毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

齋藤先生にナビゲートしてもらう教養の世界☆☆☆

勉強力
勉強力
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齋藤 孝
海竜社 (2009/11)
¥ 1,050

これも齋藤孝先生の本。いったいどれだけ著書を出されているのかいくらファンでもちょっとわからないくらいだが、この本はビジネスブックマラソンで紹介されていたので読んでみた。装丁も非常にシンプルで簡単に読めそうな本だが、タイトルからイメージするのとは違う、深い世界が広がっていた*1
ビジネスブックマラソンの紹介記事はこちら

この本の「勉強」とはイコール教養を身につけること。そして、著者のお薦めは古典に親しむこと。

教養を身につけるための勉強こそが、ビジネスパーソンとしての資質に必要不可欠です(P22)。

というのがこの本のスタンス。
なぜなら、

教養、学問はすべからく、物事を“メタ視点”で捉える認識力を鍛えるものです(P27)。

著者が考える、仕事ができる人に欠かせない能力は
「全体の流れを見通して、自分が何をするべきかを考えられる能力」
なのだそうだ。
それは自分の仕事を上から俯瞰する(=メタ認知)ことができる能力、いわば携帯のGPS機能のようなものだという。

実はこの概念は古代ギリシアにすでにあった概念であり、論語にも書かれているそうだ。それが自分を知ることであり、「知」と「無知」を知ることでもある。
大切なのは、もし本を読んで得た知識を忘れてしまっても、「知」と「無知」の境界線を見続ける能力そのものは残ることだ。身につけた考え方は残るので、それがGPS機能として役に立つ。

教養くらいないと、という考え方はひと昔前にはあったが、そこにこんな深い意味があったとは知らなかった。仕事の能力に直結するなら、古典を読んでみたいと思う人も多いかもしれない。
だからこその“ニーチェブーム”なのかも。


この本の対象は35歳以上。ひと通りの人生経験も積み、人生も半ばになってやり残したことや新たにやりたいこととして教養を身につけよう、というコンセプトだ。
なので、ハードルはかなり下げてある。取っつきやすい本として対談本や雑誌を紹介していたり、入り口をまず決めてそこから芋づる式に深めていく方法など、今さら勉強なんて、と尻込みしている人にもちょっとやってみようかな、と思わせるような内容になっている。文系でも読める理系の本や、35歳からの英語との関わり方などもあり、ひとつくらいは取り組めそうだ。

文中に教養ナビゲーターを持て、という話が出てくるが、まさにこの本では著者が教養を身につけるためのナビゲーター役をしてくれる。実際にされている方法ばかりなので安心だし、具体的なのもありがたい。
著者がたくさんの本を紹介してくれているのも魅力的。


「教養と言われても…」ととまどっている人、実用書や専門分野の本は読むが、古典は何を読めばいいのかわからない、という人には最高の入門書。

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

生きる上で重要な3つの要素(P8)

「真」「善」「美」

頭を柔らかくする方法(P36)

方法はおもにふたつ、経験を積むことと、たくさん勉強をすることです。
(中略)
ただし専門分野の経験・勉強だけでは、どうしても視野が狭くなってしまいます。そこを補うのが、教養を身につけるための勉強であり、経験なのです。分野を超えた「視点移動力」がつき、より柔軟な思考から発想することが可能です。

福沢諭吉福翁自伝』を読んだ感想の例(P71)

福沢諭吉漢書を読んでいて、『喜怒色に顕(あらわ)さず』という一句にハッとしたと書いていたな。これは金言だと、以来この教えを守って、ほめられても表面ではほどよく受けて心の中では決して悦ばず、軽蔑されても決して怒らなかったと言っている。誰に対しても、何があっても、感情は表に出さない方がいい」

注はあった方が読みやすい(P134)

本というのは一見すると、注がない方がすっきりしていて読みやすそうに思うかもしれませんが、実は逆。著者が横にいてナビゲーターになってくれる注がある方が、非常にわかりやすい場合が多いのです。

雑誌の「1冊丸ごと特集」は入門書に最適(P149)

ただし、雑誌の中には「総力特集」などと銘打っておきながら、実際には10〜20ページくらいの浅い記事でお茶を濁しているものもあるので、注意が必要です。

教養ナビゲーターを持つ(P166)

自分が興味を持ったテーマに関しては、たいていの場合、“先行者”がいます。
(中略)
そういう人の中でリスペクトできるのは誰なのかという観点から、まず自分にとっていい教養ナビゲーターになってくれそう人を決める。そして、その人の研究の足跡をたどるように、勉強してみる。

楽しむことが大切(P198)

「これを知る者は好む者に如かず
 これを好む者は楽しむ者に如かず」
孔子の言行を収めた『論語』に、こんな一説があります。これは勉強について語った言葉で、「何かを知っている人よりも好む人、好む人よりも楽しむ人の方が勝っている」ことを意味しています。

*1:ビジネスブックマラソンを読んで探書リストに書いてからかなり時間が経っていたため、内容をすっかり忘れていました…