もともとは進学系の雑誌(今は廃刊のようで詳細は不明)の連載をまとめたものなので、むむむ、と思いながら読んだ。
「勉強法」という言葉に反応したが、この本の言う「勉強」とは学校や受験の勉強のようだ。初出誌を見れば明らかである。
なぜ今この本を読む必要があるのか、自問しながら読んだ。当然のごとく、限りなく「10分間リーディング」に近い読み方。
今が現役受験生なら、少々役に立つかもしれない。常識とは違う話題が出てきたり、タイトルの通りちょっとしたことだが、面白いものの見方や視点も学べる。
ただし、雑誌に掲載されたのが1996〜2000年なので、脳の働きに関する記述などは、やや古さを感じた。
以前このブログにも書いたかもしれないが、ある経営コンサルタントが仕事の成果を上げるための方法として
- 書き出す
- 優先順位をつける
- ひたすらそれをやる
という指導をした有名なエピソードがこの本に出てくる(くわしくは下のメモをご覧ください)。
私は立ち読みでしか読んだことがなくてうろ覚えだったのだが、それが読めたのでよしとしよう*1。
私のアクション:「やることリスト」に再挑戦する
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
400メートル走で全力疾走を実現したプロセス(P95)
…まず、400メートルを100メートルずつ4つに区分し、それぞれを10メートルと90メートルに分ける。そして10メートルを全力疾走、90メートルは力を抜いて走る。これを4回繰り返すと400メートルになる。それに慣れたら、20メートルと80メートルにして、同じく全力疾走と力を抜いた走り方をする。次は、30メートルと70メートル、さらに40メートルと60メートルにし、やがて全力疾走90メートル、ついには99メートル、100メートルの全力疾走にこぎつける。
(中略)
勉強における集中持続も似たような具合にのばすことができる。はじめは、5分くらい一心不乱に勉強する。あと休む。それができるようになったら、集中を10分にのばす。できたら、20分にのばしてみる。だいたい、30分間くらいの集中継続なら、1ヶ月もすればできるようになるであろう。欲を言えば、もう少しのばして1時間くらいにしたい。それができるようになればしめたものである。
勉強に小脳を使う(P100)
(英単語の暗記は手が覚えてくれるようになるまで繰り返し書くのがポイント、の解説)
これは大脳の記憶ではなく、小脳の働きであるように思われる。すべての知的作業が大脳で行われるもののように考えるのが、ここ10数年来の常識のようになっているが、小脳のことを忘れてはいけない。手、口を動かすのは、すべて小脳による活動である。
練習は大事だ(P141)
(『論語』の冒頭、有名な句「子いわく、学びて時にこれを習う、また、よろこばしからずや」について)
学習とは、学んで習うことである。習うとは、学んだことをくりかえして学ぶこと。復習ではない。練習である。『論語』の昔から、そのことはわかっていたのに、世の中が進歩するにつれて、そして教育が普及するにつれて、反復練習こそ学習の真髄であることが忘れられるようになってしまった。
ある経営コンサルタントがした、USスチール社長・会長になった人物へのアドバイス(P135)
その方法というのはこうである。毎日、夜になったら、翌日、しなくてはいけないこと、したいと思うことを思いつくままに書き出す。これは簡単にすぐできる。
次に、重要なものから順位をつける。そして番号を振る。これはなかなかやっかいで、すらすらできるとは限らない。とにかく、こういう一覧表をこしらえて、翌日はそれに従って、大事なことから、普通なら後回しになりやすい、何となく抵抗のあることから、手をつける。それが済んだら、次に大切なことにかかる。そうすると、1日のうちに、重要な、意味のある仕事がずいぶんたくさんできる。
(中略)
※著者の実践している方法
1日がすむと、これ(=やることリスト)をながめながら夜寝る前に、日記をつける。
日記をつけるのを、たいそうなことのように言う人が多いが、過ぎてしまったことを記録するだけのことである。
*1:そろそろ途中でやめることも覚えたいところです