昨年ブームになった『東大合格生のノートはかならず美しい』の続編。前著を読んで寄せられた疑問にQ&Aで答える形式になっている。私は前著をまだ読んでいないのだが、こちらから読んでも充分面白かった。
実際にどうやったら「東大合格生のノート」がとれるのか、という疑問に対する答がとてもていねいで親切だ。地方や学校のレベルによってノートは違うのか、高校や予備校の先生数名にインタビューしたものが一覧になっていたり、ビジネスにも応用できるのかという問いへの回答も用意されている。
しかし、やはり圧巻は実際のノートの数々。人のノートをずらりと並べて見比べる機会はあまりないので、見るだけでもとても面白かった。今回の本にはノーベル賞受賞者や文学史に名を残す作家のノートなども紹介されていて興味深い。
また、「東大に対して京大のノートはどうなのか?」という質問もあり、現役京大生の座談会が個人的には一番面白かった。
私の感覚では、東大生は「ていねいに、きれいに読みやすいノートを作る」というイメージ。これに対して京大生は「自分がわかればそれでいい」というイメージで、どちらかと言えば私は京大の方に近いと思う。というのも、「カラーペンを使ってきれいにノートをまとめている人の方が実は成績が悪い」という話を高校の頃によく聞いていたので、“ノートまとめに時間をかけすぎてはいけない”とずっと思ってきたからだ。
しかし、東大生のノートを見る限り、それは間違いなのかもしれない。ただ、やはりノートを美しく書くすることが最終目的になるとよくないらしく、作ったノートをその後どう活用するかが大切だそうなので、興味のある方はぜひ読んでください。
きれいなノートとはほとんど縁がなく、特に去年まで受けていた授業はシャーペン1本で書き殴るスタイルだったので、東大生が授業中に取ったノートが字もきれいで色も使い分けてあるのには驚いた。私があんなノートを作ろうとしたら、家で一から書き直すしかない。やはり、頭の回転が速いとノートも速く書けるのだろうか。衝撃を受けた。
ぜひ前著も読んでみたい。現在学生の方はもちろん、ノートやメモを書く必要がある人にはヒントになる本だと思う。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
7つの法則
- とにかく文頭は揃える
- 写す必要がなければコピー
- 大胆に余白を取る
- インデックスを活用
- ノートは区切りが肝心
- オリジナルのフォーマットを持つ
- 当然ていねいに書いている
江崎玲於奈さんの言葉
創造力っていうのは、ある事柄に対して何が重要であるかがわかるということ。でも“ブレイクスルー”のためには、必ず創造力と分別力の両方が必要。チャンスの女神はちゃんと“準備”をしている人にだけ偶然のチャンスを用意しておいて、棚ボタ式にはくれません。“準備”というのは、創造力だけになりゆきを任せるのではなくて、ふだんから分別力を磨いておくということ。ノートというのは、分別力を鍛えるものだと思っています。