毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

漢字検定の奥深さがかいま見える☆☆

実は、漢字検定準1級を持っている。3回受験してやっと合格した。1級も2回挑戦したが、
「こんなレベルで受験してもしょうがないな」
と思い*1、落ち着いて勉強できるまでしばらく保留にした。そのままもう10年近く経っているが、「どうやったら1級に合格できるんだろう」という疑問は常にあった。

欠かさず見ている「Qさま」の特別番組で、宮崎美子さんが2回目の挑戦で1級に合格されたのを知り、どんな風に勉強したんだろう、とずっと思っていた。今回この本が出たので、何かヒントになればと思い、読んでみた。


読んだ感想は、「何となく中途半端…」だった。

もちろん準1級・1級受験に関する話が中心なのだが、宮崎さんの高校時代の話、「Qさま」の話や出演者の話、宮崎さんが選んだ漢字のエピソードや漢字ドリルなど、あまりに手を広げすぎていて、どんな人に読んでほしくて作ったのかな、と首をかしげてしまった。番組ファンということなのだろうか。
確かに、漢検の上位級合格を目指す人だけをターゲットにしたら、人数が少なすぎて採算が合わないのかもしれない。だが、漢検1級受験のノウハウは準1級までに比べて極端に少ないので、もっと情報が欲しい人は多いのではないだろうか。


とはいえ、有益な情報もいくつかあった。
まず、番組中で少し紹介された宮崎さん手作りの「自分辞書」。ノートに大きな字で書かれたものだったのだが、そこに至る経緯と作り方が載っていた。
そして、「問題集だけやっていても間に合わない」というロザン・宇治原さんのことば。私はこれが一番収穫だった。
準1級までは、問題集と参考書をきちんとやれば、その中から問題が出る。しかし、1級は種類が全然違うのだ。私が「このまま受けても…」と思った理由はそこにあった。
宮崎さんは、お仕事で平家物語のナレーションをされたのでそこで漢字を覚えたり、他にも「三国志」や夏目漱石*2をサブ・テキストにしたそうだ。

また、実際とは違うが、宮崎さんの経験から考えた「理想のスケジュール(準備期間6ヶ月)」も載っているので、参考になると思う。


ほかにも、漢字を機械的に暗記するだけでは飽きたらず、その漢字が意味するものを調べて回った*3、というエピソードは重みがあった。確かに、機械的に覚えたものは記憶が弱いのだ。エピソード記憶というか、実際に何を指すのか知っていれば、記憶の定着率は高くなる。しかし、1級の範囲は6千字。それを多忙な中1年弱でやってしまう宮崎さんは、やっぱりすごいと思った。


もし可能なら、もう1人の合格者、シンデレラの畠山さんの勉強法もあわせて、1級合格のためのノウハウ大公開、という本を出してほしい*4

「Qさま」が好きな人、漢検の上の級に興味がある人は読んでみると面白いはず。準1級・1級受験が目的の人は、使えるのは3分の1程度ですが、このお値段なので割り切って買っても役に立つと思います。

*1:本当に箸にも棒にもかからないレベルでした…

*2:漢語がたくさん出てくるからだそうです

*3:ある植物を実際に見るために、ロケ先で植物園にまで行かれたそうです!

*4:9/8追記:実はこの記事は9/3、旅行前に書いたもの。この日のスペシャルで新たに女優・村井美樹さんも漢検1級に合格されてましたね。ぜひ3人連名で1級必勝本を作ってほしいです