広告に関する衝撃の事実、それは「広告は通信販売に学べ!」だった。著者はアメリカの広告界で長年活躍した人で、もちろん「ジャパネットたかた」の名前はここには出てこない。しかし、読み進むうちに、「そうか、ジャパネットたかたの広告のやり方をお手本にすればいいんだ」と思った。他の通信販売会社でも、百貨店などの広告でもいい。
人を惹きつけ、購入につながる広告を作るためのポイントは次の5つ。
- どう言うかより、何を言うかの方が大切
- 読み手の役に立つ情報を提供する
- わかりやすく、リズムのよいコピー*2を書く
- 短いコピーより、長いコピーの方が説得力がある
- 広告のあらゆる要素をテストする
広告と言われてイメージするのは、高級ブランドや車のおしゃれな写真とロゴだけとか、しゃれた見出しと短い文が少し、というものが一般的ではないだろうか。しかし、実はそれでは売れないのだそうだ*3。
ポイントはわかりやすいことと、読み手にとってのベネフィットが明確に伝わること。そのためには、商品に関する情報があればあるほどいいという。長すぎる文は避けられるのではないか、と思っていたが、実は逆なのだそうだ。見出しで引きつける工夫はいるが、興味を持った人は知りたいと思うと長いコピーでもすべて読むことが多い。
その結果、最大のお手本は「通信販売の広告」となる。商品がよくわかる写真と、商品に関する詳細な説明、買う時に気になる情報(価格、注文方法、カードは使えるか、返品できるかなど)などをわかりやすいレイアウトで示した通販の広告はヒントの宝庫だ。
最後の広告の「テスト」というのは、レイアウトや文字の大きさ、表現などを変えていろいろな媒体に出し、反応をみることだそうだ。このテストについてもこの本では懇切丁寧に説明してあるので、必要な人には素晴らしいバイブルになると思う。
ホームページを持っている人や、たとえばブログでも「どんな風に書けば興味を持ってもらえるのか、どんな文字でどう言うレイアウトにすれば伝わりやすいのか」という面では非常に役に立つ。
最高の「人に伝える方法」がたくさんの実例とともに紹介されているので、何かを伝えたい人すべてに一読の価値がある本。
高価で非常に分厚いので尻込みする方も多いと思いますが、横書きなのと実例が多いので意外にスイスイ読めます。