情報調査力のプロフェッショナル ―ビジネスの質を高める「調べる力」 上野 佳恵 ダイヤモンド社 2009-03-13 価格 ¥ 1,575 by G-Tools |
なので、なるほどと目からウロコのこともあったが、全体を通しては「ビジネスで」「今後の展開を考えるために」どんな情報をどう集めればいいか、という話がほとんどだ。必要な人にはとても役に立つ1冊だと思うが、読者を選ぶと思う。私には今のところ、それほど必要と感じないところが多かったのでざっと目を通した。
ビジネスで調査が必要になる場合のジャンルは何なのか。突き詰めていくと「企業・団体」「人」「業界・市場」「消費者」でニーズの80%はカバーできるという。この4つについてどう調べるのか、3〜6章で架空のストーリーに沿って詳しく紹介されている。また、7章では著者がどのような経験を経て情報リテラシーのプロになったのかがわかる。個人的にはこの章が「情報調査」についてよくわかり、一番面白かった。
「情報調査」という一見誰でもできそうで評価されない仕事を、どうやれば効率よくほしい結果を手に入れられるのか、プロの方法を教えてくれる本。情報調査力というと、つい「ネットで検索する能力」のように考えてしまうが、実はその前にもあとにも必要な過程がある。「求められている情報は何なのか」「どうやって得た情報を伝えるか」も、実際の調査と同じくらい大切なスキルだ。
「仕事で調べものをすることが多いが、どうも思うような成果・評価が得られない」という方にはとても役に立つ本だと思う。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
情報調査の流れ
1.知識ギャップの確認
調べる対象について、自分は何を知っているのか洗い出し、それをベースにしてさらに知らなければならないことは何なのか明らかにする。
2.自分の情報源リストとのすり合わせ
1で出てきた「知らなければならないこと」について、どのようなところをあたれば情報が得られそうかを、これまでの経験などを踏まえて考える。
3.情報の獲得
2で上がってきた情報源を実際にあたってみる。
4.検証・判断
得られた情報が使えるものかどうかの検証・判断をし、まとめてみる。
5.伝達
調べて得られた情報、それに基づく結論を、依頼主(上司やクライアント)に報告する。
6.自分の情報源リストの整備
今回あたった情報源を評価し、次に必要になった時に使えるよう整理しておく。
リサーチのコツ
- いきなり作業に入らない
- 手当たりしだいではダメ
- 情報を読み込んでまとめるためには、集めるためにかかった時間と同じか、それ以上の時間がかかる