この世で一番の贈り物 オグ・マンディーノ 菅 靖彦訳 PHP研究所 2001-12-06 価格1,250円(税別) by G-Tools |
それが裏目。3作目「この世で一番のメッセージ」とストーリーは同じなので、すでにわかって読むとワクワクドキドキが半減する。もちろん、ストーリーを知っていてもオグ・マンディーノが伝えたいことは少しも色あせないが、順番に読めばもっと面白かったのになあ、と残念。
ちなみに、この本はシリーズ第1作の「この世で一番の奇跡」の後、なぜ続編を書くに至ったか、というオグ・マンディーノのスペシャル・メッセージも巻末に掲載されている。これを読めばいかに前作に人気があり、続編を待ち望む読者が多かったかが伺える。
また、少し意地悪な読み方かもしれないが、先に「この世で一番のメッセージ」を読んでからこの作品を読むと、「〜メッセージ」の方は同じストーリーをかなりコンパクトにしてあるのだが、オグ・マンディーノという作家の腕の確かさがよくわかる。要約するのも、ふくらませるのも自由自在なのだろう。非常に上手くまとまっていたことを確認できたのが意外な収穫かも。
とは言え、そういうひねくれた方以外はぜひ順番に読んでください。「〜メッセージ」の方はストーリーが短く、人生訓の部分がかなり多くなっているが、この作品は最後にシンプルな「これからの人生…」が載っているだけなので、ストーリーが楽しめないと、とても損した気分になってしまう。
「これからの人生…」は、毎日読んで潜在意識に染み込ませるための文章ということで短く、読みやすい形になっている。「毎日読んで潜在意識に染み込ませる」という方法はオグ・マンディーノに共通のやり方なので、まず気軽に試してみたい方はこのくらいの長さがお勧めです。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
これからの人生…(一部)
かけがえのない今日というこの日、わたしは神の助けを借りて――
他人にしてもらいたいことを他人にし、つねに期待されている以上のことをし、目標をしっかり定め、自分の夢を大切に抱きつづけ、降りかかってくるあらゆる逆境を学びのチャンスとし、すべての義務を情熱と愛をもって果たし、なによりも自分自身でありつづけるよう努力します。