毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

“鉄人”はいかにして“鉄人”になったか☆☆

※このエリアに住んでいると阪神ファンだとよく思われますが、私は阪神ファンではありません。父の影響もあって10代の頃はそうでしたが、今は会話ができるよう試合結果を見ている程度です。

著者・金本選手は『連続フルイニング出場』の世界記録保持者である。残念ながら今シーズンとぎれてしまったが、プロ野球ファンなら知らない人はいないだろう。
そのためにどう考え、何をしているのか興味があって読んでみた。


実は金本選手はエリートではなかったという。大学進学の時1年浪人しているし、その時も人の紹介でやっと東北福祉大に進めたそうだ。当時はまだ有力校になる前だったので、はじめは「そんなところに行けるか」と思ったという。

ドラフト4位で広島東洋カープに入団したあとも、すぐ1軍に定着できたわけではなく、なかなかレギュラーにもなれなかったそうだ。私も以前昔の映像を見て驚いたが、金本選手はもともと体つきが細かった。今のあの体は考えて鍛えて作り上げた努力の賜なのだ。


全試合出ようと思ったきっかけが「主力選手がみんなケガでいなくなってしまい、万全なオーダーが組めない監督の苦労」を見ていたことや、ケガをしていても集中力があればプレーのレベルは下がらないという考え方、そして、本人はチームプレー思考が強いことなど意外な話が多かった。
全試合フルイニング出場記録を作るのは“オレがオレが”という自己顕示欲なのかと思っていたが、本人はいつ途切れてもいい、と思っていたという。読まなければわからないことは多い。

アスリートの本を読むといつも思うことだが、運動神経だけでは一流の選手にはなれない。よく考え、努力している。
金本選手は人より上に行くために、オフにも体を鍛え続けたし、パワーとスピードを両立するための体作りを専門家と相談しながらやってきたそうだ。そして、心を鍛えるために毎年護摩行をしているのもよく知られている。

私が一番印象に残ったのが、デッドボールに対する考え方だ。

デッドボールのあとこそ、逆に向かっていく気持ちが必要だ。
デッドボールを怖がって腰が引けてしまうと、バッティングを崩す原因になってしまう。だからこそ、あえて踏み込んでいかなければならない。(P42)

デッドボールの次の打席の打率は4割を超えるそうだ。大記録達成や名球会入り、今のようなポジションにいられるのは“自分がビビリだからこそできた”という言葉は重みがある。

プロ野球ファンやスポーツをしている人はもちろんだが、ビジネスにも役に立つことが多いと思う。自分の殻を破りたい人、一歩前に進みたい人にお勧めです。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

自己限定しない(P33)

「やってみればできる」というのは、ケガをした時だけに限らないと私は思っている。何ごとも自分で「無理だ」と考える前から結論を出してしまえば、それまでだ。それ以上の成長はない。
「ケガをしたからプレーできません」といって試合に出なかったら、連続フル出場は不可能だったし、そもそもプロとして生き残っていたかどうか。その意味でも自己限定は絶対にしてはいけない。

小心者のポジティブ思考(51)

「このまま打てないのではないか。おれはダメなんじゃないか」
(中略)
それが必要以上に嵩じてしまうと、マイナスがマイナスを呼んで自信を失ってしまうという、いわゆるマイナス思考の連鎖から逃れられなくなってしまうのだが、しかし私の場合は、「最悪の状況に陥らないためには何をしなければいけないのか」と考えるのである。
悪い結果を招きたくないから、そのままじっとしてはいられない。何かをやらざるを得ないのである。だから集中する。気持ちも前面に出る。どんなことでもできる。その意味では楽観的だし、ポジティブ思考だといっていい。

勝つために何をするか(P79)

試合に臨む時、私がいつも念頭に置いているのは、「勝つために何をするか」ということである。勝つためにホームランを打ちたいし、勝つために1塁からホームに生還したい。すべてはチームが勝つためなのだ。だからこそ、全力でプレーしようと思うのである。
もちろん、自分でヒットやホームランを打って勝てれば自分にとってもチームにとってももっともプラスになるのだが、現実にはなかなかそうはいかない。だとすれば、チームが勝つために何をしなければいけないのかを第一に考えてプレーするのは当然のことなのだ。

準備=覚悟があれば絶対に心はブレない(P145)

何かを成し遂げようと考える時、大切なのは「どうにもならない状況に陥った時、どうするか」「何をできるか」なのである。
だから私は、個人としてもチームとしても、常に最悪の状況を意識的に想定している。そして、何が起ころうとも、どんな状態に直面しようとも、絶対に気持ちがぶれないよう、崩れないよう、前もってそのための準備をし、覚悟を決めておくようにしている。