毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

人生を丸ごとノートに残す☆☆☆

先にトークショーの話題を書いてしまったが、その時の主役だったのがこの本。奥野宣之さんのノートシリーズ3冊目にして完結編*1ライフログを残す方法を教えてくれる。はじめに思っていた以上に、ライフログノートはいろいろと使えそうだ。


まず、なぜ行動記録を取り続けるといいのか。人の記憶には限界があり、どんどん忘れてしまう。せっかくの体験やノウハウを残さないのはもったいない。さらに、その時の空気や雰囲気、生々しい感覚はアナログでしか残せない。データはデジタルで残せるが、手触りのようなものはノートに残すのが一番だそうだ。また、それを読み返すことで自分の積み重ねてきた時間を感じて自信になったり、過去の自分からヒントをもらったりできる。

具体的には3つのステップで考えるといいそうだ。

ステップ1…書く   自分の生活や時間の流れを目に見える形にする
ステップ2…貼る   ノートをビジュアル化してより楽しめるようにする
ステップ3…読み返す 過ぎ去った時間と成長の実感を作り上げる (P53)

具体的に読み返すコツも詳しく説明してあり、これなら書きっぱなしにせず、ライフログを活用できる。


“貼る”プロセスは実際の奥野さんのノート写真もふんだんに載っていて面白い。「こんなものも貼るの?」というようなものもたくさんある*2。特に旅行の時など、とっておきたいけどどこにしまうか悩むもの、結局あとで捨ててしまうものもライフログノートに貼れば生きてくる。スクラップブック+コメントでいいんだ、と考えれば気楽に取り組める。


気になるのは、今までの「情報」や「読書メモ」をどう扱うのか、ということ。もちろん、1冊のノートに全部書くのだ。時系列で書けばたどり着けるそうだ。それにはアクセスをよくする必要があるが、その方法も紹介されている。

これはもう、壮大な「自分本」作りであり、「自分史」を編纂するようなものだ。そして、過去の自分と対話できるツールでもある。私も経験があるが、書いて読み返さなければ何年も同じことを考えていたりする。考えているだけでは成長しないのだ。そのためには、その都度ノートにアウトプットし、視覚化しておくこと。


たくさん並べられたノートに励まされることも多いそうだ。コツコツ自信を貯金する意味もあるのだろう。
イデアというのはメモしないとあっという間に消えてしまうので、こんな風にきちんと受け皿をシステム化しておけば、そして折に触れて読み返す習慣があれば、ひらめきを最大限活用できると思う。

楽しそう、と思った方はぜひ読んでみてください。続ければきっと自分の力になります。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

スケジュール帳との違い(P30)

最大の違いは、「予定」ではなく「済んだこと」を書いていく、という点です。
(中略)
…「ライフログノート」には、今済ませた行動、今買ったもの、今読んだ本、今聞いた話など。「過去のこと」を書いていきます。

面白いノートにする(P58)

ライフログノートは、「行動記録」の文字だらけにしないよう、紙片を貼ったり、スタンプを押したりしながら、ビジュアル的な要素を常に加えていくようにしましょう。こうすれば、より「空気」を感じる面白いノートになります。

自分で考え、自分の言葉で語れるようになる(P67)

最近は、政治家もメディアも、どこかで聞いたような発想しかできなくなっているとよく言われていますが、僕はその原因のひとつに「よそ様の意見を聞きすぎること」があると思っています。
(中略)
本やブログなどの他人のつくった情報だけでなく、自分が書いた記録、切り取った資料をきっちり取り込んでいくようにすれば、自分の考えを長い期間かけて、深めていくことができます。

特別なノートは特別な時に(P90)

ふだんは、消耗品としての大学ノートをガシガシ使って、長い旅行に出た時や昇進や引っ越しなどの生活の変化があった時に、心機一転、買い置きしておいた「とっておきのノート」を使うというのが僕のおすすめです。

WHYとHOWを重視する(P102)

「なぜしたか」、「どんな風に」、「どれだけ」を意識して書く

時間情報は「までログ」「いまログ」「からログ」で(P106)

前のメモから今までにやったことを書く場合は「まで」
今この瞬間の状況や、していることを書いておくには「いま」
これから始まる(始める)ことを書く場合は「から」
を時刻のあとに付けておく。

「区切り線」を使い分けて情報量を増やす(P112)

1冊のノートに時系列で書いているため、行動記録の間にいろいろなメモや資料が入ってくるわけです。
(中略)
ただ、ずらりと文字や資料が並んでいるだけでは、「切れ目」がわかりにくいので、「区切り線」を使います。
…ページの左端から右端へ横線を1本引いておきます。
(中略)
僕は、朝起きて、昨日寝た時間や朝食に食べたものを書いておく時、二重の区切り線を引いておくことにしています。日付(睡眠)をまたいだことを示しているわけです。
二重線だけでなく、週が変わった時波線を使うなど、複雑になりすぎないように、「区切り線」を使い分けてもわかりやすいノートを作ることができます。

「割り付けプリント」で1日の流れを残す(P121)

「割り付けプリント」とは、通常のサービス版(文庫よりひとまわり小さいサイズ)に複数の写真を入れた印刷方式のことです。家電量販店やコンビニなどにあるデジカメプリントの機械で簡単に出力できます。
(中略)
…僕は1枚6画像か8画像をよく使っています(※訪問場所ごとに2枚ずつ選ぶ、午前と午後に3枚ずつ選ぶなど、写真の選び方にも工夫すると、よりその日の印象を残しやすくなる)。
(中略)
大量にプリントすると、貼ったり整理するのが大変ですが、割り付けプリントなら大量の画像が数枚に収まって、しかも料金も安く上がります。

読み返すことで過去の自分と直面する(P177)

自分ではない別の人間が書いたように感じられるとは言っても、過去のノートに書いてあることは紛れもなく「かつて自分が体験したこと」「かつて自分が書いた考え」です。どこかの偉い人が書いた人生訓や名著より、格段に受け入れやすい。
過去の自分を見て、自分で変化に気づいてしまったら誰のせいにもできない。
自分はこのままでいいのか、ということを考えざるを得なくなる。
「読み返し」は、変化の方向を「風まかせ」から、目的の方向へ向かうようにと手を加える、チューニングの機会になるわけです。

読み返すとテンションが復活する(P186)

仕事でも家事でもそうなのですが、テキパキと物事を進められる能動的な気分、つまり「テンション」を保つのはむずかしい。
そんな時、どうするのかというと、ライフログノートの読み返しがきくのです。昨日や1週間前といった比較的近い記録を読み返すのは、テンションを復活させる効果があります。

マーキング――読み返しを作業にする(P192)

読み返しのコツは、目だけでなく手を動かす「作業」にすることです。
・時間マーキング
時間が視覚的にとらえられるように、マーキングします。
僕は、蛍光ペンを使って、1日の切れ目の「区切り線」を強調したり、毎月1日のページの端を塗りつぶしておいたりして、ノート上で直感的に時間の流れがわかるようにしています。
(中略)
抱えている仕事がたくさんあって、「○日前の行動記録をさっと確認したい」という人には…フィルム付せん「ポストイット・ジョーブ」で、日付ごとに辞書のような「ツメ」を作ってしまうのがおすすめです。

システムで定期的に読み返す(P200)

習慣化して欲しいことに、1日の終わりに、その日の行動記録を読み返すことがあります。
(中略)
友だちには、金曜の夜に1週間の行動を振り返ることを習慣にしている人がいます。
(中略)
1日の終わりに読み返す以外では、僕は、ライフログノートを使い切って「代替わり」するタイミングで、いったんノートを最初から最後までめくってみることに決めています。

目印や符丁に使えるOA・手帳用の「目印」シール(P234)

イデアを書いたところには赤のシールを貼っておく、本の感想を書いてあるところには緑のシールを貼っておく、という風にサインとして使えば、あとでノートを読み返す時にも頭の中で整理しやすくなるでしょう。
(中略)
このページは重要だ、というところには、ページの角に貼って目立たせるようにできる「エーワン・ポータブル」などの手帳用シールを貼ってみると、カラフルなノートを作ることができます。

*1:編集者の市川有人さんによれば。ただし評判がよければ4冊目が出る可能性もありそうです

*2:買った本の帯や補充カード、お酒のラベルやおみくじまで!