毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

アイデアの神様は、最後まで考え続けた人に微笑む☆☆☆☆

家族が借りてきた本。関西に住んでいる私にとって、USJはいろんな意味で身近なテーマパークだ*1

最近では何と言っても「ハリーポッター」のアトラクションだろう。絶好のタイミングでNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」も放送され、とても立体的に読むことができた。


◆目次◆
プロローグ: 私は奇跡という言葉が好きではありません
第1章: 窮地に立たされたユニバーサル・スタジオ・ジャパン
第2章: 金がない、さあどうする? アイデアを捻り出せ!
第3章: 万策尽きたか! いやまだ情熱という武器がある
第4章: ターゲットを疑え! 取りこぼしていた大きな客層
第5章: アイデアは必ずどこかに埋まっている
第6章: アイデアの神様を呼ぶ方法
第7章: 新たなチャレンジを恐れるな! ハリー・ポッターUSJの未来
エピローグ: ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはなぜ攻め続けるのか?

「USJ、奇跡のV字回復!」とよく言われるが、その立役者が著者・森岡毅さんだ。
前職はP&Gで、シャンプーなどの販売戦略・ブランド構築などを担当。USJへは、ヘッドハントで転職したそうだ。


魔法のように次々に出す戦略が当たる。どんな天才かと思ったら、ご本人は“自分は右脳型人間ではない、数字を見るのが得意な左脳型だ。だからひらめくように努力が必要なのだ”という。

では、著者はどうやってひらめきを得ているのか。知りたいと思いますよね。
それを本にしませんか、と角川書店から誘いがあったのが出版のきっかけだそうだ。


イデアをどうやって生みだしているのか、かなりくわしく、わかりやすく書いてある。
そして、著者がUSJに入社してからの怒濤の戦略も時間を追って述べられる。これがとにかく面白い。手に汗握る展開で、ビジネス本なのに途中でやめられないエンターテイメントのようだった。

中でも、タイトルにもある「既存のジェットコースターを逆向きに走らせる」という“コロンブスの卵”的アイデアのくだりはうなってしまった。
予算は使えない。今あるアトラクションをひねって、斬新に見える変更をするしかない、と決意した著者は、寝ても覚めてもそれについて考え続ける。
そしてついに、ある夜夢に見たのだという。後ろ向きに走るジェットコースターの映像を。

もちろん、安全が確保できなければできない。今は足を引っぱる原因ともなっている「開園時の、必要以上のクウォリティの追求」のおかげで、逆向きに走らせても何の問題もないことが判明。
社内の猛反対に遭いながらも、実現に奔走する。
その結果、来園者が大幅に増加したのだ。


著者がプレゼン巧者だからか、それとも関西の人だからか、たとえ話も秀逸で全体にとても読みやすく、わかりやすい。

ただ、素直に本を読んだら誰でもできると思ったら大間違いだ。
この本では専門的すぎるから、とほとんど触れていない「マーケティングフレームワーク」。「プロフェッショナル」では、決断のために著者が作った資料が山積みになり、その多くに複雑そうな数式が並んでいた。
最終決定に一番頼りになったのは、これら分析した数字のはずだ。

また、著者はテーマパークが大好きで、転職前から世界中のテーマパークのほとんどに行き尽くしたという。
前職でアメリカに住み、現地の文化を吸収していた、というのも大きい*2
さらに、ゲームが好きで徹底的にやり込む習慣が元々ある人だった*3
さまざまな要素がプラスに働いている。


著者がアイデアを生む方法は第5章にまとめられている。でも、著者が言うように最後はコミットメント(どれだけ必死になるか)であり、考え続けた人にだけ、アイデアの神様は微笑むのだ。

やり方の基本的なところは開示されている。この通りやれば、いきなりホームランを打つことはできなくても、三振を減らしたり、ファウルで粘ることは可能になると思う。
著者が書くように、やみくもに掘り返して宝を探すよりも、ある程度範囲を絞って探せる=確率を上げることはできる。


読み物としても面白いし、自分は右脳型じゃないからアイデアは浮かばない、と言い訳している人にとっては、喝を入れられる本。
私にとっても、いい刺激になりました。
私のアクション:「アイデアは必ずある」と思って考える

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

イデアこそが最後の切り札になり得る(P8)

お金がなくても、コネがなくても、アイデアだけはあなたの中に眠っている。あなたがそれに気づいていないだけ。

暗示をかける(P61)

毎朝鏡に映る自分に、「絶対に何かあるはずだ!それがあるのにお前が見つけられていないだけだ!」と暗示をかけて、弱気になる自分を騙しながら…歩いてひたすら考えていた。

まず先に「必要条件」を考える(P108)

よいアイデアを思いつくためには、「どんなアイデアを思いつけばよいのか」を先に徹底的に考える。それができれば、あとは「なぞなぞ」を解くようなもの。

いったん正しいと判断したら、できない理由を考えて時間を使わない(P121)

目的が正しいのかについては充分に時間を使って慎重に考えることにしているが、それが正しいと判断したら、できない理由をあれこれ考えて目的自体を「無理だ」と嘆くことに時間を使わないようにしている。

「アイデアの神様」の正体は確率(P151)

よいアイデアを生みだす方法=よいアイデアを思いつく確率を上げる方法

フレームワークでポイントを絞る(P153)

イデアを考えるにあたり「どこに宝が埋まっているか」に予想をつける着眼点、それが「フレームワーク」の役割。フレームワークを駆使することで、広大な畑のどこに宝が埋まっているかを推理して見当をつけてから、手足を動かして掘り始める。 

フレームワークが可能にすること(P170)

・勝つためには何が「必要条件」となるのか見当がつくようになる。
・何を必死に考えないといけないかがわかるようになる。
・宝が埋まっている可能性の高いカ所を掘れるようになる。
・結果としてよいアイデアをひらめく「確率」が向上する。

フレームワーク=頭の中に作れる「確率を上げる宝探知機」(P170)

やみくもにがんばっても確率は上がらない。何をがんばるか、どこに集中するか、それを導くのが各種フレームワーク

コミットメント=どれだけ必死に考え続けられるか(P178)

コミットメントは前の3つと違い、精神論。やり抜く覚悟や決意、「よいアイデアを絶対に思いつくぞ!」という気力のこと。最後に成否を決めるのはコミットメント。
(中略)
考えつくまで考え抜くこと。
(中略)
淡白な人に「確率の神様」は微笑んでくれない。

ビギナーズラックの正体も、やはり確率(P186)

※「釣り」で説明
初心者が単純に確率を上げている。その理由は
・初心者の方が言われたやり方で基本に忠実に釣りをする
・初心者の方が最初から最後まで手を抜かず真面目に釣りをしている

魚群探知機で動いて皆が同じポイントで釣る「船釣り」においてビギナーズラック発生率が高い→フレームワークで差がつかない場面では、何よりも一生懸命なコミットメントが釣果に差を作る

ビギナーだから、ベテランだからに関係なく、確率を上げている人が一番釣る。

どんなに優れた戦略も、どれだけ革新的なアイデアも、エクセキューションが強くないとビジネスとして実らない(P201)

※エクセキューション=実行、遂行

「今この球を打ちに行かなければ、のちのちもっと難しい球を打たなくてはならない時が必ずやってくる」(P205)

「まだ打ちやすい球だ」と判断したら、臆せず打ちに行く。

よりよい結果(=違う結果)を出すには(P242)

・「違うことをやる」

・「同じことを違うようにやる」
のどちらかしかない。

常に変化しなければ生き残れないのに、変化を起こすことを恐れてはダメ(P242)

*1:行ったことはありませんが、CMを見たり、乗り換え駅が実家に帰る経路の途中にあったりで、よく目にします

*2:ハロウィンに目をつけたのは、アメリカでの体験によるそうです

*3:とは言え、仕事のために睡眠時間を削ってゲームをやったりDVDを見ている姿を番組で見たら、まるで苦行のようでしたが