毎日「ゴキゲン♪」の法則

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数字から見た「がんのリスク」を下げる生活☆☆

著者は予防医学が専門の医師だ。以前、2冊読んでこのブログでも紹介したことがある。この本でも同じような手法で、文献やデータからがんのリスクを下げる方法を検証している。具体的にどんなことをすればいいのか、興味を持って読んでみた。


あくまで論文やデータから検証したもので、著者自身が確かめたわけではない。よく聞くがんにならない方法(例:焦げたものは食べない、禁煙する)もあれば、何それ、というものまで(例:浮気をしない)さまざま。


ただし、やはりデータを扱う時に著者の見解も多少は入ってきているようだ。
たとえば、運動習慣と長寿の関係を調べた研究で、「強い運動をするほど長寿」という相関性が認められたというデータがある。これは何度か別のところで目にしたので、かなり有名な調査なのだろう。

しかし、著者はもともと体が丈夫で健康だから激しい運動ができたのかもしれない、と結論づけ、ジョギング程度でもがん予防には逆効果、としてウォーキングを勧めている(フリーラジカルがもっとも発生しにくい運動というのがその理由)。
この結果からまったく逆の結論を導いている本もあったので、データをどう扱うか、そこから何を読み取るか、という問題になってくる。
この本に限らず、書き手の意図はどこにあるのか、数値から導き出される結論はそれで正しいのか、見るくせをつけた方がよさそうだ。


食塩の摂取量も粗食の幕内さんの本とは逆の立場を取っている。それも、即減塩しょうゆや減塩塩みそを使うよう勧めるかなりの急先鋒だ。
私は粗食の本を読み、心から納得した*1ので、みそやしょうゆは昔ながらの製法のものを使っている。
いろいろと調べて、自分はどの説を信頼するのか鵜呑みにせずに考える必要があると思う。

ただ、データから検証するという手法が徹底しているので、非常に淡々と結論が述べられていて、不安をあおったり、感情的なところがない分読みやすい。テレビなどで過剰に報道されていた“健康の常識”が正しいかどうか、この本で冷静に読んでみるのもよさそうだ。
とはいえ、どの説を信頼して、どの説を採らないのかは自己責任でお願いします。


タイトルの「8割防げる」の“8割”の根拠は「どんな努力をすれば、がんが何パーセントくらい減るのか」というひとつひとつのデータを積算するとおよそ80%になるところから来ている。何をすればどのくらい下がるのか、興味のある方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:野菜と果物を積極的にとる
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

がんにならない生き方16ヵ条(P223)

  1. 主食に玄米か、または全粒粉で作ったパンをとり入れる
  2. 野菜・果物を多くとる
  3. 牛肉と豚肉を減らし魚にする
  4. 塩分をできるだけ減らす
  5. 油は植物性にする
  6. ラベルをチェックし、添加物の少ない食品を買う
  7. 同じ食品を毎日食べない
  8. 魚は皮をとる、野菜・果物はよく洗う、洗剤は(野菜・果物の洗浄に)使わない
  9. 食品は焦がさないように調理する
  10. 肥満を解消する
  11. 自家用車をやめ、毎日45〜60分歩く
  12. 自分自身はもちろん周囲の人にも禁煙させる
  13. 日焼けをしない
  14. 浮気をしない
  15. (レントゲンを使う)がん検診を受けない
  16. 薬やサプリメントはなるべく飲まない

*1:日本で生活習慣病が増えたのは減塩を叫びだしてから。塩を減らすと保存のために添加物が増えるので、減塩は逆効果という説