昔、大江千里さんのファンだった。過去形で書いたのは、ここ何年かアルバムが出るたびにきちんと買う、というファンではなかったからだ。聴かなくなったわけではなくて愛用のｉＰｏｄにももちろん何曲か入っている。
その千ちゃんが昨年末、ジャズの勉強をしたいからとニューヨークへ行ってしまった。ジャズが好きでちゃんと勉強したいと前から思っていたのは知っていたので、やりたいことはやらないとね、と前向きな気持ちで受け止めた。
で、受け止めたまま忘れていたのだが（薄情でスミマセン）、最近精神的に波に乗りきれない感じで何かいい方法はないものか、と考えていた時にふと「ああそうだった。千ちゃんは元気でがんばっているんだろうか」と思い出し、ブログを見に行ってみた。ニューヨークに行ってからもブログは続ける、と言っていたので。
もともとけっこう細々したことを書く人だったので、学校のことなどもストレートに書いてあった。ふうん、こんなことを勉強してるんだな、とジャズは素人の私にもがんばっていることが伝わってきた。
もしかすると、資格を取るために貯金をはたいて２年間学校に通う私も人の目には千ちゃんと同じように映るのかな、と思った。がんばっているように見えるんだろうか。今まで自分をそんな目で見たことがなかったので、あれ、もっと自分をほめてもいいのかも、と初めて思えた。
ついでにウィキペディアも読んでいたら無性にアルバムが聴きたくなった。大学生の頃一番聴いたので、当時の思い出とアルバムが直結している。私が引っ張り出してきたのは大学４年の時聴いたアルバムだ。就職活動で暑い中スーツを着て走り回ったことも、秋から冬に卒論でひいひい言っていたことも、不思議にものすごくがんばっていた自分が詰まっている気がする。
その中でも好きだった曲「サヴォタージュ」の歌詞は今もよく覚えている。
結婚もする 子供もつくる
あり余る情熱
ここだけ抜き出すと変な歌詞に見えてしまうが、「就職で東京進出」に命をかけていた当時の私*1にとてもフィットしていたのだ。当時の自分の気持ちを思い出したいと思い、今日のＢＧＭはそのアルバムだった。今日は１日元気に過ごせた。
音楽は本当にありがたい。
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*1:そして結果的にあっけなく挫折した
