こちらも、用事で行ったある大阪市立図書館の書架で見かけた本。
よしもとさんの日記は好きで、小説から離れていてもネットで欠かさず見ていた時期がある。
その日記でたびたび登場していたのが内田春菊さん。そのおふたりの対談なら、きっと面白いぞ、と思って借りてみた。
◆目次◆
子どもという存在
家族という問題
女ですもの
タイトルが「女ですもの」というくらいだから、女性の生き方みたいな話かな、と思って読み始めたら、いきなり子どもの話。
子どものいない私には向いてない内容かと一瞬焦ったが、大丈夫。子どもを産むという話は、重要だけどあくまで「オプション」だ。ベースには(おそらく)どの女性にも共通する部分がちゃんとある。
ただ、妊娠・出産・子育てを経験した人の方が、より共感して読めると思う。
家族や家制度についての話は面白かった。内田さんは紆余曲折を経ての事実婚*1、よしもとさんは計画的な事実婚。
結婚相手の実家とのつきあい方などは、思わずうーん、と考えてしまった。よしもとさんが、そこまで熟慮して事実婚を選んだとは知らなかった。
この本で初めて知ったが、内田春菊さんはとても波瀾万丈な人生を送られている。お子さんが4人もいらっしゃるのに、自分の人生は自分の人生としてしっかり生きている感じで、頼もしい。
対談なのでさらっと読めるが、内容はところどころ、とても心に響く。
これから結婚や出産にのぞむ若い女性が読むと考えてしまうかな、とも思うが、あとで失敗だった!と思うよりは、知っておいた方がいいかもしれない。
もちろん、自由業のおふたりだし、誰もがこんな生き方ができるわけでもないが(相当リスキーではあります)、読んでいると自分も可能性が広がった気がして明るい気持ちになれる。
生き方はともかく、考え方や気持ちはこういうのもありだよね、と思えるのは大事だと思う。
日々のことだけで手一杯、と視野が狭くなっている方にお勧めです。
私のアクション:「情報は集めるけど、決めるのは自分」と決めてしまう
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
お母さんぽくなくてもいい(P32)
(『マンガ 子ども虐待出口あり』という本の中で)
内田 信田先生(カウンセラーの信田さよ子氏)には子どもが2人いるんだけど、(漫画家の)イラ姫さんが信田先生のことを「全然お母さんっぽくない。お母さんに見えない」ってびっくりするくだりがあるのね。すると信田先生が「それは、私が、母親とか家族のあり方に常に疑問を持っているからです」って答えるの。「私はこれでいく」「私はお母さんなの。これで迷わないの」って思ったとたんに、その人はその図式に入っていく、と述べています。
アトピーで考えたこと(P40)
よしもと アトピーっていうのもくせもので、みんな必ず一度は絶対に通るんですよね。そうなんだけど、その時の指導が、これまたうるさい。「玄米菜食にしなさい」「お菓子は一切ダメ」「キュウリもダメ」「動物捨てろ」とかいう人までいた。みんな、真面目に取り組むんですよ。でも、やってもやらなくても、結局、その時期が過ぎたら治ったような気がして、あれって、“永遠に続く世界”というか、ある種のビジネスのようなものに思える。…だから、自分で判断して決めることって大事。
(中略)
どこまでその世界とつき合うか、決めておかないと。私の場合、ある時期、あまりに頻繁に、これがいけない、あれがいけないってみんなから言われ、いっとき悩んで、姉に弱気でつぶやいたんですよ。「母乳から毒の成分が流れ出てるから、アトピーになるっていう話を聞いた」と。そしたら、「あんたねぇ、毒っていうのはカドミウムとか、水銀とかそういうものを言うんだよ」っていう答が返ってきて、ああ、ほんとにそうだよなぁと最後に気づかされました。