毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

広告は「ジャパネットたかた」に学べ!☆☆☆

この本の初版は1932年。80年近くも読み継がれ、しかも結果を出し続けてきた本だ。神田正典さんがこの原書を読み込んで仕事に活かしたと聞き*1、読んでみた。広告に関わる仕事でなくても、人の注目を集めるための方法が満載で、誰にでも役に立つ本だと思う。


広告に関する衝撃の事実、それは「広告は通信販売に学べ!」だった。著者はアメリカの広告界で長年活躍した人で、もちろん「ジャパネットたかた」の名前はここには出てこない。しかし、読み進むうちに、「そうか、ジャパネットたかたの広告のやり方をお手本にすればいいんだ」と思った。他の通信販売会社でも、百貨店などの広告でもいい。


人を惹きつけ、購入につながる広告を作るためのポイントは次の5つ。

  1. どう言うかより、何を言うかの方が大切
  2. 読み手の役に立つ情報を提供する
  3. わかりやすく、リズムのよいコピー*2を書く
  4. 短いコピーより、長いコピーの方が説得力がある
  5. 広告のあらゆる要素をテストする


広告と言われてイメージするのは、高級ブランドや車のおしゃれな写真とロゴだけとか、しゃれた見出しと短い文が少し、というものが一般的ではないだろうか。しかし、実はそれでは売れないのだそうだ*3


ポイントはわかりやすいことと、読み手にとってのベネフィットが明確に伝わること。そのためには、商品に関する情報があればあるほどいいという。長すぎる文は避けられるのではないか、と思っていたが、実は逆なのだそうだ。見出しで引きつける工夫はいるが、興味を持った人は知りたいと思うと長いコピーでもすべて読むことが多い。

その結果、最大のお手本は「通信販売の広告」となる。商品がよくわかる写真と、商品に関する詳細な説明、買う時に気になる情報(価格、注文方法、カードは使えるか、返品できるかなど)などをわかりやすいレイアウトで示した通販の広告はヒントの宝庫だ。

最後の広告の「テスト」というのは、レイアウトや文字の大きさ、表現などを変えていろいろな媒体に出し、反応をみることだそうだ。このテストについてもこの本では懇切丁寧に説明してあるので、必要な人には素晴らしいバイブルになると思う。


ホームページを持っている人や、たとえばブログでも「どんな風に書けば興味を持ってもらえるのか、どんな文字でどう言うレイアウトにすれば伝わりやすいのか」という面では非常に役に立つ。
最高の「人に伝える方法」がたくさんの実例とともに紹介されているので、何かを伝えたい人すべてに一読の価値がある本。

高価で非常に分厚いので尻込みする方も多いと思いますが、横書きなのと実例が多いので意外にスイスイ読めます。

*1:この本(日本語版)は神田さんが監修されています

*2:この本では、広告のいわゆる“地の文”をコピーと呼んでいます

*3:すでにブランドを確立している場合や、伝えたいことが適切な写真で表現されている場合は別