毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

この世で一番素直な投資の本☆☆☆

インベストメント ハードラー (FOOTBALL Nippon Books)

インベストメント ハードラー (FOOTBALL Nippon Books)

 

以前「トップアスリートの決断力」を読んだ時、最も印象に残ったのが陸上の為末大選手だった。その為末選手、何冊か本を出しているが1冊目が何と投資の本。それはいったいどんな本なのか?と思って読んでみた。
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陸上の話の方がやや多いくらいの内容だが、投資の本としても充分読める。ものすごく好感が持てたし、こういう考え方で投資をすれば楽しいかも、という気さえした。なぜなら、為末選手は投資家ではないからだ。いわば「素人」である為末選手が疑問に思ったこと、考えた結果取った行動、というのがとても身近に感じられるのだ。専門家が書いたむずかしい本やテクニックばかり書いてある本にとまどいを感じる人にぜひ読んでほしい。私はこの本を読んで海外に投資する意味が初めてわかった。これは他の本では絶対にわからない。ファンドマネージャーはそこまでしないし、為末選手は納得してから動きたいという性格の持ち主だった上、当時はお金を増やさなければいけない状況だったからだ。タイトルに書いた「世界で一番素直な」というのは大げさかもしれないが、プロの投資家ではない視点と、陸上で鍛えられた冷静な分析力が素晴らしい。この人にしか書けない本だと思う。

と、先に投資の話を書いてしまったが、メインはもちろん為末選手の陸上人生をたどっていくもの。なぜ陸上選手として迎えられた大阪ガスを退職したのか、なぜ海外を転戦したのか、なぜ侍ハードラーと呼ばれるのかなどがよくわかる。あの冷静な分析力はどこで培われたのかも。為末選手は自己分析をきっちり行える人だ。それがあればこそ今の実力・ポジションにいられるのだと思う。このあたりの話は陸上だけでなく、生きて行く上でヒントになる。

この本を読んでますます為末選手のファンになった。オリンピックはきっといい結果を出してくれると思う。

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

反骨精神を表すためにパンクに走った時期もあった

しかも私の場合は、すべて1人です。競技においても、コーチはいない。1人で生き抜いていくしかない。そのためには、若干したたかになる必要があります。わかりやすい反骨から、もうちょっと奥まったところに変わっていくべきだ、と思うようになっていきました。わざわざ損をする必要はないだろうということです。大事だと思うところは牙を抜かれないように、しかしそれ以外の余計な反発を生むところでは、意識して摩擦を生まないようにしました。
世の中はロジカルに動いていると私は思ってました。結果のようなはっきりしたものがあれば、あらがえないのではないかと。しかし、実際には人間は感情で動きます。感情で動くのであれば、私のように1人で闘っているものには、周囲の反発も十分にマイナス要因になります。

本当の失敗は負けたまま、立ち上がらないことである

失敗も転倒もある。でも、本当の失敗や敗北の意味は、転倒したという結果ではないのではないか。転倒したまま起き上がらないことではないか。

人の持つ虚栄心が、正しい判断を妨げてしまう

実力は上がっていなかった。この結論は、自分には厳しい分析でした。しかし、それが事実なのです。冷静な分析ができなければ、勝負には勝てません。分析に少しでも虚栄心が混じれば、判断は狂わされてしまうのです。

人を幸せにする投資というものがある

投資で儲けるというと、なんとなく後ろめたい気持ちを持っている人も少なくないでしょう。実際、私もそう感じていたところがありました。
子どもの頃から、どちらかというと、お金にこだわることは美しくない、と教わってきたからです。しかし、このタイの投資で知ったのは、投資で儲けることは決してずるいことではないということでした。むしろ、投資をしてくれることを、歓迎している人たちがいるのです。投資をしてもらって、喜んでいる人たちがいるのです。
そして、投資を心から求めている人たちのところにお金が届けば、それは大きなリターンを生むということです。考えてみれば、ものすごくシンプルなことなのです。

負けていい試合で負ける

子どもの頃の私は、すべての成果を求めていました。高校でもインターハイだけ勝てばいいのに、虚栄心が強いので、小さな大会でも勝負を捨てることができなかった。そのときだけでもいい格好がしたいという局面がたくさんあった。捨てなければいけない勝負を捨てられないために、最大のピークを最大に持っていくことができなかったのです。
ようやく最近になって、私は捨てなければいけない勝負を捨てられるようになりました。負けていい試合で負けられるようになったということです。

スランプの原因を探る

陸上選手は自分の体と常に向き合わなければなりません。スランプも、自分の歴史を追いかけてみるしかない。うまくいったときのパターンを振り返り、ダメになったときのパターンも振り返る。
調子が悪くなり始める日というものがあるのです。場合によっては、1ヶ月ずっと調子が悪かったり、ほんの何日間か調子が悪かったりしますが、その日を境にさかのぼると、必ず何か原因があります。それをひもといていくのです。
では、いいパターンを毎回やっていればいいのかというと、そういうわけでもありません。これでは、一定の成果しか得られなくなってしまいます。だから、新しい挑戦をしないといけない。新しいことをやるとまた崩れて、崩れた理由をつついていくと、それが1ヶ月前にあることもある。それを抜き出していく。その繰り返しです。

武士道

私は武士道を愛していますが、西洋にも「騎士道」というものがあります。しかし両者には、大きな違いがあります。それは、「死」というものの、捉え方の差です。武士道は死をもって完結とするのです。死を意識しているから、今日を大事にする。今日やるべきことは、今日やる。明日には残さない。毎日、爪を切り、髪を整え、顔を洗い、朝を迎える。これは、いつ死んでもいいように、ということです。

※当初リンクを貼っていた「快癒力」は後日UPします。申し訳ありません。