毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

本来の意味の「コーチング」がわかります☆☆☆

 

 

 

 

脳機能学者・苫米地英人さんの考える“コーチング”の手法がわかる本。『成功脳の作り方』と同様、とてもわかりやすく書かれている。
====
面白かったのは、現在一般的に言われているコーチングは、本来のコーチングとは違っているということだ。部下を指導するとか、仕事の効率を上げる、というような目的に使われていることがビジネスの世界では多いが、本来のコーチングとは、

そもそもコーチングのファースト・ステップは、クライアント(相談者)が自分自身で外せないスコトーマ(盲点)を見つけてあげること、もしくはその人の「ゴール」を探し出す手伝いをしてあげることといっていいでしょう。(P14)

とある。
ゴールを設定できるのは本人だけであり、それを一方的に決めたり、誘導したりするのはコーチングではないそうだ。

また、ゴールも今までにあるものから選んではいけないという。

すでに存在しているゴールは、すべて他人がつくったものであり、あなたが目指すべきところではありません。あなたは、あなたのための、そしてあなたがナンバーワンになるゴールを設定しなくてはなりません。
(中略)
既存のものから選択したゴールでは、自分の潜在能力をフルに発揮することはできません。
人間は、「今、ここにないもの」を生み出すことができる存在です。既存のものからゴールを設定したら、あなたはそれを超えることは少なくともできません。ゴールはあなたが創造するものなのです。(P22)

また、コーチに向くのはどんな人なのか、どこに気をつければいいのかも詳しく書いてあり、必要に迫られているがよくわからない、という人にも役に立つと思う。


個人的には、「アファメーション」という手法が、科学的に立証された方法である、ということがわかったのが大きかった。今までは、単なる気休めとか、言霊やおまじない的な評価をされているものだと思っていたので、脳の機能と結びついていることがわかってスッキリした。
もちろん、アファメーションの具体的な方法も載っているので、これを読んでその通りにやれば、かなりの変化が期待できる。やはりその辺は苫米地さんなので、ただのお題目を唱えるような方法ではなく、細かいステップに分かれていてじっくり自分の意識を変えていけそうだ。

コーチングについて知りたい人、学んだけどしっくり来ない人はもちろん、自分を変えたい人必読の本。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

変えるべきはまず心(P16)

人間のすべての変化は、まずイメージの世界で生まれて、それがやがて物理世界に伝わるのです。言い換えると、心から始まって、行動にあらわれていくと言えるでしょう。
変えるべきはまず心であり、環境は変えなくてもいいのです。心が変われば環境は勝手に変わっていきます。

スコトーマにヒントがある(P42)

人は誰もが自分の目に入ってこない部分、すなわちこれを「スコトーマ」(盲点)と呼んでいますが、このスコトーマの中にこそ、革新的な変化を引き起こすためのヒントが隠されていると、ルー・タイス*1は説いているのです。

抽象度を上げて考える(P66)

抽象度を上げて考えた共通点さえぶれなければ、どんな職種・職業であれ、あなたの才能は活かされることになるでしょうし、見える世界が広がり、認知できる情報量も増えてくるのです。

では、どうして抽象度を上げた思考をする必要があるかというと、「最高の自分は抽象度の高いところでしか見つけることができない」、つまり「高い視点を持っていなければならない」からです。
「高い視点」をサッカーで例えるなら、二流の選手はボールしか追いかけていないのに対し、一流の選手はまるで頭のてっぺんに目がついているかのように、高いところから試合全体を見渡せる能力を持っています。

高いセルフイメージを持つために(P75)

1.自分はどんな人間なのか?
2.自分はどんな価値があるのか?
3.自分には何がふさわしいか?
4.自分はどこにいれば快適か?

アファメーションの効果(P78)

プラスのメッセージを認識し、それにしたがって行動するアファメーションは、あなたの行動をイキイキとさせるのに非常に効果的です。このことは理屈ではなく、無意識のレベルではたらきます。
ですから、それを利用していくことは、「心の問題」ではなく、使っているコンピュータから不要なソフトを削除し、新しいソフトを入れ替えるのと同じことで、あなたが望むのであれば、不要だと思われる言葉は削除してもいいのです。

目標に向かって動き出しているイメージを持つ(P99)

あなたが年収5000万稼ぎたいという目標があるのであれば、今は年収が300万だったとしても、目標に向かって動き出しているというイメージを持っている必要があります。
そこで、「私は5000万稼げるようになるため、今は準備期間として着実に歩んでいる。だからこそ、毎日やりがいがあり、仕事に行くのが楽しい」と肯定した言葉を発するのです。
年収5000万には到達していないというイメージが少しでもあると、無意識の中で「何かが間違っている!」というメッセージを発して、間違いを修正しようとします。つまり、現実の方向と頭の中で思い描いているイメージが一致できるように機能していくわけです。

人は無意識に話を聞いてくれる人を求めている(P130)

人は自分の不満や問題を誰かに聞いてもらい吐き出すだけで、心がずいぶん楽クになるものです。しかし、いまは近所同士のつき合いや、人間同士が裸でコミュニケーションを持つ機会が少なくなっているので、
「相談したくても相談する相手がいない」
「話を聞いてもらいたくても、聞いてくれる人がいない」
というような現実から、ひとりで問題を抱えている人が多い時代といえます。
人は、話すことによって自分が何を考えているのかを相手に伝えるのと同時に、自分の耳で考えを聞いています。そして、考え方が整理されていき、問題や悩みの解決方法を自分で気づいて見出すことができるのです。これをコーチングの用語では「オートクライン」(自分で話した言葉が自分に作用すること)といいます。
人は自分で考えていることを整理するためにも、無意識的に話を聞いてくれる人を求めているのです。

「人を伸ばす人」が持つ3つの力(P148)

1.自分とは異なる相手を「受け入れる力」
2.相手の対話を成立させる「伝わる力」
3.相手の可能性を「引きだす力」

欠点を指摘するのは逆効果(P154)

人間は不思議なもので、欠点をあれこれ指摘されてしまうと、欠点の方ばかり浮き彫りになってしまい、成功の方がスコトーマに隠れてしまいます。

ラポールとは(P163)

もともとフランス語で、「関係、関連、類似点」という意味を表す言葉です。しかし、心理学や催眠の用語では「信頼関係」の意味として使われています。
実は、よりよい人間関係を築くためには、このラポールが大変に重要な意味を持っています。
辞書によっては、ラポールを「同じ価値観を共有する仲間意識」と記してあるものもありますが、ここで必要とされるラポールとは、「表面的な融和や共感ではなく、直感に訴える深層的な一体感」です。

つまり、表層意識に訴えかけるメッセージではなく、深層意識に「私はあなたたちと同じ仲間だよ。だから安心してください」というメッセージを送り込むことです。

ハイパーラポール(P164)

特にコーチングで重要なのは、ラポールより一歩進んで、私がハイパーラポールと呼んでいる、より強いラポールです。
ハイパーラポールにおける「有効な信頼関係」とは、単なる“友達を信頼している”といった関係とは少し意味合いが違ってきます。それはある意味で「上下関係のある信頼関係」です。
たとえば上司と部下、先輩と後輩、医者と患者、師匠と弟子、先生と生徒のような上下関係であり、なおかつ信頼で結ばれているという状態が理想的です。

イヌやサルは本能的に社会集団を形成する動物ですが、同時にボスを中心とした序列や順位を創る動物です。人間も社会集団を作って生活しますが、では人間は序列を作る動物でしょうか?
実は人間にも序列を作る本能があり、あらゆる情報をもとに相手が自分より順位が上か下かを無意識のうちに判断しようとします。
(中略)
ここではハイパーラポールはお互いが臨場感空間を共有し、かつその臨場感空間を支配している時に生成されると理解してください。
そのためには、相手が見ている世界を相手の目線で見ることが必要です。そして相手が見ている世界をひとつひとつ言葉にして、相手に伝えてください。それが一番基本的なラポール生成の技術です。あなたの言葉の世界ですから、その支配者はもちろんあなたです。ありのままに相手の見ている世界、感じている世界を言葉にするだけでいいのです。

本当の自由・本当の夢(P192)

社会や他人だけでなく、他人のしがらみや自分の記憶からも自由になって、すべて自分で判断し、決定する。それこそが本当の自由なのです。そして「将来はこういうことをしたい」というものを、純粋かつ自分の意志によって選択したものこそ、本当の夢なのです。
(中略)
夢が本当かそうでないか、判別する方法があるのならば、「達成することに迷いを感じないかどうか」それだけです。

*1:コーチングの創始者。彼の人材育成プログラムを、苫米地さんとともに改良して創られたのがPX2