『ゼロ秒思考』にある「A4メモ」を自分でも試したところ、頭がスッキリしたり、気分のモヤモヤが晴れる実感があったので、人に勧めるならこっちかな、と思い読んでみた。
◆目次◆
第1章 毎日のモヤモヤをどう処理していますか?
第2章 悩むことと考えることは違う
第3章 基礎編―世界一シンプル!A4メモの書き方
第4章 基礎編―「メモ書き」とこころの関係
第5章 実践編―自信のなさを整理する!
第6章 実践編―劣等感を整理する!
第7章 実践編―上司との軋轢を整理する!
第8章 実践編―コミュニケーションのギャップを整理する!
第9章 実践編―異性とのコミュニケーションを整理する!
おわりに
帯を見てびっくりした。
「友だちに愚痴3時間」以上のスッキリ保証します!
そんなことを言っていいのだろうか、と思って。
だが、読んでみたら、大風呂敷じゃないかも、と思える。
「人がいだく『モヤモヤ』にはいくつかのパターンがある」と著者は言う。
・自信のなさ
・劣等感
・上司との軋轢
・コミュニケーションのギャップ
・異性とのコミュニケーション(P78)
などだ。この本では、このそれぞれについて具体的なメモ書き例を挙げ、掘り下げ方を説明しながら、同時に問題解決にも導いてくれる。
著者は、「考えるとは何が問題なのか特定すること」だという。A4メモに書き出すことで、よくわからないモヤモヤが特定できる。気になることは、さらに深掘りすれば具体的に目に見える形になり、スッキリする。
この本によれば、考えるクセをつけると、いいことがいっぱいある。
自分の言いたかったことが言語化できるので、コミュニケーション力がアップする。
きちんと伝えられることで余裕ができ、相手の話を聞けるようになる。
相手をきちんと見られるようになるので、うがった見方をしなくなる。自信も出てくる。
一番面白かったのは、「相手の立場に立って考える」をA4メモでできること。
例に登場する主人公Aさんは、プロジェクトに巻き込みたいEさんがどう考えているのか、その人から自分はどう見えているのかをメモ書きしてから、どんなアプローチが効果的かを導き出していた。
他にも、上司の立場について考えたり、上司とうまく行っている同僚の行動、果ては上司が喜ぶコミュニケーションのやり方まで書き出していた。
これはもう、メタ認知の世界ではないですか。会社の人それぞれの劣等感についてメモ書きするなんて、「エスパーかい」と突っ込みたくなるが、これがきちんと成立して、役に立つのだ*1。
こうやっていろいろ書いていくことでとんちんかんなアプローチになることを防いだり、相手が望むことに意識を向けることができる。
A4メモは原則1枚に1分しかかけない。気分的に負担にならずに書けるので、これが準備になるなら本当に楽だ。
友だち相手に飲みながら愚痴ると、確かに気分はすっきりするが、それ以上の発展はない。しかも、あまりくり返すと友だちを失うことにもつながりかねない。
それなら、A4メモを書く方が簡単でスッキリするし、解決策が見えてくることもある。
タイトルや内容から、女性向けのように見えるかもしれないが、例は「職場でプロジェクトリーダーに立候補しようかどうか迷っているAさん」の悩みをメモ書きしていくというものがメインなので、仕事にも充分使えると思う。
私は『ゼロ秒思考』を読んでからA4メモ書きを続け、頭の回転がよくなった、もっと言うと頭がよくなったような気がしています。
モヤモヤしている人はぜひ。「仕事のことよりも、自分の悩みが気になる」という人は、この本から読むのがおすすめです。
私のアクション:A4メモで自分の長所を挙げる
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
「考える」とは、何が問題なのかを特定すること(P37)
日常の表面的な状況の中で悩んだり、愚痴を言ったり、思考停止したりせずに、そこに本質的な問題を見出すこと。
それを手助けするツールがA4メモ。
自分の言いたかったことが見えてくる(P70)
メモ書きをすると、モヤモヤをきちんと言葉に置き換えることができるようになる。
(中略)
頭がいつも整理されるようになるので、「何をしたいのかしたくないのか」「これがいいのか悪いのか」「こうなるのはなぜなのか」、そういうことが苦もなく説明できるようになる。
1分で書こうとすると、大事なこと以外浮かばない(P121)
何が大切かを1分で書こうとすると、劣等感について考える時間がなかった。急いで書くので大事なこと以外、頭に浮かばない。
自分がどう見えるか、常に相手の立場で考える(P178)
自分の動きが相手からどう見えるのか、相手の立場で考えてからコミュニケーションするべきだ。
相手の立場で考えないと、いろいろと読み違えることがある。
*1:いちいち本人に確認はしないので、あくまで推測ですが