自転車ツーキニスト・疋田智さんとの共著でおなじみ、ドロンジョーヌ恩田さん(通称ドロン女史)の待ちに待った女性向け*1の入門書。
「そうそう!それが聞きたかったの!」が満載の本だ。
「面白くてためになる」見本のような本だが、今回もプライバシーをさらけ出す内容になっていて、「大丈夫なの?」と心配してしまった*2。
ドロン女史はご主人がいきなり本格的な自転車を買ってきたことがきっかけで乗り始めた人なのだが、それ以前は健康面も外見の面でもかなりひどかったそうだ。太っていて20代(当時)なのに老けてみられたり、喘息持ちでしょっちゅう救急車で運ばれたり。それがロードバイクにはまってからは一気に改善!
という劇的な変化を裏付けるためとは思うが、何とビフォー写真が載っている(P135)*3。さらに、血液検査の結果まで!確かに、ものすごく説得力があるが、このあっけらかんとしたオープンさには恐れ入った。
自転車の種類や買い方、必要なツールやウェア、乗る時の注意点からツーリングの必携アイテムまで、入門書として必要なことはすべて網羅している。その上で、なかなか他の本には載っていない情報が充実している。
ドロン女史のトレードマークにもなっているスカートについて、日焼け対策やメイク方法、美しく見えるヘルメットのかぶり方に季節やシーン別のファッション、さらには“サドル問題”*4まで、まさにかゆいところに手が届く内容だ。まだまだ女性の少ない自転車界、女性用のアイテムはなかなかないそうで、他のスポーツウェアを上手に流用しているなど、ヒントもたくさんある。ドロン女史のカバンの中身や愛車遍歴(その数何と6台!って、自転車乗りにはフツーのことかもしれません…)など、ファンにとってうれしい情報も。
しかし、女性にとってもっともインパクトがあるのはカラダの変化(外見・中身編)だと思う。体重の減り方、血液検査結果の下がり方を見れば「乗ります!今すぐに!」と言いたくなる。食べたいものを食べて体脂肪率17%前後、カラダ年齢が18歳、髪も肌も元気になり、しかも平熱が高くなった、といいことずくめ。
ドロン女史はヒルクライムというハードな種目のレースに出たりされているので、ちょこちょこ乗るだけでここまでの変化はないかもしれないが、それでも、楽しく乗って美容にも健康にもいいならこんなに素晴らしいことはない。
ご自身はやせようとしてジョギングをしたけど続かなかったのが、自転車なら楽しいから乗っているだけでこんなに付録がたくさんついてきたそうだ。走るのが苦手でも自転車は続けられる人もいるんだ、というのは朗報だと思う。
この本にはドロン女史恒例の下ネタが限界まで排除されているので、そこが好きな人には少しもの足りないかもしれないが、自転車に興味はあるけど何から初めていいかわからない人にはぴったりの1冊。また、恋人や奥様に自転車に乗ってほしい男性は、ぜひプレゼントしてください。かなりの確率でその気になるかもしれません。