毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ツイッターの可能性☆☆☆


以前読んだ『ツイッター 140文字が世界を変える』とは違う切り口のツイッターの解説本。著者の津田大介さんはツイッターの世界では知らない人のいない有名人だ。何しろ、「tsudaる 」という言葉まであるくらいなのだ。 
見た目の印象や、「tsudaる 」という言葉から何となくちゃらちゃらした人なのかな、と勝手に思っていたが、読んでみたらわかりやすくきっちりした内容で、勝手な先入観を反省した。
 

著者はメディアジャーナリストという仕事柄、一般にさきがけてツイッターを使い始めたという。個人的な使い方の変遷なども紹介してあり、初心者には参考になることも多い。
また、世界のツイッター事情や、企業の成功事例もさまざまなケースがあって興味深い。

もちろん著者の代名詞である、「tsudaる 」方法とその副効用についてもくわしい。ツイッターの魅力のひとつは140文字という制限かもしれないと感じた。制限がある分、そぎ落とす必要があり、要約力を鍛えることになるようだ。

ツイッター 140文字が世界を変える』ではツイッターの使い方を、この本はツイッターで何ができるのかがわかる。コグレさん・いしたにさんの本とは別の意味で、ツイッターの将来性・魅力を感じた。


個人的に一番印象に残ったのは、ツイッターを「リアルタイムの情報の流れを見る」ために使うという考え方だ。このためには、とにかくフォロー数を増やすことだそうだ。ひとつの壁が100人だそうなので、まずはそれを目指そうと思った。
単なるノウハウ本では満足できない、ツイッターの可能性を知りたい人には特におすすめです。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

筆者の考えるツイッターの特徴(P29)

1.リアルタイム性
2.伝播力が強い
3.オープン性
4.ゆるい空気感
5.属人性が強い
6.自由度が高い

実はネットを流れる情報の多くはタイトルが付いている必要がない(P51)

たとえばミクシィの場合、他人の日記を読もうと思った時に最初に表示されるのはタイトル一覧で、この中から気になるタイトルをクリックして初めて日記の本文ページに飛ぶしくみになっている。これはつまり、どれだけ熱心に日記を書いてもタイトルが興味を引かなければ読んでもらえないということだ。
(中略)
ところがツイッターの場合、140文字以内ということもあり、フォローしている人のつぶやきが「丸ごと」自分のタイムラインに流れてくるのだ。自分がフォローしている人のつぶやきのすべてを否が応でも見ざるを得ないというこの構造は、発信側に立てばタイトルで峻別されることなく、聞いてもらいたい言葉や情報をほぼ確実にフォロワーに届けられるというメリットがある。受信側にとってはふだんなら気にも留めず、自分からはわざわざ見に行かないかもしれない有益な情報や発言に偶然出会えるというメリットがある。

むき身の思考の断片(P55)

そんな多彩なつぶやきの中、特に著者の興味を引いたのが、何かの現象や出来事、ニュースを目の前にした時に、そこから派生して感じたことやふだんから考えていることをメモ的につぶやくというものだ。ブログのような形でまとまっていない、140文字以内で表現される他人のむき身の「思考の断片」は、学生時代の94年からこれまでずっとネットを見てきた著者にとっても非常に新鮮で、中には「なるほど」と膝を打ちたくなるものや「そんな考え方をする人もいるのか」と感心させられるものも少なくなかった。

著者のツイッター活用法5通り(P57)

1.「いまなにしてる?」に準じた日常報告
2.時事ニュースやネットで話題になっていることに対する感想や解説
3.日々生活している中で突如思いついた提案や教訓、冗談など
4.ツイッターを使ったイベントの中継、いわゆる「tsudaる」
5.自分の活動に関する告知

ツイッター中継「tsudaる」ことのメリット(P66)

ツイッター中継を実際に行ってみると、場の流れをあらかじめ読み取り、それぞれの登壇者の話に耳をそばだてて、集中して聞かなければならないことがわかる。ただ一方的に相手の話を聞いているだけの時には決して使われない頭を使うことに気づくだろう。これにより、仕事や日常生活の中で起きた議論や話し合いの論点や、他人の発言の「構造」が見えやすくなるのだ。論点や議論のフレームを理解する力が増すことで、ディベートする能力も鍛えられるだろう。
また、ツイッターの場合、リアルタイムに中継しなければならないという厳しい条件が付くため、その場その場での瞬間的判断力や決断力、瞬発力、そして何よりも集中力が身につく。ツイッター中継を行うことでそれらの能力を鍛えれば、会社の会議やプレゼンなどの場面で大いに役立つはずだ。

会議の議事録作りの効率化にも役立つ(P66)

ツイッター中継では発言者のキャラクターやニュアンスをある程度残しつつ、発言の要旨を140文字で完結させなければならない。一方、議事録は発言者のキャラクターなどにかまうことなく、発言のエッセンスさえ抽出できれば問題ない。ふだんからツイッター中継などで訓練を積んでおけば、完結で要を得た議事録がスムーズに作れるようになるはずだ。

逢坂誠二衆議院議員のインタビュー(引用)(P119)

ネット上のコミュニケーションツールは、“単純であること”と“簡便であること”が大切だと思っているが、Twitterにはそれが備わっている。また、発信する情報には、命の短いもの、あるいは中期、長期とそれぞれ賞味期限があって、発信の場所を間違えないこと、つまりタイミングが大切だと思っている。有権者向けの発言ツールとしては、ホームページとブログ、mixi、Twitterを活用しているが、瞬発力の必要な情報にはTwitterは適していると考えています。たとえば、リアルタイムで会議の感想を書きつづり、これを後でタイムライン(TL)に沿って整理することもできる。まずは賞味期限が短い情報を旬のうちに発信しておいて、後から形を整えてブログに掲載するといった利用もできるだろう。
マイコミジャーナル」09年6月29日付「日本の政治とTwitter――党首討論ライブ中継の逢坂誠二議員に聞く」

英国政府の公式ツイッターガイドライン(P135)

テンプレートでは、政府関連機関が実際にツイッターを使う際に気をつけるべきことが具体的に示されている。たとえば、ツイッターユーザーは「機械的な情報発信をし過ぎること(中略)やプレスリリースのヘッドラインをそのまま流用することを嫌う」ので、人間らしく、文章のトーンもくだけた感じにすべきだという。また、「最低でも1営業日につき2回、最大で10回更新を行う」べきだが、フォロワーのタイムラインを占領しないよう、更新には最低でも30分の間隔を開けるべきだとしている。

著者と勝間和代氏とのスペシャル対談より(P169)

津田 (前略)どうにかしてフォロワーを増やしたい人の望みを叶えるにはどうすればいいんでしょうかね?
勝間 自分独自のコンテンツを作るしかないと思いますよ。大勢からふぁぼられる(「お気に入り」に登録される)ような発言をするのがベストでしょうが、気になるサイトやカッコいい写真を紹介するのでもいい。結局はユニークネスの問題ですから。
津田 確かに、ツイッター内で「面白いことをつぶやくヤツ」という評価を獲得できれば、当然フォロワーも増えますよね。
勝間 あるいはツイッターの外でコンテンツを持っていないと。実生活や別のネットサービスでの活動なりコンテンツなりをツイッターの中に持ち込む人はフォローを集めやすいんじゃないですか。
(中略)
勝間 タイムラインには触発されますね。結局、人から直接聞いた情報が一番質がいいんですよ。ツイッターは当然文字ベースのサービスなんだけど、ブログやニュースサイトに比べると、その情報はかなり「生」に近い。こういう未加工の情報に大量に触れる機会って今までなかったことも、ツイッターを新鮮に感じる理由なんですよ。
津田 ブログってちゃんと書こうとしちゃいますからね。
勝間 カッコつけちゃいますから(笑)。なんなら、ちょっと虚構が入るんですよ。その点、140文字と会話に近い分量のツイッターの方が虚構は入りにくい。そして、会話だからインテラクティビティが生まれやすい。ツイッターって、本来だったら空気の中に消えちゃうはずの想いや会話を文字化してアーカイブしてくれるサービスなんですよ。

フォローする人数で変わること(P189)

こうしたツイッターの本質は、ある程度フォローする人数を増やさなければ理解することができないだろう。友人中心でフォローし、その数も50くらいまでだと、既存のSNSとの違いはほとんどわからない。ツイッターの独自性が理解できるのは、知り合い以外も含めて100人以上フォローするあたりからだ。そうすると、新聞やテレビなどのメディアを見るような感覚でツイッターを楽しめるようになってくる。
そしてタイムラインの景色が変わるのが、フォロー数300〜500を超えるあたりだ。ここまでフォロー数が増えると、情報の流れも速いため、「タイムライン上の情報はすべて見なければならない」といった強迫観念から解放される。あとはツイッターにアクセスしたその時々の出来事や思考という、リアルタイムの情報の流れに身をゆだねればいい。