図書館で借りて読んでみたところ、想像を超えてはるかにスケールの大きな話だった。
いわゆる「スピリチュアル本」の範疇に入るので、ここで紹介していいものか迷ったが、東日本大震災後の日本を考える上で知っておくといいこともあると思い、書くことにした。
著者は湾岸戦争の危険な時期に、急に思い立ってバクダッドを目指す。そして、廃墟となった遺跡で地球上で最古の文明、シュメールの神官を名乗る人物に出会う。この本に書かれているのは、その人物が教えてくれたさまざまなことだ。シチュエーションは荒唐無稽で、信じられないという人も多いと思う*2。
だが、内容は不思議に説得力があるのだ。
宇宙のリズムはすべて1/16で成り立っており、地球もそのリズムに則っている。実は文明はそのリズムで栄える場所も時代もきちんとした法則性があるという。具体的には1611年ごとに22.5度ずつ動いていく。実際に著者が調べてみたところ、古くはインダスやエジプト文明からすべて、この法則性に沿っていたそうだ。
そして、このポイントは実は東回りと西回りのふたつがあり、ポイントは地球の裏表の位置になるという。このふたつは鏡の関係にあり、800年(1611年のほぼ真ん中)で栄える側と衰退する側が入れ替わるのだそうだ。
ここからが日本人にとって重要な点だが、現在のポイントはロンドンと日本の東経135度線上にあり、800年のポイントが入れ替わったのは1995年、つまり阪神大震災の年だったのだそうだ。ロンドンはこれから衰退に入り、日本は栄えるリズムに入るという。135度線の場所がこれから世界の中心になる、と著者は聞いたのだ。このあたりのページには鳥肌が立つようなことが書いてある。
サブタイトルにあるロスチャイルド…というのは、この“ロンドン”の説明から来ているものだろう。
ただし、この本の真価はそこではなく、後半に展開される宇宙の法則・リズムに関する記述にある。
宇宙のありとあらゆることが、この1/16のリズムで説明できる。宇宙はどんなしくみになっているのか、時間の概念とは、という説明は、理科の苦手な私にはむずかしかったが、おそらく量子力学にも通じるものだと思う。ひとつひとつに整合性があり、整然と説明できてしまうところがすごい。こじつけや無理がないのだ。
そこから来る、私たちにとっては「哲学的」な言葉も心に響く。今まで論理的に説明できずにモヤモヤしていたもの*3が、非常にすっきりした。
この世の仕組みが知りたい人には必読の1冊。意味がわかっていると、きっと生きやすくなります。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
捨てる意味(P222)
あなた方は今までの文明の古い要素をいさぎよく捨てなければならない。捨てれば捨てるほど、あなた方は新しい躍動を手に入れることができる。
(中略)
現代のあなた方は何でも溜め込もうとして、それが宇宙のリズムを滞らせる結果をもたらしている。各節目にあたって常に捨てることを心がけるだけでもあなた方の人生は向上する。これを怠っていると、宇宙は強制的にすべてを空にさせる状況を与えるようにできている。それは宇宙のリズムバランスを取り戻すための働きなのだ。
宇宙のリズムに合致した努力が大切(P229)
宇宙のリズムに合致した努力は、必ずあふれ出るように使命感や躍動感、爽快感を伴うものだ。それらが感じられない取りよく、いかなる努力であろうとも宇宙のリズムからはずれている。
思念は舞い降りるもの(P230)
思念というものは、心が空白でありさえすれば、必ず各人にもっとも必要なものが与えられるようにできている。自ら作り上げるものではないことを、あなた方は知らなければならない。
真の本質につながる(P316)
人間は、真の本質につながらない限り、才能も自信も生まれはしない。誰かにほめられて自信がついたり、逆にけなされて自信を失ったり、外界に左右される不安定な自信は、宇宙から切り離された自尊心に過ぎない。しかし、巨大な愛から生まれるそれは、ゆるぐことのない宇宙の意識そのものだ。