毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「幸せ脳」で引き寄せ力アップ☆☆☆

405403800X幸せな「セレンディピティ」が次々におきる本
中井 隆栄
学習研究社 2008-06
価格 ¥ 1,365
by G-Tools

勝間和代さんの著書『ビジネス頭を創る 7つのフレームワーク力』で、偶然力としてセレンディピティが挙げられていた。そこは勝間本、きちんと関連図書が紹介されており、家族がその1冊を借りてきたのを興味があってちょっと読んでみたのだが、これがいかにも「大学教授が書いた論文」調で魅力を感じなかったので早々にリタイア。
何と言いますか、私が最近よく見かけるセレンディピティとどうもとらえ方が違っていたからだ。「探していたものとは別のものを偶然に発見する能力」という定義は、「この世に偶然はありません。すべてのことは必然です」というスピリチュアル系の考え方にはまったくフィットしない。私が考えていたのは、「ある言葉を探していた時、一見まったく関係ない本をふと開いてみたらたまたまそこに載っていた」というような、平たく言えば「引き寄せ能力」のことだった。

この言葉の出典を見ると、やはり「偶然に」ということははずせないようだが*1、私の考えているセレンディピティに近い定義をもとに書かれた本があった。それがこの本。

著者・中井さんは27歳の時に父の飲食業の会社を継ぐ。その後35歳の時に叔父の急病で畑違いの不動産管理会社を任され、2年半で黒字化に成功する。このことから会社経営の本質は業種・業態に関係なく不変であることに気づく。41歳の時に経営コンサルタントデビュー。実績プラス脳科学と心理学をベースにした独自の経営持論を展開している人だ。セミナー、講演活動もされている。

内容も非常に広い。風水からメンター獲得法まで、幸せに成功するための方法が幅広く紹介されている。著者が言うには、そのためにセレンディピティ(引き寄せる能力)が欠かせないのだという。もちろん、この本でその能力を磨く方法もわかる。


この本は装丁などから見てわかるとおり、明らかに若い女性向け。「理想のパートナーに出会うには」という話も少し触れられている。しかし、誰が読んでも面白いと思う。というのも、はづきさんの本と同じくそれにどういう意味があるか、なぜそれをやると効果があるのかをわかりやすく説明してあるからだ。
なぜ記憶力は年齢とともに落ちるというのは誤解なのか、なぜイメージトレーニングでダイエットができるのか、など、今まで何となくしか理解できていなかったものが、なるほど、と納得できた。おそらく、著者自身が知りたいことをそれぞれのスペシャリストに聞き、理解してから書かれているからだと思う。専門書にありがちな素人にはよくわからない、がまったくない。しかも、もっと詳しく知りたい場合は何を読めばいいのか、どこにコンタクトすればいいのかも紹介されていてとても親切だ。

全体的に著者のサービス精神があふれる本だと思う。今まで存じ上げなかったが、他にも面白そうな本をいろいろ書かれているので読んでみたい。
そもそも、この本に出会ったのもセレンディピティだ。借りてきたのは私ではなくこれも家族で、図書館で検索してヒットしたから借りてきた、というだけだったのだ。この本でさらに引き寄せ能力をアップできそうなので楽しみ。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「幸せな成功」のための要素10
  • 仕事
  • お金
  • モノ
  • 体験
  • 知性
  • 人間関係
  • 時間
  • 健康
  • 自己実現
脳は記憶するより忘れる方が得意

あなたが朝起きてから夜寝るまでの間、あなたの脳には常に膨大な量の情報が外から入っています。
(中略)
もし、それらの情報のすべてをもれなく記憶したとしたら、人間の脳は5分以内に限界に達すると言われています。1000億の神経細胞があるとはいえ、脳のキャパシティはその程度なのです。
ですから、私たちの脳はキャパシティをオーバーしないように、入ってきたほとんどの情報を消す必要があります。
そこで、実は脳は記憶することより、忘れることの方が得意なのです。
また、一般的に「記憶力が良い」という場合、“正確に早く覚えられる”ということを基準に考えてしまいますが、実際には私たちの脳の仕組みの上で、記憶は正確にも、素早くも、覚えられないようにできています。

あいまいに記憶するのが高等な脳

一般的に下等な哺乳類ほど記憶力が正確で、高等になるほどあいまいになるといわれています。人間の脳というものは、情報をあいまいにしか記憶できません。
「正確な記憶は役に立たない」ということが、人間の進化の過程の中でだんだんと分かってきたのでしょう。私たちの脳はできるだけあいまいに記憶するように変化してきたのです。
では、その機能をフル活用して、記憶をあいまいにするためにはどうすればいいのでしょう。
そのコツは「ゆっくり学習する」ことです。
(中略)
記憶に応用性を持たせるためには、学習はゆっくりするということが重要なんですね。

頭が良くなるのは、実は30歳過ぎてから

子どもは丸暗記が得意ですが、大人は苦手です。
でも、大人になると物覚えが悪くなるということではないのです。私たちの脳にとって「あいまいに記憶する」という作業は非常に高度な作業なので、逆に子どもにはできないということを表しています。
子どもは脳が成長していないので、正確にしか記憶できないのです。
(中略)
「最近物忘れが激しくなって…」という人も心配ご無用です。
これは物忘れが激しくなって、昔のことやちょっとしたことを忘れたのではなく、「記憶の蓄積量が多くなって思い出しにくい」という表現の方が正確です。
ですから、思わず口にしている
「最近、物忘れが激しくなって……」
「もう、学生の頃のようにはものが覚えられないわ……」
というマイナスの脳の刺激は、今日からやめましょう。
そういった否定的な言葉は、強烈に潜在意識に入り込み、本当に記憶力や状況判断能力を低下させてしまいます。
それよりも、
「私って、良く勉強しているから、最近、記憶の蓄積量が増えて、思い出すのにちょっと時間がかかるのよ」
「私って、脳が成長したから、若い頃のように正確にものが覚えられなくなったの。でも、応用力はバツグンよ」
と、日々刺激することで脳は活性化し、今まで以上の脳力を発揮しだすのです。

マグネティック・マインドとアルファロメオ効果

人間には夢を持ったり、念じたりすることによって、実際に現象が現実のものになっていくという素晴らしい力があります。
(中略)
ですから、目標をはっきりと持って貼り出していることと、ただ漠然と生活していることとでは、少しずつではあるのですが、最終的には大きな違いとなって生まれてくるのではないかと感じています。
私の仲間内では、このように夢や願望を実現させるためのさまざまな情報を磁石のように引き寄せる力を持った心のことを「マグネティック・マインド」と呼んでいます。

また、たとえばあなたが「今度、車をアルファロメオにしたいな」と思ったとしたら、その日から急に、車を運転していても、道を歩いていてもアルファロメオが走っている姿を沢山見ることになります。
1日でそんなに急にアルファロメオの走っている台数が増えるわけはないですし、だいたいにおいて日本の道路に走っている車はほとんど日本車です。この現象も観念運動現象*2のひとつでしょうが、難しいので私は勝手に「アルファロメオ効果」と呼んでいます。
つまり、自分の興味を覚えたことに、意識は集中したり、キャッチしてしまうということです。

脳の機能はいたってシンプル

脳を機能的な側面から捉えて突き詰めていくと、実は脳の機能はたったふたつしかありません。
ひとつ目は「情報を処理する機能」。
ふたつ目は「情報を保存する機能」です。

では、このふたつの機能は、何のために私たちの脳に備わっているのでしょうか?
答えは、未来を予測したり、未来に対して計画を立てていくためにあると考えられます。

セレンディピティと出逢うカギ

私の経験からすると、一見「無理そうなこと」「キツそうだなあと」思うことにチャレンジして行動を起こすことが、自ら積極的にセレンディピティと出逢うカギであるような気がします。

*1:詳しくはWikipediaをご覧ください

*2:「観念運動とは、ある観念を強く持つと、それに伴って身体運動が生じる現象をいう。すなわち、心の中でやろうと前向きの姿勢を示すと、身体運動もそれに伴って起きることがある。」文中に詳しい説明がありますが、こちらからお借りしました