毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

食いっぱぐれないために知っておくべきこと☆☆☆

ネットで著者と藤原和博さんの対談記事を読み、面白かったので図書館で借りて読んでみた。ある程度覚悟はしていたが、背筋が寒くなるような内容だった。


◆目次◆
はじめに─正しい航海図を持とう
1章:いま、何が起きつつあるのか
2章:「日本人メリット」で食える仕事の条件
3章:各エリアの職業とその特徴
「重力の世界」─重力のように収斂されるエリア
「無国籍ジャングル」─世界中の人がライバル
ジャパンプレミアム」─日本人らしさで生き抜く
グローカル」─日本市場のプロとして
4章:判定チャート─10年後、あなたの仕事はどうなるのか?
5章:10年後の生き残りかた
6章:10年後の「日本人の雇用」
おわりに─「頼れるのは自分だけ」の社会で

著者の渡邉正裕さんは、日本経済新聞記者、日本IBMコンサルタントを経て、現在は独立系ニュースサイト「マイニュースジャパン」のオーナー兼編集長をされている。

この本では、職業でもグローバル化が進み、ほとんどの職業は中国人・インド人をはじめ外国人との競合になると予測している。
そこで「血みどろの戦い」をしないですむように、何を目指せばいいのかが示されている。

この本では、「グローバル化時代の職業マップ」というマトリックスが示されている。
http://www.mynewsjapan.com/reports/displayimage?file=ReportsIMG_J20120107064100.jpg
(マイニュースジャパンサイトよりお借りしました。記事はこちら
この中で最も危険なのは1の「重力の世界」。海外から労働力が流入すると、人件費は海外の水準に合わせて下がっていくのだ。
とはいえ、接客をはじめパート・アルバイトとして働く人のほとんどがここに入ってしまうので、何もしなければ失業するか、賃金はどんどん下がることになる。

では、ほかの3つのどこを目指せばいいのか?

公益規制業種*1を除くと 重力の世界からの逃避先としては、技能系なら「ジャパンプレミアム」、知識系なら「グローカル」、腕に自信があるなら「無国籍ジャングル」という3つの方向性がある(P158)。

ただし、ジャパンプレミアムは個人の技量というよりも、会社の看板とセットになってはじめて使えるものが多いため、

基本的に会社と一蓮托生の職業人生になる(P159)。

つまり、どの企業に入るかがポイントであり、すでに企業に属している人には目指しにくい。
「無国籍ジャングル」は“世界70億人と仁義なき戦い”“超成果主義の世界”なので、ごく限られた人しか目指すべきではない。

…私は、基本的にはグローカルへの進出を一番にお奨めしたい。グローカルエリアの職業は、日本人スキルを活かしつつも、スキルの差別化がしやすい知識集約型であるため、ポータブルスキルを伸ばしやすいメリットがある(P160)。 

ここだけを読んでもピンと来ないかもしれないが、本を読めばすんなり理解できる。


この本の素晴らしいところは、単純にITだから大丈夫、接客は危険というような業種・職種で分けているのではなく、たとえばITでも海外に出されてしまうものと、日本で生き残れるものを明確に分けている点だ。営業でもある程度日本語が話せてタフであればOKな仕事と、生命保険・住宅販売など信頼が必要な高額商品を扱うものは別だという。
また、重力の世界でも、「IT化で瞬時に海外移転」「徐々に移転していく」「国内に残って置き換わる」の3つに分けてあるので、自分に残された時間がどのくらいあるか読める。

「おわりに」にあるように、これからは「頼れるのは自分だけ」の世の中になっていくのは避けられないだろう。どうやって食べていくのか、今いる場所からどこを目指すのか、知っているのと知らないのとでは大きく変わってくる。
かなりシビアな内容ですが、一読をおすすめめします。
私のアクション:自分のスキルを洗い出し、グローカル移動戦略を立てる
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※この本のメモはありません

*1:公務員か、JRやガス会社など公益事業の企業を指します