毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

理系の考え方から学ぶ☆☆

家族が借りてきた本。
常々書いているが、私は「ど」のつく文系で論理的思考が何より苦手。何かヒントになることはないかと思って読んでみた。


著者は東大を卒業後、東大教授からさまざまな経歴を経ているが、一貫して理系畑を歩いてきた人だ。「横浜サイエンスフロンティア高校」のスーパーアドバイザーもつとめている。
この本はそんな高校生を対象に書かれたものなので、理系の本によくあるとっつきにくさはなく、読みやすかった。

思考法なので、「こうすればよい」というような安易なハウツーではない。
頭のいい人はどんな風に考えているのか?という人の頭脳を見せてもらうような、不思議なおもしろさ。
ふだんよくやる考え方が理系的として紹介されていると無性にうれしくなった。

著者は1926年生まれ。そんな人生の大先輩が「成功者はこういう考え方をしている人が多い」と書いていると、とても重みがある。
私が受けた印象では、成功者はやはりバランスがすぐれているようだ。さらに、全体を見通す力があることが多い。


自分にはない見方を取り入れるチャンス。読みやすい文章なので文系でも大丈夫。自分は文系だから、と制限してしまう傾向のある人には、一読をおすすめします。
私のアクション:「音楽型」と「絵画型」の思考の切り替えを意識する


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「一を聞いて十を知る」とは(P20)

…「一」を聞いただけで、他の「九」が何もないところから生まれるはずはない。
本当は、聞いた“一”が、頭の中をさまよっていたバラバラな“九”をサッとつなげて“十”にまとまる(=十を知る)のです。

価値創造のための4大成分(P78)

1.人
2.情報
3.物質
4.エネルギー

理系思考の基本(P93)

「全体は部分からなる。部分は互いに影響を及ぼし合って全体を演出する」という「物事をシステムとして見る」考え方

キャップストーンのお告げ(P117)

※キャップストーン=ピラミッドの頂点にある四角錐の石。ピラミッドの命とされ、古代エジプトではそこに太陽神ラーの霊が宿ると思われていた。
頂上に置かれた瞬間にキャップストーンは神様になり、ただ積んであった膨大な石たちを組織・統括する“お告げ”を発する。つまり、システム全体に“魂”を入れる――基本理念をハッキリさせる――重要な石だというのです。
私は課題・問題を与えられた時、解決に進む心構えのかなめとして、この“キャップストーンのお告げ”――今考える目的は何か?その達成には何が一番大事か?――をハッキリさせる。「スタート」の時に「ゴール」までの道を見透かす。

理解するとは「2通りの説明ができる」こと(P153)

物事を理解したい時は、それが「要素にバラバラにできるか?」と「自分がよく知っている者に、たとえられるか?」のチェックが第一歩です。

寺田寅彦の教え(P161)

大河内正敏の回想より
「(寺田寅彦君は)誰に聞け、何を調べろ、何を読めというような手は駄目だ、何もせずに黙って考えろと言うのである。黙って睨めて考え込む、今日うまい考えが出なければ、寝ていて考える、目が覚めたらまた考える、毎日同じことを繰り返せという。」

オリバー・ゴールドスミス(イギリスの作家)のことば(P164)

「私たちのもっともすばらしい栄光は、決してくじけないことではなく、くじけるたびに、起きあがってくることにある」

成功者はだいたい楽観的だ(P165)

それは物事を狭く考えず、多くの隠れた可能性があると信じているから。失敗を決定的な物として恐れる人は、成功者

どんなよい考えでも、頭の中にとどめていては意味がない(P184)

それを人に伝えて共感・協力を得て、実際に目標を達成する。これで、考えが初めて世に出る。
そこでは、自分の“夢想”に、筋道を立てて、現実的な物語として鮮明に語らなければならない。

物事のとらえ方には「音楽型」と「絵画型」がある(P192)

「音楽型」は楽譜を読むように、端からひとつひとつ詰め、片づけてゆく。音楽は“時間芸術”なので、逐次的に(順を追って)情報を処理する。
一方の「絵画型」は、パッと見て全体を把握してから、考えるタイプ。
絵画は“空間芸術”だから、目から2次元、3次元の情報を一瞬で取り込む。

成功者は両方使い分けられる(P193)

「違う見方をしたい」と思った時に、「音楽型」の人は「絵画型」に、「絵画型」の人は「音楽型」に理解と好意を持って接すると、別の視点を得られるかもしれない。