※文庫版あり『息の発見 (学研M文庫)』
『中途半端もありがたい』でこの本のことを知り、さっそく借りて読んでみた。この本の対話は、福島の玄侑さんのお寺まで五木さんが出向き、1泊2日で集中して行われたものだそうだ。
ここで語り尽くしたからこそ、『中途半端もありがたい』の対談では、和気あいあいというか、すぐに深い話になったのだな、と納得。
興味の傾向が似ていて、共に作家で博識なお二人の話はとても深い。一気に読んでしまった。
◆目次◆
息の世界に気づく旅のはじめに
第1章 息の力
第2章 ブッダの息の教え
第3章 いのちをあやつる息のふしぎ
第4章 東洋の息、西洋の息
第5章 禅的呼吸法へのいざない
第6章 食と健康と呼吸法
第7章 呼吸革命への道
あとがき
※さらにくわしい目次を知りたい方は、玄侑宗久さんのサイト:単行本紹介ページをご覧ください
まずは、さまざまな呼吸法について語られている。五木さんも呼吸法には一家言ある人なので、あれこれと呼吸談義に花が咲く。
そこから、ブッダの話、仏教、さらに禅宗へと話が広がる。
博学なおふたりのことなので、さまざまなたとえや引用が出てくるが、とにかく面白い。
特に私が興味深かったのは、西洋と東洋で呼吸の仕方が違う、という話*1や、第6章の食や健康にまつわる話。五木さんも養生にはうるさいので、『中途半端もありがたい』にあったような健康談議がこちらでも楽しめる。
また、玄侑さんによれば「すでに呼吸法は出つくしている」のだそうだ。新しいものを追い求めるのではなく、昔から長く続けられているものを再認識した方がいいのかもしれない。
一番印象に残ったのは、呼吸法は自分に合ったものを探すことが大切で、一律に「何秒吸って何秒吐く」というものはあまりよくない、という話。
呼吸というのは本当に奥が深い。瞑想ともつながっていることが改めてよくわかったので、呼吸法をちゃんとやってみたくなった。
呼吸、仏教、禅のどこから切っても面白い本だと思う。興味のある方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:「喫水線呼吸法」を練習する
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読書日記:『中途半端もありがたい』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
上がった時の呼吸法(P43)
踵を上げたまま、下までつけないで、とん、とん、とん、と上下にやって、頭に上がった意識を丹田に落としていく。
息は止めたまま意識だけ下ろす。
ハミングの方がアルファ波になりやすい(P81)
歌詞を追うと、つい意味を考えるから、いい気持ちにはなりにくい。
(そういう意味でも、お経の意味がわからないというのは、悪くない)
(息を)数えている意識があると、瞑想が壊れる(P134)
瞑想状態というのは、言語脳が働き出してもだめ。