毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

こなれた訳文とは

以前翻訳を仕事にしようと思っていたことがある。私としては真面目に通信教育をやった。小説は人気が高い上に難しいので実務翻訳に絞り、ジャンルも医薬と決めた。

それでも今違う仕事をやり始めたり、秋から別の学校に行こうとしているのは、結局ものになっていないからだ。病気で一度はあきらめたが、病気のおかげでやりたいことが別に見つかり、その勉強も無駄にはならない。だったらまあいいかな、と思う。

この本は翻訳の勉強を一生懸命していた頃に買ったものだ。秋の入学に備えて英語の復習をしようと思い、引っ張り出してきた。翻訳の仕事を目指す人以外にはあまり役に立たないかもしれないが、長年学校で慣れてしまった直訳調の日本語をいかにふだん使っている読みやすい日本語にするか、この本にはさまざまなテクニックが載っている。

たとえばold friendとあったら機械的に古い友人と訳していないか。日本語には旧友という言葉があるのでそれを使う。
また、blue appleを青いりんごと訳してしまったら原文の奇妙な感じが消えてしまう(日本の青りんごは英語ではgreen apple)とか。「直訳」と「ベスト和訳」のギャップにはびっくりするし、とても勉強になる。どこはそのまま訳しどこに手を加えるべきなのか、それを教えてくれる本はあまりない。翻訳が専門でなくても、仕事で海外の文書を日本語にしている人には訳に立つと思う。
(原文からかけ離れることもあるので学校で使うのにはお勧めしません)。

著者が英語学習のため薦めていたのがこまめに引くために便利な電子辞書を買うことと、単語は覚えるしかないので単語カードを作ること。偶然だがメモリボは買ったばかりだし、実は電子辞書も注文して届くのを待っているところだ。まさに背中を押してもらえる本だった。