吸することができず、一種の酸欠状態になるから。
そして、ゆったりとしたペースでしゃべっていれば充分な呼吸が確保されるため、興奮することもストレスを感じることもない。
*1:その代わり、きちんとフォローはされています