毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ブロック単位で文章を組み立てる☆☆☆

なぜか次々と読んでいる文章術の本。今日ご紹介するのは作家で作曲家の鐸木能光(たくき・よしみつ)さん。パソコン関係の著書も多いので、ライター的なお仕事もされているのだと思う。

今まで読んだ本の中では、個人的に一番わかりやすく役に立つ本だった。


その中心になるのが「文章に“ブロック”を作る」ということ。いわゆる段落のことだが、パソコンで文章を作成する上では、ブロックとしてとらえた方がわかりやすいという。改行を多めに入れておき、順序を入れ替えたり、校正したりが簡単にできる。

いきなり長い文章を書こうと思っても大変だが、ブロック単位で書いてそれを積み上げるイメージなら、長い文章も書けるようになると言う。なるほどなあと思った。

ブロックで書くコツを、順を追ってくわしく説明してあるのでわかりやすい。構成に難のある文章を、どうやってわかりやすく書き換えるか、という例もいくつか載っていて、これが面白い。


また、「文豪の文章は実は悪文」という大胆な仮説を立て、それを検証していくのだが、著者によればやはり原稿用紙に直接書く昔のスタイルでは、書き直せなかったのだろうという。パソコンで書くことによって、文章のわかりやすさも変化したのだろう。
著者が石川啄木芥川龍之介の文章を組み替え、論旨に沿って書き直した文章はさすがにわかりやすく、説得力があった。

著者自身が、ネット上で発表したある文章を、掲載までにどのように手を入れて行ったのか、という例も紹介されている。こちらもどんな情報や資料を調べ、どんな風に文章に入れていくのかなど、勉強になった。


現在「文章を書く」といえば、一部の手紙などを除いてほぼパソコンだろう。パソコンで文章を書くすべての人にお勧めの本。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

接続詞を減らしてみる(P24)

1文が長くなりがちな人は、まず「接続詞が出てきたら、その部分で文章を切った方が読みやすくなるのではないか」というチェックをする癖をつけるだけで、劇的に文章がよくなる。

「私は」を減らしてみる(P59)

「私は……と考える」という構文は、実はまだ自分の考えを完全に把握しきれていない証拠でもある。考えていることを、頭に浮かぶまま並べている段階なのだ。
(中略)
「私は……と考える」という構文を使うな、ということではない。(中略)しかし、必ず読み直してみよう。読み直して、「私は」が多い文章であれば、まだ考えが未整理なままではないかと疑ってみる。

1テーマ1ブロック(P144)

情報をいっぺんに出してしまうと、読み手の意識が散らばり、印象が弱まってしまうのだ。1テーマ1ブロックの原則を守れば、こうしたミスは防げる。

修正時のチェックポイント(P179)

1)よけいな強調修飾語がないかチェック
「まったく」「ほとんど」「すべての」「極めて」などの修飾語句は本当に必要なのか。「まったく〜ない」と言い切っている場合、本当に調べ尽くした結果言いきれることなのか、例外はありえないのか、などをチェックする。
2)伝聞体表現のチェック
「〜らしい」「〜だそうだ」といった表現は、自分できちんと責任を持って書いていないことを意味している。1)とは逆だが、調べた結果、言いきっていいと判断できるものは、極力、責任を持った言い方に変更する。
3)「曖昧語」をチェック
「〜という」「〜のような〜」といった言い回しは、省けるのではないか。私は特にこうした言い回しをする癖があり、時間がある限り、それらをチェックして消していくように努めている。
4)同一語のくり返し
「〜に対して」という表現が続いた部分などのくり返しも訂正する。