毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

アイデアを形にするコツがわかります☆☆

著者の山田真哉さんは、公認会計士でありながら『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』など、斬新な発想の本を次々と出版し、いずれもベストセラーになっている人だ。その発想法を公開した本、とビジネスブックマラソンで絶賛していたので読んでみた。確かに、なるほど、と思う本だった。
ビジネスブックマラソンの紹介記事はこちら


著者自身の言葉によれば、著者はもともと目のつけどころがすぐれた人ではなかったそうだ。それを自覚したのは中学の時だそうで、それ以来これは、と思う人のやり方を盗んできたという。
もちろん先天的なセンスの持ち主はいるが、もし才能がなくても学ぶことで身につけることは可能なのだ。
この本では今まで著者がストックし、使ってきたものが公開されている。この方法を身につければ、「斬新なアイデア」と「キレのいい発言」が自分のものになるという。私は前半の「アイデア」の方に特に興味を持って読んだ。


マトリックスフレームワークを深めた著者の「黒十字アイデア法」が非常に使いやすそうだ。この方法を使ってタイトルを決めたという『女子大生会計士の事件簿』のネーミングの例も面白い。
また、図化する能力も最近いろいろなところで言われているが、この本を読んでなぜ「図が描ける人=優秀」なのかがわかった。余談だがマインドマップはこの意味での図化ではなく、他者への説明には使えない、という説もとても納得できた。


違う視点を持つことはできても、そこからアイデアを生むのはまた別の力だと思う。“その先”をどう扱うか、を教えてくれる希有な本。著者はまずは3つ、この本の中から実行するようすすめている。
現状を打破したい人はぜひ読んでみて下さい。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

同時にたくさんの視点から考える方法(P27)

(ある有名なコピーライターに教えられた方法)
印象的だったのが、新しい商品を考える、あるいは売り方を考える時に、スクランブル交差点をイメージするという話だ。
スクランブル交差点に立つと、こちら側にも向かい側にも人がたくさんいる。そのひとりひとりの気持ちになって考えるのだという。ギャル、おっさん、おばちゃん、OL、子ども、おじいちゃん、それぞれの気持ちになってみてどうか、と考える。

気持ちから考えるのをやめる(P27)

…言うのは簡単だが、人の気持ちになるというのはなかなかむずかしい。
だから、気持ちから考えるのをやめる。そうではなくて、「立場」や「役割」から考えてみるといい。

分析とは、視点を増やす作業である(P56)

と同時に、世界を広げる作業である。
(中略)
分析とは、大局をつかむためのものである。
複雑な形をした大きな彫刻に、ひとつの光ではなく、様々な方向から光を当てて全体像を浮き上がらせる、そんなイメージに近い。
いろいろな視点からものごとを考えるのが分析だから、分析は世界を広げるものであるはずだ。

よい目のつけどころにたどり着くためには(P72)

リストアップした視点から軸をとるのがいい。
たくさん増やした視点から、これだと思うものを選んで、軸にしてみる。そうすることで、人とは違うよいアイデア、よい目のつけどころが見つけられるのだ。
…さんざん「視点を増やそう」と言ってきたのは、軸にするためだったのである。

著者が用いる視点(P73)

1.硬派か軟派か
2.総論か各論か

黒十字アイデア法とは(P79)

まず最初のアイデアがどの事象に位置するかを定め、そこから、それぞれの事象に振って考えるという、非常にシンプルな発想法なのである。

「黒十字アイデア法」のメリット(P80)

1.まずは、「硬派・軟派」「総論・各論」ふたつの軸で事象を分ける
2.もともとの案が、どの事象に位置づけられるかを定める
3.その事象から、残りの3つの事象に、それぞれ振って考える
4.出た案から、最もふさわしいものを選ぶ
(中略)
ひとつ目のメリットは、もともとの素案がどの位置づけになるかを考えることで、頭が整理されることだ。
ふたつ目のメリットは、次にやるべきことが自動的にわかることだ。
3つ目のメリットは、人に見せられるということだ。

意見を言う時は(P95)

何はともあれ、「感情を交えず、具体的な理由をあげる」ということを徹底する。

情報格差は有効に利用する(P115)

あらゆるところに情報格差が存在しており、これを効果的に使うことによって権力を持つことができる。
悪用は当然よくないが、情報格差という概念は意識しておいた方がいい。
なぜか。それは説得力に応用できるからだ。
たとえば、自分だけが知る情報をつくれば、そこに情報格差が発生する。そして、相手にその情報を提示すれば、そこに説得力が生まれるのだ。

つまらないのは、自分の感度のせい(P150)

どこかに必ず感動できるポイントがあるはずで、それを見つけるために日常は存在しているのだという姿勢でいれば、ふだんの景色から、「目のつけどころ」のヒントがおのずと飛び込んでくるはずだ。