毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

常識を捨てれば、逆転できる☆☆☆☆

今年の初め、ネットサーフィンで知った本。やらないことでうまくいく、というのが不思議で、図書館で借りて読んでみた。
いろんな意味でこちらの期待を裏切ってくれる本だった。


◆目次◆
はじめに
第1章 できなくてもいい
01夢がわからなくてもいい!
02うまく話せなくてもいい!
03好きな人としかつきあわなくていい!
04夜遅くまで会社にいなくていい!
05クリエイティブ能力はなくてもいい!
06ライバルはいなくていい!
07「つきあいの悪いヤツ」でいい!
08当たり前のこと以外、できなくてもいい!
09狙いどおり手に入れなくてもいい!
10無理に友達はつくらなくていい!
第2章 なくてもいい
11夢がかなわなくてもいい!
12大企業の名刺も、肩書もなくていい!
13カッコわるい仕事でもいい!
14エリートでなくてもいい!
15逃げ道はつくってもいい!
16「TO DOリスト」はつくらなくていい!
17テクニックはなくてもいい!
18思いどおりにならなくてもいい!
19無力でもいい!
第3章 やらなくてもいい
20万能にならなくてもいい!
21ひとつだけできればいい!
22好きなことだけやっていてもいい!
23みんなに好かれなくてもいい!
24仕事のパートナーとはぶつかっていい!
25リーダーシップはとらなくていい!
26「仲よし」じゃなくてもいい!
27融通のきかないヤツでもいい!
28目上の人にこびなくてもいい!
29偉くならなくてもいい!
30えこひいきをしてもいい!
31友だちと仕事をしてもいい!
第4章 そのままでもいい
32脇役でもいい!
33欠点は直さなくていい!
34仕事は自己表現でもいい!
35自分を隠さなくてもいい!
36ていねいすぎてもいい!
37九九九回ダメでもいい!
38直感に任せてもいい!
39理屈より感じることを優先してもいい!
40よく見せられなくてもいい!
41自分らしく生きてもいい!
42まわりにたよってもいい!
43できない自分でもいい!
44隣の芝生は、見なくていい!
おわりに

はじめに、目次を見て思わず爆笑してしまった。常識ではやらなきゃいけないこと、できなかったらまずいことがずらりと並んでいる。
※あまりにもインパクトがあったので、目次はあえて「44のルール」すべてを載せています

著者の四角(よすみ)大輔さん*1は、元・音楽プロデューサー。担当アーティストは絢香、Superfly、平井堅CHEMISTRYなど売れっ子揃いだ。

でも、ご本人曰く“本当にダメ人間で、何をやらせてもうまくいかなかった”のだそうだ。特に行きたかったわけでもないレコード会社に入社し、札幌でCDセールスの営業をするも成績は上がらず、営業所のお荷物になっていたという。
だが、自分の好きなアーティストは一生懸命売り込んだ。平井堅に惚れ込み、懸命に営業をかけた結果、札幌だけが突出して売れるというブレイク現象に。それを面白がった平井堅担当のプロデューサーが著者を指名して、プロデューサーをすることになった。まるでサクセスストーリーのドラマのようだ。


だが、著者は何もしなかったわけではないし、すべてができなかったわけでもない。
上のエピソードでもわかるが、これだと思った対象にはものすごい情熱とエネルギーを注げる人なのだ。
新人だから、というだけで回ってきた演歌歌手のプロモーションの仕事*2。でも、著者はそこでもまれながら目の前の人に1枚1枚CDを買ってもらうことの大切さや、どんな風に伝えればお客さんの心に届くのかをここで学んだという。プロデュース業の基本はすべてここで身につけたと言ってもいいくらい、熱心に取り組んでいるのだ。新人だから押しつけられちゃった、とイヤイヤやっておしまい、という人がほとんどのはずなので、やはりただの人ではないと思う。

そこをかん違いしなければ、この本はリアルな知恵に満ちている。社会に出たり、本を読んだりして自然に身についている「常識」を破ることで、こんなに違う結果が出せるのか、というのは新鮮な驚きだった。

中でも印象に残ったのは

「なりたいもの」になるよりも「やりたいこと」ができる方が重要(P66)

という言葉。
著者はもともと教師希望だったのだが、社会勉強をしてからでも遅くない、という先生の言葉を素直に受け入れて就職したのだそうだ。
そして、現在はニュージーランドとのデュアルライフを送りながら、たくさんの大学で教えられている。「教師になる」が目標になっていたら、おそらく今のような生活は手に入れられてないはずなので、どこにフォーカスするかは大事だと衝撃を受けた。


他にも、プロデューサーとはどんな仕事なのかや、チームで結果を出す方法を知る本としても読めるし、セルフプロデュースのヒントもたくさん詰まっている。
人によって、面白いと思うところ、得られるものは違うと思う。
何より、ただの理論ではなく経験に裏打ちされた言葉は心を打つし、読後感がとてもすがすがしかった。


閉塞感を感じている人や、自分の限界が見えてきた、と思っている人はぜひ読んでみてください。常識をちょっと横に置いてみることで、世界が違って見えますよ。
私のアクション:やるかどうかは量ではなく、仕事の結果と質を見て決める


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

仕事量ではなく、その仕事のもたらす結果と質を見ながら、本当にやるべきかどうかを判断する(P27)

この目線を持つことで、何倍もパフォーマンスを上げることができる。

あたりまえのことをきちんとやり続ける(P45)

人としてあたりまえのこととは、たとえば朝出社したら「おはようございます」とあいさつする。ちゃんとお礼を言う。資料などは決められた期限までにしっかりと作る。約束に遅れそうになったら相手に事前にきちんと連絡をすること。
(中略)
多くの人は、キャリアを積むほど、あたりまえのことができなくなるもの。逆に、仕事がデキるすごい人は、いつまでもあたりまえのことがきちんとできる。

仕事においてものごとを判断する時に、“人の心”を持っている人は、ひとりの個人としてどう感じ、どう考え、どう行動するのかを決められる(P69)

…個人としての判断よりも先に、課長としてや会社の人間として判断してしまうなど、自分の置かれた立場でものごとを感じ、考えて、行動していると、しだいに他人のことを属している会社や出身大学で判断するようになり、「人としての心、そして感じる心」を失ってしまう。
重要なのは、その人の立場ではなく、その人が個人としてどう感じ、何を発言するのかということ。

「やりたいことリスト」で自分を知る(P90)

…「やりたいこと」を見ていくと、自分はこういう人間だったんだな、ということがよくわかるようになる。「やりたいことリスト」をつけるという行為は、自分なりのやり方で自分を分析することにつながっていた。

「不得意なところ」をカバーしてくれる人を探す(P109)

自分の得意なところ、不得意なところを浮き彫りにしたうえで、自分の不得意なところを修正しようとするのではなく、そこを補ってくれる人は周りにいないだろうか、と探してみる。
(中略)
…万能を目指すのではなく、自分が一番得意なことに集中できる“環境作り”ができないか、という視点を持ってみるとよい。

うまく行くプロジェクトのポイント(P132)

1.チームのコミュニケーションが密に取れている
2.方向性にブレがない

*1:ご自身のサイトはプロフィールが見当たらなかったので、Facebookの基本データページにリンクしています

*2:いわゆるドサ回りなので、みなさんやりたがらないのだそう