毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

志の高さが球を速くする☆☆

プロ野球阪神タイガース選手の本が続いているのは図書館で予約が回ってきた偶然で、特に意味はありません。 
また、どのカテゴリに入れるかむずかしかったので、この本は「読書日記」のみにしています。
 


藤川投手といえば、こちらもプロ野球ファンなら知らない人はいない球界を代表するクローザー(抑え投手)だ。WBCや北京オリンピックにも出場している。
代名詞はストレート。それも、“狙っていても打てない”ストレートで、通常フォークなど落ちる変化球が決め球*1になることが多いクローザーの中でも特殊だと言える。

ドラフト1位で入団したものの、ケガが多い上に先発してもスタミナがなく、あまり球が速いイメージもなかった。そんな藤川投手がどうやってあのストレートを投げられるようになったのか、それが知りたくて読んでみた。

コーチの進言でフォーム改造に取り組み、体に負担なく投げられることで球速が上がったそうだ。また、節目節目の監督との出会いも大きなチャンスになっている。今回初めて知ったが、矢野捕手のリードも藤川投手のよさを引きだす大きな要因だったようだ。


失礼ながら茶髪でチャラチャラしたイメージがあり、野村監督の評価はあまり高くなかったと思うが、読んで思ったのは、「やっぱりアスリートは頭がよくなければ一流にはなれないのだ」という当たり前のことだった。

何も考えずにストレートを投げて三振を取っているように見えていたが、常に頭はフル回転しているそうだ。毎年の目標の立て方や投げ方を少しずつ変えるなど、工夫しているんだなあと感じた。また、ファンのことや球界全体のことも考えていたり、チームをまとめるための言動など、意外な面も。


惜しいのは、おそらくしゃべったものをライターが文章に起こしたのだと思うが、しゃべったままに近くて散漫な印象があること。構成がもう少ししっかりすれば、もっとわかりやすくなったと思うのでそこが残念。
また、生きざまなど後半部分は、コアなファンにはいいかもしれないが、野球ファン以外にはあまり興味をひかないような気がする。

昨日の金本選手の本とどちらがいいか、とたずねられたら、野球をあまり見ない人には金本選手の本の方が役に立つと答えると思う。
ただ、この本を借りてきた家族によれば、リーダーシップの取り方など、野球以外にも役に立つことが多かったそうなので、好みが分かれるのかもしれない。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

自分の体は自分で守る(P110)

ジェフ(・ウィリアムス)は僕にとって、いや、リリーフ陣全員にとっての先生だ。プレーヤーとして大事にすべきものを教えてもらった。それは、自分の体は自分で守らなければいけない、ということ。

日本人には無理をして、それが大ケガにつながり、結果的に手術を余儀なくされる選手も多い。「チームのために」という日本人特有の美学が原因だろうけど、それは結局、チームに迷惑をかけることになってしまう。それよりむしろ、自分の体のことを一番に考えてプレーした方が、長くいいパフォーマンスができるし、チームにとってもプラスになると言うのである。
だからジェフは、休む時には徹底的に休む。シーズン中はあまり練習もしない。自分の体がどれだけ休みを欲しているか、ということと素直に向き合っているのだろう。その姿を見ていると、「止まることの大切さ」に気づかされる。

*1:ウイニングショットのこと。意味はこちらをご覧ください