毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「消費者」が一番求めているものは何か☆☆

著者はハーバード・ビジネススクールの教授。マーケティングが専門だが、いわゆる専門書・ビジネス書的な本ではない。分類できない、人間味あふれる読みものと言えばいいだろうか。


現在成功している企業をさまざまなタイプに分け、その成功理由を著者独自の視点で解説したもの。Google、IKEA、ハーレーダビッドソンレッドブルなどブランディングに成功しているものが例に挙げられているのでわかりやすい。

現在のマーケティングは行き詰まっているという。差別化を追求すると同一化してしまう、という皮肉な状態に陥っている。消費者が本当に求めているものは何なのか、そこにたどり着くための考え方を例を挙げて説明しているところが今までのマーケティングの本にはない、斬新な視点だと感じた。


ただのマーケティングの本ではなく、もっと深い人間の本質に触れる本だと思う。“人は長所を伸ばすよりも欠点をなくして標準化することを選ぶ”など、人生にも使える学びが多くある。

マーケティングに興味はあるけどむずかしい本はちょっと、という方や、データ分析中心のマーケティングに疑問を感じている人、また商品や個人のブランド構築を考えている人にもぜひ読んでほしい1冊。
私のアクション:本質的な自分のよさを追求する


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

少ないことの価値(P97)

選択肢の海で溺れそうになっているからこそ、それらが取り除かれると、解放された気分になる。顧客サービスで窒息しそうな時こそ、放っておかれるのをありがたいと感じる。「もっともっと」が当たり前になっている時こそ、少ないことの価値が生まれる。

歳を取らない秘訣は(P152)

動く標的であり続けることだ。…私たちは少しの安定と同時に、動きを必要としている。じっとしていると精神が鈍ってしまう。時には子ども時代のようにハメを外し、心を躍らせることも必要だ。

世界をどんな時にも意外な視点から眺めるコツ(P157)

「僕が自由でいられるのはね、常に100%完璧でなくてはならないとは思っていないからさ。僕のゴールが完璧であることだったなら、僕は世界にはほとんど貢献できないだろう。その代わり、僕がやろうとしているのは、僕が見つけられる一番面白い2%を探し出すことだ。そして、そこからしか得られないような視点を提供する。秘訣はね、誰も目を向けないような面白いことに絶えず興味を持つことだ」(著者が大学院生の時のアドバイザーの言葉)

イデアを育てるコツ(P164)

…私たちはすぐにルールを決めた。…発言はポジティブなもの、黒板に書かれた案に対する建設的な意見に限定することにしたのだ。
(中略)
たとえ数分であろうとも、疑ってかかるという選択肢を除外すると決めるや、面白い現象が生じる。あり得ないことをあり得ることに変えるチャンス、型破りのアイデアにほんの少し花開くチャンスを与えることになる。
(中略)
イノベーションを実現する組織を目指すならば、不信感をしばらく平気で棚上げできなくてはならない。あるいは、型破りなアイデアに対して、懐疑的な脳が異議を申し立てる前に、少し呼吸する時間を与えなくてはならない。

野球ファンと同じように、製品にアプローチしよう(P168)

統計は重要だから、試合を数字だけで見るのは、その本質を見落とすようなものだ。

差別化は手段ではない(P170)

差別化は、考え方なのだ。姿勢であり、取り組みであり、人とのかかわり方なのだ。目新しいだけの方法ではなく、重視し、尊重し、祝福できる方法で人と関わることだ。

未来学者ジョン・ネスビッツのことば(P175)

情報社会においては、情報が溢れているがゆえに直観がますます重要になる。