毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

脳をイキイキさせる使い方☆☆☆

4569707904脳を活かす生活術―希望の道具箱
茂木 健一郎
PHP研究所
2009-02-28

価格 ¥ 1,155

by G-Tools
『脳を活かす勉強法』『脳を活かす仕事術』に続く「脳を活かす」シリーズの新作。「生活術」ということで内容は多岐にわたるが、個人的にはとても面白く読んだ。
脳をどう使えば活性化し、アンチエイジングできるのか。さまざまなヒントが紹介されているが、中でもインパクトがあったのは「脳の健康法と身体の健康法はほぼ同じ」ということだ。脳だからといって何か特別な方法があるわけではなく、「脳は体の一部、脳が生み出すものだから心も体の一部」というシンプルな考え方はとても新鮮に感じた。


この本全体を流れているのは、「楽観的であることが脳によい」という考え方だ。読んでいるうちに気持ちが明るくなる。それだけでも読む価値があるような気がする。
何が脳によいのか、どう考えてどう行動すれば結果的に脳にとってもプラスになるのか、ひとつひとつは小さなことだが、意識するのとしないのとでこれからの人生、大きく変わると思う。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

不必要なのは「プライド」

誤解のないように言いますが、自尊心を捨てろと言っているのではありません。そうではなく、プライドとは往々にして誤った自己認識である場合が多い。いったんそれを手放せ、ということです。

創造性は自らの意欲である

創造性は、誰でも携えることができます。決してある種の人たちの特権ではありません。しばしば、「私は創造性がないから、何もできない」という人がいますが、創造性とは自らの意欲である、というのが僕の持論です。
むしろ自分を否定する気持ちや、「私は○○だから〜」という決めつけが、創造性を発揮する機会を失わせているのです。チャンスをつぶしているのは自分の心だった、というのは往々にして起こっている現象です。

ハテナマーク=質問力の効用

「もっといいやり方はないか?」「本当にこの方針でいいのか?」と自分の行動に常に疑問を投げかける。そして、何かしら新しいアイデアを思いついたら、ちょっとしたご褒美を自分にあげるのです。

「好き」「嫌い」を道標にする

(ある作家との話より)
ある文学論争について話した時でした。論陣を張った片方の人物に対し、その人は言いました。
「彼は、イヤな人です」
それで、終わり。それ以上、論争に参加する姿勢は一切取らずにもう一方の人物に軍配をあげました。その破壊力たるや、凄まじい!そこには、自分の食指が動かないものに対しては中途半端な興味や時間を割かないという姿勢がはっきりと見られました。
これは自分の人生を大切にしている証拠です。
それは、自分の感覚に言い訳をしない姿でもありました。

判断基準はあくまでも「私」

自分の感受性に寄り添って生きていいと気づくだけでも人生は明るさを増しますが、脳科学的に見れば、これは日常生活で鍛えられた一種の自覚であり、非常に本質的な姿勢です。
なぜなら、正しいか正しくないか、ではなく、好きか嫌いかをものさしにするためには、日常の一瞬一瞬を深く生きて感じる必要があるからです。

新しいことに触れ続ける「脳のアンチエイジング

「新しいこと」は脳の大好物です。新しいものに触れてそれに反応することで、脳は活き活きとした活動を続けられます。

「味わう習慣」が脳のゴールデンタイムになる

少々体調を崩した時など食事の時間をいつもより長めにとってゆっくりと味わうだけで、自分のペースが戻ってくるものです。世の中の好不況にかかわらず、「味わう」習慣を食事において身につけるだけで、僕らは「脳のゴールデンタイム」を手に入れることができるのです。

個性というものは、他人との関係性においてこそ磨かれる

人はひとりでは人にあらず。自分を映す鏡がこの世に遍在しているのだと思えば、出会い、目にするすべての事象から僕らは学べます。

文学作品で無意識世界を意識化させる

このような快感を、文学の世界にとどめず日常の習慣にしてしまうことで、僕らは無意識を耕しながら脳を喜ばせることができます。いわば、「ブラックボックス」とさえいわれる脳の世界をリアルに感じられるものにしていくわけです。方法は3つ。「自由になること」「育てること」、そして「切り替えること」です。

「○○らしさ」から自由になる

よく言うのは、「自分が何者か決めつけるな」「正体を悟られるな」ということです。ただの「わけのわからない奴」では駄目ですが、「自分は何者か」を追求しながら同時に「何者でもない自分」を磨き続けること。世評やレッテルに頼らず、自分だけの価値観に従うわけですから、ある意味それは非常に孤独な作業です。

さまざまなものを言葉に近づける

感覚を通して外部からインプットされた情報を言葉としてアウトプットする行為、要するに「会話」は、無意識の層を間接的にコントロールしていきます。言葉にして初めて気づく自分の気持ちがあるのは、そのせいです。ですから、さまざまなものを言葉に近づけていく行為は、脳本来の活動や喜びにとって非常に重要な意味を持っているのです。
自分の言葉で自分を知ることができる。そして自分の言葉には自分を喜ばす力があると知るだけで、使う言葉が変わってきます。

脳のモードを切り替える

つきあいのいい自分もいれば、悪い自分もいる。真面目な自分もいれば、そうでない自分もいる。愉快な自分もいれば、そうでない自分もいる。どれも、自分である。すべては脳内回路の切り替えなのだと割り切ることができれば、ストレスは大いに減るはずです。
ですから少々批判を受けたとしても、回路のつなぎ方の間違いくらいに思って気分を切り替えるのが得策です。

全力を尽くした失敗

脳は、成功ばかりしていると、それで満足してしまい成長しません。逆に失敗を続けると、現状では駄目だと脳が何かを求めます。

希望を持つのは心の技術

希望を育むためには、知らないということがとても大事なのです。つまり希望とは、知っていることと、知らないことの絶妙なる混合によって生まれるものだと僕は思うのです。

「人生の感想戦」で過去から学ぶ

時には僕らも、「人生の感想戦」をやってみたらどうでしょう。
「あの時ああすればこうなった」「あっちの道を選んでいたら、きっとこんなことが起きていただろう」と過去をあれやこれやと振り返り、もう一度想像してみるのです。
往々にして後悔とはネガティブな感情とみなされます。
しかし冷静な検討さえできれば、僕らは過去という財産から「この次はこうしよう」という意欲を生み出すことができるのです。