『フィット・フォー・ライフ』で日本人向けの注釈をたくさん書かれていて、とても実用的な内容だった。さらに、和食でこの健康法を取り入れたい人向けとして自著『50代からの超健康革命』を紹介してあったのだが、地元の図書館になく、この本を読んでみた。『フィット・フォー・ライフ』とほぼ同じ内容だが、とてもわかりやすかった。
松田さんご自身が若い頃はさまざまな体調不良を抱えていたそうで、そのいきさつとナチュラル・ハイジーンとの出会いが第1章に書かれている。これを読むとそのビフォー/アフターぶりがすさまじく、それだけでちょっとやってみようかなという気になる。
最もすごいエピソードが、お母様と温泉に行った時、お母様が「いいですね、お孫さんと一緒で」と言われたそうだ。
実際にこんな病気も改善した、ということが(病名だけだが)書いてあるので、現在病気に悩む人にも恩恵になるかもしれない*1。
基本的には『フィット・フォー・ライフ』を踏襲した内容で、大きな違いはない。いくつか載っているレシピも同じものが多かった。
一番の違いは、『フィット・フォー・ライフ』に載っていた4週間のメニューとレシピ集がないことだ。ただ、このレシピはアメリカ人向けに書かれたもので量も多いし材料が手に入りにくいものがあり、そのまま作るのは難しそうな印象を受けた。基本的なレシピはこの本に載っているし、法則がきちんと説明されているので、それが理解できれば充分実践できそうだ。
同じ人が日本語にしたと言っても、やはり英語を日本語にするのと、はじめから日本語で書くのとでは読みやすさが違う。もし、これから読んでみようという方は、この本で充分だと思う。
シンプルに言えばこの方法は、「食べるべき時間に食べるべきものを食べる」というもの。そのうち最も取り入れやすいのが「午前中は新鮮なフルーツ(またはフルーツジュース)だけ」だが、厳密にやるとベジタリアンの食事に近づく。その根拠としてあげられていたのが、“人間はもともと猿から分化した生き物なので、猿と同じ食事が自然”というものだ。
マサチューセッツ工科大学教授の利根川進博士のことば(P57):
「人間とチンパンジーとの相違はわずか2%で、体毛の有無や頭脳の発達程度に見られるにすぎず、解剖学的に見たからだの構造、消化器官をはじめとするすべての代謝機能はなんら変わりがない」*2
その言葉には説得力があった。
「食べるために生きる」*3から「生きるために食べる」に変えましょう、というのがこの本の薦めだが、ここまで思い切って変えるのは勇気が要る。
ただ、理論として知っておき、できる範囲でやってみるのはいいかもしれない。何しろ、ヒポクラテスが薦めていた最も古い食事法なのだそうだ。
私のアクション:動物性タンパク質を摂らない日を作ってみる
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読書日記:『フィット・フォー・ライフ』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
消化機能を充分に活躍させるためには(P88)
食後3時間の余裕を持たせることが理想的。たとえば夕食は摂取サイクルの終わりである午後8時から3時間前、つまり午後5時、早めの夕食が理想的と言える。3時間というのは食べ物が胃から出ていくために必要とする時間で、もしこれが実行可能ならば、「吸収と利用」は時間通りに始まり(以下略)。
食べ物の「正しい組み合わせの原則」(P104)
・凝縮食品(米、パン、肉、魚、卵、乳製品など)を2つ以上一緒にとらないこと。
・肉や魚は、野菜と一緒にとること。ご飯やパンも、野菜と一緒に合わせて食べること。
大豆製品・豆類は米と一緒にとれる(P106)
豆腐や納豆、豆類などの植物性タンパク質食品は、動物性タンパク質食品よりもタンパク質含有量が少なく、米やパンとの相性がよいため、ご飯やパンのおかずに組み合わせても、消化器官に混乱は起こらないので、一緒に食べることが可能。
「病気知らずの食生活」3つの原則(P116)
1.「命の水を豊富に含む食べ物」=果物・野菜を食べること
2.「食べるにふさわしい時間帯」に食べること
3.「正しい組み合わせの原則」に従って食べること
肉や魚を食べる時には(P106)
その食事では炭水化物(デンプン質食品=米、パン、芋、パスタなど)を食べないようにするだけでよい。