なかなかありそうでない、いい本だった。
◆目次◆
第1章 文章力がすぐにアップする9つのヒント
第2章 ソーシャルメディアで気をつけたい6つのポイント
第3章 今日が明日の糧になる。タイムラインの書き方・活かし方
第4章 学びをシェアしよう
第5章 上手い文章より、共感を呼ぶ文章にしよう
第6章 ゆるやかなつながりで「信頼」を育む
第7章 独自の視点で価値を高めよう
文章術と言っても、実際の内容はもっと広い。誤解されにくい書き方の工夫や修飾語と比喩のうまい使い方などから、「売り込みをしない」などの好感度ポイント、さらにはソーシャルメディア特有のトラブル回避の方法まで*2さまざまだ。
ソーシャルメディアに限らず、相手とネットを通じてつながるメールなどにも応用可能だと思う。
基本にあるのは「相手の立場に立って考える」というシンプルな思いやりの精神。これがきちんとできるようになれば、実際の人間関係もうまく行くのではないだろうか。
この本がロングセラーになっているのもうなずける。
著者・前田めぐるさんの本業はコピーライターだそうだが、私が苦手なあの職業特有のクセ*3はなく、読みやすかった。難を言えば、アマゾンのレビューにあったように、よい例として挙げられている文章が美しすぎることだろうか(プロが書いているから当然ですが)。
この本で一番印象に残ったのは「文脈=人脈」という言葉。つまり、自分が書いている言葉に応じて人が集まってくるので、つながりたい人を想定して言葉を選べば、自動的に人を選ぶことにつながるのだという。今までそういう発想がなかったのでちょっと感動した。
非常に守備範囲の広い1冊。私はまあできているかなと思うところもあったので☆3つにしたが、これからブログを書いたり、Facebookをきちんと使いこなしたい、という人にとっては心強いパートナーになると思う。
ネット上でよいつながりを築くために、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:「自分との約束」を未来記事で書いてみる*4
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
使わない言葉を決めて人脈を選ぶ(P81)
耳にして何となく嫌な言葉。遠ざけたい言葉。悲しい気持ちになる言葉。…その言葉を使わないと決める。つまり、ソーシャルメディア上で書かない。「文脈=人脈」なので、「使わない言葉」を決めることで、「そういう言葉を使う人とは出会いにくい」という流れが自然に起きる。
リスクを避ける時間差ライティング(P105)
旅行などの予定をタイムリーに書くと危険が生じることも。
そんな時は、少し時期や時間をずらして書く。お正月休みのことを1月の終わり頃に書いても大丈夫。
五感を磨く10分散歩(P123)
10分程度の記憶を、体の中にギュッと閉じ込めるように歩く。歩く前にテーマを決め、そのテーマだけに集中して感じるようにする。
例えば、「今日は音を集めよう」と決めたら、音だけに集中して歩く。
ブログに未来記事を書いて自分と約束(P145)
今年はこれをやる、と決めたことを12月末の記事に書いておき、未来記事を書いたことだけは事前に宣言する。書くことによって「未来のこの日にこの記事を公開しても恥ずかしくない自分になる」と決める。
書き出しを工夫して読ませる文章にする(P179)
「今日は〜でした」と報告で始まる文章を、
・数字で始める
・擬音で始める
・手紙風に始める
・回想で始める
・質問で始める
など変化をつけてみる。