確かネットでタイトルを知り、興味を持った本。
『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』の方が先に出た本で、こちらは続編のようなものだが、予約の関係で先に読んだ。
予想以上に中身の濃い、素晴らしい本だった。
◆目次◆
はじめに
第0章 1冊を15分で「整読」する7つの方法
第1章 「行動」に起こすアクション・ リーディング
第2章 「解決」につながるソリューション・ リーディング
第3章 「発想」を変えるブレイクスルー・ リーディング
第4章 「原理原則」を知るプリンシプル・ リーディング
第5章 「本質」を見抜くマスター・キー・ リーディング
第6章 「師匠」と対話するバイブル・ リーディング
第7章 「未来」を変えるビジョナリー・ リーディング
おわりに
著者・高橋政史さんは元経営コンサルタント。この時、早く確実に本を読む方法を身につけられたそうだ。それをもとに編み出されたのが
トータル15分で、「本1冊を読んで、紙1枚にまとめ、30秒間で人に伝える」ことができるようになる読書法(P12)
著者はこれを「整読」と名づけている。「読み・書き・プレゼン」でワンセット。これをトレーニングで身につける講座「一枚の学校」を主宰されていて、この本はその書籍版だ。
タイトルは速読術になっているが、そもそも整読は速読とは違う。
…「本を速く読む」ことを目的にして本の読み方を勉強しても何もならない、ということでした。
つまり、「速く読む」だけでなく、本から得た知識を勉強や仕事に生かすこと、「アウトプット」を考えないとならないのです(P4)
確かに、いくら速く本が読めても、内容が頭に残らないのでは意味がない。この点が私には衝撃的だった。なぜなら、そこそこ本は速く読めるものの、“結局読んでも身についてない”という実感が私にもあるからだ*1。
ポイントがつかめて、形に残り(=紙に書く)、人にも伝えやすいなら充分に価値がある。
この本では0章で整読共通の方法を学び、1〜7章で本の内容や自分の目的に応じた7種類の整読の方法を教えてくれる。
この中で3つめの「ブレイクスルー・ リーディング」は雑誌からアイデア出しをする方法なのでちょっと特殊、さらに最後の「ビジョナリー・ リーディング」は、整読のアウトプットからさらにエッセンスを抽出する上級編なので、本の読み方としては5種類。
流れとしては
本を読む前に問いを立てる→10分ほどでキーワードを抜き出す→それをもとに必要な形にまとめる
というもの。
キーワードは16個抜き出すのだが、それぞれの章で実際に著者が本を整読し、まとめたものが載っているのでわかりやすい。
例として挙げられている本は
- 池上彰著『伝える力 (PHPビジネス新書)』
- 瀧本哲史著『武器としての決断思考 (星海社新書)』
- デール・カーネギー著『人を動かす』※リンクは新装版
- 養老孟司著『バカの壁 (新潮新書)』
- 稲森和夫著『成功への情熱』
- P・F・ドラッカー著『経営者の条件ドラッカー名著集1』
と、名著揃い。実際に自分が読んだ本は、どんな風にポイントをまとめたんだろうというのも興味深い*2。
使えるか、ツールとして定着するかどうかはやってみなければわからないが、なかなかよさそうな気がする。
しばらく試してみます。
私のアクション:まずアクションリーディングからやってみる
関連記事
読書日記:『読書の技法』佐藤優著
読書日記:『10分間リーディング』鹿田尚樹著
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
経営コンサルタントの知的生産「7つ道具」(P16)
1.考えを「紙1枚」でまとめる力を育てる
2.「誰かのため」に知的生産をする
3.「問い」を見極め、「問い」を磨く
4.「キーワード」をおさえる
5.「ポイントは3つ」で要約する
6.「記憶に焼き付く1行」で伝えきる
7.「30秒」で説明できる
この力を駆使するのが整読。
本を書いた著者に15分間のコンサルティングを受けるつもりで本を読む(P24)
キーワード抽出の手順(P25)
1.本全体を俯瞰
表紙や帯、著者のプロフィールを眺める
どのようなバックグラウンドや専門性、強みを持っているのか、概要をここで把握する。
2.「前書き」と「目次」に目を通す
3.「俯瞰」できたら、16のキーワードをピックアップする
ここでキーワード抽出にかける時間は10分間。
ステップ2で設定した「問い」に関連するキーワードを、ひとつあたり20秒くらいのペースで16マスに記入していく。
パラパラめくりながら読む感覚。鷹の目で獲物のウサギ(キーワード)をピンポイントで狙い撃ちするイメージ。
アクション・リーディングする本の選定は2軸で決める(P37)
・共感できるかどうか
・今の課題解決に直結するか
選ぶべきアクションのポイント(P37)
・ぜひともやってみたい!
・自分でも明日から実践できる
キーワードを選ぶポイント(P95)
「固有名詞」「対比」「因果」「格言」を中心に「問い」に関連するものをピックアップする。